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2012.7.26  日経産業新聞の記事「エマージング市場攻略法⑥:国内からの機能移管」から

機能移管を可視化した「型」で乗り切る

海外への売上比率が上がるにつれ避けて通れない、組織や機能の現地への移管の課題があるが、コラムの著者 作左部孝哉氏(アクセンチュア、シニア・プリンシパル)が、指摘するのは、日本の曖昧とした組織風土を刷新し、役割分担や機能を見える化し、さらに「型」として本社と現地が共有する必要があると説いている。

【分担や機能が曖昧な日本企業】

日本企業のありがちな問題は、作左部氏によると、

  • 組織ごとの権限の分担が曖昧
  • 業務の進め方は組織間のすり合わせに基づいていることが多く、組織が接近していることが前提である
  • たとえ、組織分担が明文化されていても、更新されず、現状に合っておらず、結果として曖昧のまま
  • 国内での職務定義も曖昧
  • 仕事の進め方も、自己流か暗黙知

という。この状態では、機能移管を行えば、反って生産性が落ちる。

【機能移管の3つのポイント】

○仕事の進め方やノウハウを暗黙知から「型」として落とし込む

  • 多くの業務のプロセス、ルール、業務上のノウハウを国内の現場から吸い上げ、仕事の進め方の「型」としてまとめ直す。
  • 「型」を動かすための知識を洗い出し、社内で共有したり、教育することで浸透させる

○出来上がった「型」を推進する本社の専任部隊を現地に展開する

  • 専任部隊は、機能移管による生産性の影響を最小にして、当初想定していた生産性のレベルまで押し上げる施策や工程表を専門的に検討する
  • 現地側の抵抗感や「やらされ感」が出ないように本社での実行以上に段階的に現場を巻き込んでいく。

○「型」を常に改善できる仕掛けを実行する

  • 本社の目の届かない状態が起こると現地は最適を目指して、企業全体の組織力が上がらなくなる。そこで横串のグループを構築して、一定期間ごとに情報共有や最新動向を情報交換する場を設けて、国や地域の枠を超えて学ぶ機会を与えることで、「型」を見直し、更新を行う

日本企業の国内での組織の柔軟性を海外にも生かすなら、先ずは見える化によって、情報を社内で共有できる「型」が必要である。この「型」によって、再度国内外を見直して、組織での機能移管を進める。「型」は、不変ではなく、社内の情報共有で、常に見直しをかける、といったことが肝要だ。happy01

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