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2016.5.10  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:モデル化、諸問題理解の基本」から

自然は幸いなことに階層構造

コ ラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、前回に引き続き、モデル化(縮尺モデル)を取り上げ、その作成と自然の性質について語っている。

◯モデル化とは

和田教授は;

モデル化とは「理解しよう」という明確な目的を持って対象を単純化することだ。具体的には、必要要素を抽出(抽象)し、残りを捨てる(捨象)すること。

と定義し、ものごとは、全体、諸要素、要素間相互作用が三位一体となって様々な形で演出されるという。

このとき物理学は「ものごとの性質・挙動を決めるのは構成粒子がミクロ世界の第一原理に従って相互作用するためである」と考える。幸いなことに自然は階層構造を作っている。階層構造とは物理学では、素粒子、原子、分子、高分子、固体、流体、気体などで、常に素粒子のようなミクロのことから始めなくても、各階層ごとに1つ下の要素の相互作用でモデルをつくることができる。

 このことからモデルをつくるとき、よりミクロな下位の階層の構造を知らなくても独立の法則がでてくる。科学ではこの原則に則るが、理解解決に向けてのモデル化は、この世の中の諸問題の理解すべてに通じる基本だと和田教授は語っているpchappy01

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