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2012.5.16   日経産業新聞の記事「論語に学ぶ仕事術⑧:学んで論じ合い成長を」から

『子曰、学而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎、人不知而不慍、不亦君子乎。』 (論語 学而篇)


【書き下し文】子曰く、学びて時に之を習う、また説ばし(よろこばし)からずや。朋(とも)遠方より来たる、また楽しからずや。人知らずして慍みず(うらみず)、また君子ならずや。

【コラムからの要約】孔子は、「学習して繰り返し復習すれば、理解が深まって体得される。これは人生のよろこびではないか。同じ志を持った友人が遠方からやってきて話し合う。愉快なことではないか。自分の学問が人から認められなくても、そんなことはどうでもいいと思う。それこそ、君子ではないか。」と語った。


コラムの筆者 岩淵勳氏(古河スカイ特別顧問)は、この論語の一節から、ビジネスパーソンとして器を大きくするには学びが必要であるを説いている。

他にも孔子のこの言葉には、

  • 「学ん思わざればくらし。思うて学ばざれ殆(あやう)し」(「学んでも考えなければ、[ものごとは]はっきりしない。考えても学ばなければ、[独断におちいって]危険である」)

とも言っている。学びも自分一人ではなは、独りよがりになるので、年長者や友人、知人と交わり、お互いに啓発しながら論じ合って成長するのが理想であるという。論じることで、自分の間違った理論なども正されて正しい学びになる。

この論語の一説は、学ぶということ、友と論じ合うこと、さらに社会的評価について述べている。3つめの社会的評価は、学んだことそのものが社会に知られなくても、学びそのものが楽しいから、それで良いのでは、とも説いている。ビジネスパーソンにとって、成長するためには学び続け、体得することで、「自分を創る」ことになると岩淵氏は指摘する。自分を創ることは、自分自身のこと以外に社会への貢献がある。

会社は社長以上の器にはならない。部は部長以上の器にならないという。器とは、人間力であり、孔子はこれを学びと言っている。人から批判され、論じ合うことにより気付くことは多い。社内外の人と知り合い、語り合うことも重要だ。

江戸時代の儒学者である荻生徂徠 弁名で、

  • 「習うことの熟して我が有となる。我が有とならば思わずして得。つとめずしてあたる」(習うことが熟してくると(習熟)、自分のものになる(体得)。自分のものになれば、ことさらに考えなくても正しさが得られ、無理をしなくても中正な道を歩むことができるようになる。)

と、孔子と同様のことを言っている。学んで体得し、それが自然の行動にでる、憧れの人間像であろう。happy01

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