【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:4つの視点」から
2012/08/26
2012.8.23 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:4つの視点」から
「消費者」「ソーシャル」「メディア」「流通」の4つの視点で市場検証
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、マーケティングの古典的な課題である、ニーズ、シーズをどちらに起点を置けば成功するのかといったといった問いに、シーズから起点での示唆を与えている。
【4つの視点での市場検証】
西川教授が言うには、シーズに適したシーズの基盤を創る、所謂、需要創造ができれば、シーズ起点でも良いというのである。統合的コミュニケーション戦略を企画する企業のやり方を同時に同教授は紹介している。
・消費者、ソーシャル(専門家やオピニオンリーダー)、メディア、流通の4つの視点で、その切り口が受容されるかどうか調査を行い、複合的に需要を検証する。
・その切り口が確実にメディアに露出し、消費者が行動を起こす情報に変化したとき、需要基盤ができる、という。
【ワコールの事例】
2010年にワコールの「下着による体のエイジングケア」キャンペーンがこの需要基盤の事例である。
ワコールの45年の研究やそれに基づく製品開発、店舗スタッフの高い採寸フィッティング力をシーズとして設定。こうした中、若い頃の体型を維持できている女性が、体形変化に応じて正しいサイズの下着を買い替えているという事実が分かった。ただ、そういった女性は少数派であった。
そこで、「ブラジャーは測って買わないとダメ」という消費意識をつくり、「ワコールの店で測って購入する」という行動に誘導しようと計画が進んだ。
4つの視点での検証:
- 消費者:エイジングケアに興味が見られた
- ソーシャル:専門家にもエイジングケアは支持された
- 流通:店頭の販売員には、サイズを適切にアドバイスできると好評であった
- メディア:取り上げる話題性があった
結果、好業績につながった。
西川教授がさらに指摘するのは、市場は変化することで、創造した需要基盤も変化するということを考えるべきだという。4つの視点の微細な変化を見逃してはいけない。
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