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2012.4.10   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:タイに日系の中央研究所」から

研究拠点のグローバル戦略

コラムの著者 近藤正幸氏(横浜国立大学教授)は、タイでの日系自動車産業の研究拠点の設置が進んでいる背景に、グローバル戦略の新たな局面を見てるのではないかと示唆している。

2000年代に入り日系自動車メーカーもタイに研究開発会社を設立した。日本政府も日本=タイ経済連携協定に基づいて自動車産業分野における人財育成を、生産から研究開発に拡大しようとしている。

近藤教授が取り上げたのは、クラッチで使われる摩擦材の専門メーカー、エクセディ・フリクション・マテリアル。主たる出資会社のエクセディは、日本をはじめ世界でクラッチやトランスミッション部品などを生産している。このコア技術を日本でなく、タイに1997年に設置した同社の摩擦材供会社の研究開発部門として独立移管したものであるという。生産現場に近いことから研究拠点もタイに設置することになったようだ。さらに研究開発によって、スタッフのレベル向上と成果を通じた高評価の獲得であるという。タイの学生は、深く考え失敗も多い研究開発部門より、入社後すぐに部下を持てる生産部門の方に人気がある。スタッフも知識不足であるため大学と共同研究を進めており、研究開発費も売上の4~5%を投じてコスト的にも厳しいといった苦労はあるが、新興国市場での生産をにらむと現場との距離は大きな影響があるため近接させる戦略である。欧米で日本を研究開発拠点とした事例はあるが、タイを拠点とすることでよりグローバル戦略に磨きをかけているという。happy01

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