【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:文化と文明、バランス欠いた現代」から
2016/06/02
2016.5.27 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:文化と文明、バランス欠いた現代」から
現代文明は健全か?
コ ラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、二つのよく似た言葉、文化と文明について比較することで違いを解説している。
◯フランスの哲学者ベルクソンが警告する現代文明のアンバランス
文化と文明に対する接頭語を並べて、和田教授は比較している。
【文化】:日本、縄文、飛鳥、江戸、平泉、農耕、稲作、町人、物質、若者、紅茶など
→人間が作り上げてきた国家・社会から日常生活にいたる幅広い局面での、芸術・科学・技術や道徳・宗教・政治といった物心両面での「成果」
→人間の精神的向上
→民族・言語・伝統と結びついて国境が見える
【文明】:イスラム、インカ、ギリシャ、中国、西欧、古代、現代、技術など
→文化の発達によって生活レベルが上がり、社会が組織化され、人権尊重や機会均等など人間にとっての基本原則が確立された社会の「状態」
→技術的発展のニュアンスが強い
→民族や国境を越えて広がる
以上のように和田教授は比較してみせた。
サイエンスとテクノロジーという文化が科学技術文明を形成し、急速な発展を遂げつつある現在、文化・文明の最高にして最善の関係が求められる。和田教授はここで、フランスの哲学者 ベルクソンなどをはじめとする多くの思想家が発する文化と文明のアンバランスについて言及している。それは、
「現代文明は人間の身体を人工的に拡張していった身体であって、魂を欠いた存在であるようにみえる」
という警告である。
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