【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ゼロを目指す工学」から
2013/08/22
2013.8.20 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ゼロを目指す工学」から
環境に優しい技術開発
コラムの著者 山﨑弘郎名誉教授(東京大学)は、ゼロから作る技術や工学をゼロに戻すところにも方向性があることを示唆している。
○工学の見地から
山﨑教授によると全ての工学や技術は、新たな価値を生み出す人工物をゼロから実現する機能を持っているという。言い換えれば、環境重視の高密度な成熟社会では逆のエンジニアリング、つまりゼロに戻すことも求められるという。さらに、スタートとゴールの中間をどう最適化するかも課題である。
事例では、原子炉の廃炉や高層ビルの解体などである。方法としては、設計によって構築された秩序や機能を合理的にゼロにする方法と、一気に破壊して、破壊後の処理技術を確立するというものだ。
○すでに行われているゼロ化への技術開発
不要家電のリサイクルでの回収、分解の再利用システム。古紙やプラスチック製品など回収処理は破壊方式である。山﨑教授は、ゼロ化への技術に2つの方向性があるとしている:
- 既成のゼロから価値を生むプロセスにつながり、今度はゼロにするライフサイクルを形成する方法。対象のライフサイクルを通じて、知識と秩序が出来る。
- 既成の分野を横断した異分野への展開を考える方法。環境や資源を念頭に入れ、例えば製鉄所のコークス炉の原料の一部に廃プラを利用して、廃プラの減量と燃料の節約を考えるなどである。
このようなゼロ化技術は、地球環境への負担を減らすことから、新しい工学の姿があるのではないかと山﨑教授は指摘する。
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