【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:電子式コンピューター70年、産業社会に創造的貢献」から
2016/03/07
2016.3.1 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:電子式コンピューター70年、産業社会に創造的貢献」から
ジョン・モークリーとジョン・プレスパー・エッカードの着想
コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、世界初の電子式デジタルコンピューター「ENIAC」が米ペンシルベニア大学で発明されて70年となり、その業績に二人のジョンが絡んでいることについて触れている。
◯皮肉にも軍事プロジェクトが後押し
ENIACが発明されたときは第二次世界大戦直後で、一気にこの後情報化社会への開花にむかう時期だあった。発明史的な意義であることはもとより産業社会全般に影響を与えた。
開発プロジェクトは軍事目的で、とくに弾道計算のニーズが1940年以降高まっていたという。プロジェクトの推進者の一人はジョン・モークリーで、計算機械で気象問題を解く夢を持っていた。もう一人のジョンは、ジョン・プレスパー・エッカードで、磁場測定の情報をフィルムに記録するという画期的な発明をしていた。
この二人のジョンが議論を重ねるうちに「電子が計算をする」という着想が実現可能と確信。だが、開発には莫大な人件費と制作費が必要とされた。平時ならとても受け入れられない開発投資が行われ、完成したENIACは1万8千本の真空管が使われ、消費電力は150キロワット、重量は20トンに達したという。肝心の性能は、従来の機械式に比べるまでもなく、10桁の計算を3秒でこなした。ただ、2進法ではなく10進法が使われ、プログラム内蔵型ではない。
まさに議論の生んだ成果であった。
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