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2016.7.4   日経産業新聞の記事「拡大鏡:頭部保護帽、安全+ファッション性」から

障害のある少女の依頼から発展

コラムの筆者 栗坂 秀夫氏(パシフックデザインアソシエーツ代表)は、病院・施設用リネンサプライ、清掃、福祉用具の開発・製造、住宅改修を手がける特殊衣料(札幌市)が手がける保護帽「アボネット」の開発の経緯について語っている。

○安全性重視から使い勝手、ファッション性への配慮に

同社が2000年から産学官連携による福祉用具のデザイン開発・研究プロジェクトに取り組んだ中で生まれたファッション性と機能性を加味した保護帽「アボネット」を02年に販売開始をした。

この開発の原点に、障害のある少女の願いがあったという。少女の家族から「軽くて丈夫な保護帽を作って欲しい」という相談から同社が取り組んだ。通常安全帽は、ヘルメットで、外出時に着用できるような適当な保護帽がなかったという。当時現在のアボネットの原型となる頭部保護帽「愛帽」を94年に開発、これが発展した。特徴は、安全機能に重点を置きながら、使い勝手やファッション性を配慮し、帽子の内部に緩衝材としてポリエチレン製ビーズや高級ウレタンフォーム、メッシュなどを使った。

さらにアボネットは、少女の要望からさらに広がり、社会の変化や要望を取り込んでいる。衝撃吸収性能も客観的な評価指標で表示し、病気などで頭髪が少なくなった人たちも気持ち良くファッション性を配慮した製品も販売している。ソーシャルデザインの典型といえよう。pchappy01

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