【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:リポジションニング、訴求点変え、市場開拓」から
2015/06/10
2015.6.4 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:リポジションニング、訴求点変え、市場開拓」から
製品の位置付けを変えることで新市場を拓く
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、明治の『果汁グミ』を例に、リポジションニングについて言及している。
○お菓子から美容健康食品に位置付けを変える
同製品は、果汁100%というコンセプトで1988年から発売され、子供から20代女性まで広がり、ヒット商品となった。99年には無着色料で親が子供に安心して食べさせることを狙った。さらに産地にこだわり、製法全般を見直し自然な色合いを出す工夫をした。「着色料不使用」と記載し、安全性を訴求、グミのトップブランドとして拡大した。
ところが、2000年に入り、市場が成熟し始めると20代女性は減少し、グミは子供のお菓子として定着した。このとき競合他社のカンロが、20代女性をターゲットに「ピュアグミ」を投入する。酸味を強調し、パウダーをまぶした強烈な刺激を提案した。そこで、明治は、美容や健康を意識する女性が増えてきたことを突き止め、グミに含まれていたコラーゲンなどが人気材料になっていたことを念頭に置いた。「果汁グミぷるん」は噛むコラーゲンのロゴと1袋にコラーゲンが1500mg含まれていつことを主張した。これまでのお菓子の位置付けから、20代女性の小腹を抑えるおやつ、しかも健康や美容を意識した商品とした。このリポジションニングによって、2007年には2倍の売り上げを上げヒットした。
コメント