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2012.9.18  日経産業新聞の記事「実践!ワークライフバランス(WLB)経営⑤:オン・オフ切り替え、ひらめき」から

Workとlifeの二者択一でないWLB

コラムの筆者 渥美由喜氏(東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長)は、独創性(イノベーション)を得るにも、コンプライサンスを進めるにもWLBでいうライフとワークの両者を活かすことこそ大きな成果となることを示している。

【若手社員に多い別種の「粘土層」】

前回、中間管理職がWLBを推進する上での抵抗勢力(「粘土層」)になりうるという話が出たが、今回は若年層に多い「ワカ粘土」について触れている。

結婚も子育てもない若手社員の中にはワークは面白いし、家に帰ってもやることがないので、粘土層となりやすいという。渥美氏は、こういうワカ粘土層に対して、自己研さんが重要と話すという。これまでの高度経済成長時には若手に対して先輩社員のOJTがあったが、現状はその余裕もないというのが現実である。

【経営層の「粘土層」対策】

経営層の粘土層に対しては、データとロジックで説得するのが肝要だという。中でも、コンプライサンスとイノベーションにWLBが重要な役割を果たすことを示すという。

  • コンプライアンス

 渥美氏の顧客企業の調査から、過去5年間い不祥事を起こした企業には、同業他社に比べて長時間労働という特徴があるという。おそらく、「会社が生活のすべて」となると、「会社の常識は社会の常識」となって鈍感になるのではないか、という。

  • イノベーション

 渥美氏がもう一つ説得することはWLBがイノベーションの起源になるという話である。ノーベル賞受賞した科学者の多くが、ひらめきのタイミングはオンとオフの切り替え時が多い、と渥美氏は説明する。

 ソニーのウォークマンも商品企画からではなく、音楽鑑賞が趣味だった当時の井深大名誉会長がいつでもどこでも音楽を楽しめる機械を作れないかと発案。そして、「きっと若者に売れる」と考えたと当時の盛田昭夫会長が、反対する役員を押し切って商品化されたという。 教養人として知られた、井深氏や盛田氏のライフに対する理解がビジネスに結び付いた事例だという。

WLBは、ワークかライフかといった選択でもなく、また、ライフはワークしない時間と捉えるのは間違えだという。生活の中にアンテナを高く張り巡らせ、良い仕事の糧にするものだという。searchflairlibrahappy01

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