【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:『紙を切る』前提を疑う、ハサミに見る常識の罠」から
2014/04/06
2014.4.3 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:『紙を切る』前提を疑う、ハサミに見る常識の罠」から
ハサミの用途は?
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、製品の常識的な使われ方を調査することで、実態から得るヒントで新市場創造の可能性があることを実例で示している。
○文具大手プラスの家庭用ハサミ『フィットカットカーブ』
同製品は、2012年の発売以来、累計500万丁を販売しシェア首位という。ただ、市場投入当初はヒット商品であったが、競合製品の登場で徐々にシェアを落としてきていた。
そもそも家庭用ハサミは誰が何のために利用しているのかといった実態の把握が出来ていなかった。そこで顧客調査から始めた。
- 購入場所は量販店が多い
- 購入者の8割は女性
- ハサミへの要望のランク:「切れ味」、「べたつき、汚れ、サビの改善」、「もちやすさ」
- 使い方:前提と考えていた薄い紙(8%)、洋服のタグ、食品バッグなどのプラスティック(24%)、粘着テープ(19%)、牛乳パックや段ボールなどの厚紙(16%)、植物(19%) など多種多様なものが切られている
これらの調査から、「家庭で使う新定番、紙はもちろん、プラスティックも厚紙もいりいりなものがスパッときれる」をコンサプトにした。さらに、ハサミのどの位置で実際に切り始めているのかなどの実態調査し、刃先ではなく、中間あたりから切っていることもつかめた。
計測を繰り返し、派にカーブをつけて、開く角度を30度に保つと根元から切れやすいことも分かった。こうして、従来の3分の1のつからで多様なモノが切れるハサミを開発した。
一見紙しか切らないと常識に捕らわれていると生まれてこない新製品であった。
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