【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:共通ポイント、囲い込み効果薄れる」から
2016/04/24
2016.4.21 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:共通ポイント、囲い込み効果薄れる」から
あふれたポイントカードで本来の効果は?
コラムの著者 横山 斉理氏(日本大学商学部准教授)は、ポイントカードの導入が顧客の囲い込みであったが、最近の利用店の共通化でその効果が薄まっているという。
○切り札はおもてなしの気持ちなど事業者側の付加価値
横山准教授によれば、ポイントカードが顧客の囲い込みのために導入が始まったという。
店側が来店客にポイントカードを配布し、購買金額ごとに一定のポイントは次回以降の支払いに使うことができたり、ポイントを使って追加的なサービスが利用できたりする。つまり実質的な値下げで顧客を囲い込もうという意図である。ここには、顧客がお得意様になってもらって継続して購入を促すことで、新規の顧客獲得にかかるコストを減らすことである。
ポイントカードは購買履歴などで分析することなどの長所はあるが、対象店の共通利用を可能にすることで、囲い込み効果は薄まってきている。ポイントカードが溢れることで、自分の行動範囲や好みを考え、幾つかのカードから厳選してお財布やカード入れに入れることになる。入ったカードは囲い込みに成功するが、その他は失敗したことになる。
ポイントカードの共通化は消費者にとっては持ち歩きなどの点で便利になるが、店側の囲い込み効果はどんどん失われる。ポイントはもともとお得意様へのインセンティブであったのが、特定店でお得意様の意味がなくなり、別の付加価値を考えないと囲い込みの手段には、もはや厳しい状況だ。
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