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2013..6.7   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:MITのチャペル」から

宗教、人種、専門を超えた工学大学内のチャペル

コラムの著者 山﨑弘郎名誉教授(東京大学)は、MIT(米マサチューセッツ工科大学)の構内にあるチャペルの意義と先日ボストンで発生したテロにふれ米国社会での精神性の違いについて語っている。

○チャペルの意義

山﨑教授によると、チャペル設立の目的は、

『人種、宗教、専門などの相違を一切区別せず、誰でもが、ここでじっと自分の思いを深めることで、瞑想し、精神世界に没入してほしいと願ってチャペルを建設した』

とあったそうだ。このチャペルの内部は、祭壇があり、椅子が配列されてはいるが、彫像や画像は一切ない。既成のどの宗教とも異なっている。

技術者が、人心を顧みず、技術に突っ走ることを諌め、瞑想して、深い精神世界に触れ、より広い視野を持つように期待されていると、山﨑教授は当初受け取ったようだ。しかし、近年は、「誰もが」といった語意が重要であると考え、瞑想により、平等や平和の価値を認識し、人種や宗教の差などが偏見や憎悪にならないように防止する役目にも着目しているという。

○ボストンマラソンやMITのキャンパスでのテロ行為

ところが残念なことに、ボストン市とMITのあるケンブリッジ市でテロがおこった。移住者の若い容疑者兄弟は、このチャペルの意義に触れることもなく、米国社会から孤立し、憎悪して犯行に及んだ。山﨑教授は、せめてこの意義が容疑者らに伝わっていたら、残忍なテロは無かったかもしれないと悔やんでいる。happy01

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