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2012.5.1   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:花粉症緩和するコメ、『組み換え』に冷静な議論を」から

遺伝子組み換え技術に対する希望と不安

コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学教授)は、国内には2000万人にのぼる花粉症患者に対して希望が持てる遺伝子組み換え技術によるコメへの応用に、過剰なおびえや畏れが、技術の進歩を遅らせはしないかと心配をしている。

遺伝子組み換え技術は、人口爆発や食糧不足に直面する人類に対して、明日への希望である。米ハワイ州のパパイアをウィルスからの感染を防ぎ、雑草から穀物を救って、農薬の大量散布を減らしている。一方で、倫理的な問題として、「神域」を冒す行為として危険視する動きもある。

スギ花粉のメカニズムはすでに解明され、花粉症に対して人が過剰なアレルギー反応を緩和する作用をもたらす方法も確立されているという。さらに、その作用をコメの遺伝子に組み込み、水田で育てても遺伝子が環境に悪い影響を与えないことが、慎重な実験で判明しているという。後は臨床にあたる人の身体に悪影響が出ないかを実証する段階まで来ている。

問題は、遺伝子組み換え技術の安全性のように目には見えないものに対する危険性を強調する立場の研究や意見のみがマスコミなどで脚光をあびることで、冷静な科学的議論がきちんと行われていないことだといいう。happy01

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