【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:サイエンスの『絶対』、根拠なく使われたら眉唾」から
2016/06/09
2016.6.3 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:サイエンスの『絶対』、根拠なく使われたら眉唾」から
あらゆる制約から自由な状態
コ ラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、サイエンスの「絶対」について解説。これまた、いろんな分野で使われている「絶対」をみながら、絶対を利用する際の注意点を語っている。
◯物事の本質をみるには絶対な状態
絶対は、たしかいにあらゆる制約から自由で、比べられたり競争するものがないから、物事を考察する時の出発点となると、和田教授は指摘している。つまり純粋で、余計なものが一切ないから本質が見え、明快に理解できるという。
そこで和田教授は、絶対を接頭辞にするような単語をだしてみた;
温度、湿度、空間、回転、過度、音感、屈折率、誤差、真空、重力、測定、等級、年代測定、配置、反応速度論、連続など
がでてきたという。
ここから、絶対の対立する概念である相対を取り上げてみると、例えば、
- 温度;日常使っている摂氏温度は1気圧での氷の融点をゼロ度とする相対値。絶対温度は、熱運動の完全消滅状態という物理学の基本料に基づく完全な定義をもっている
- 真空;工学的・技術的には、大気圧よりも低い圧力の状態を広い意味での真空というが、物資のまったくない空間が絶対真空で、この状態を作り出すことは、現在は不可能とされている
という。こう考えると、絶対という言葉を議論の中で使う場合は注意しなければならないと、和田教授は示唆している。さして根拠もないのに絶対が主張されたら、それ以外に頼るところがなくなったということを白状しているようなもので、眉唾物だという。
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