【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:『瞬足』のブランド戦略」から
2013/02/23
2013.2.21 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:『瞬足』のブランド戦略」から
ターゲットを子供に絞りブランド拡張
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)が取り上げるのは、願いをかなえてくれる、と生活者から支持されるブランドについてアキレスの靴『瞬足』を取り上げている。
○アキレスの『瞬足』のこだわり
この商品は2003年の発売後爆発的に売れた。単純計算で3歳から11歳の子供の2人に1人が履くことになったヒット商品である。
ヒットの要因は、運動会等のトラック競技で速く走ることを目的に開発し、靴底のスパイクを右は内側、左は外側と左右非対称にしてカーブで滑らないように配慮した点だという。しかも、通学履きとしても使える。
発売後、ブランドを確立するために、いたずらに手を広げず、左右非対称という特徴を守った。3~4年たって市場からブランドとして見られるようになり、左右非対称からブランドの拡張を狙った。
○拡張段階で「子供のライフスタイルを応援する靴」というこだわりへ
ここで生活者の意見を聴いた。その中で「ダンスのしやすい靴」という依頼から新商品の検討が始まったという。さらに男児と女児では靴の取扱いの違いも見えてきたという。男児は履きつぶし型で、女児は通学と放課後を履きわけ型であるとの調査結果を得た。履きわけ型はメーカーにとって大きな需要が見込める。さらに2012年度から中学校からダンスが必修化されたことも追い風となった。
ダンスで回転しやすくするために、靴底のつま先部分を球面状に加工した。さらに女児のファッション調査から色や柄を決定。2012年1月に『瞬足ダンス』を発売、好調な滑り出しだという。子供の願いを届けるブランディングは芽を吹いたようだ。
コメント