【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「短め電子書籍新市場生む:『イーシングル』米で続々」から
2012/02/14
2012.2.10 日経産業新聞の記事「短め電子書籍新市場生む:『イーシングル』米で続々」から
電子書籍先進の米国ではオリジナル短編で格安が新潮流
コラムの著者 清水石珠実氏(日経・ニューヨーク発)の記事から、最近の米国での電子書籍の新しい動きが読み取れる。
「イーシングル」。聴きなれない単語だが、元は書籍で「他の章建てとバランスが悪いといった理由で削除された章を、イーシングルとして発売」した、キース・デブリン氏(スタンフォード大学教授)が由来のようだ。かつてならお蔵入りとなる作品を世に出せたと同氏はご満悦である。このように、雑誌にするのは長すぎ、本とするには短すぎるといった理由で、読み物としては質が高いのに、発表先がないと言ったことからお蔵入りとなっていた。供給側(作家や書き手)からは、この受け皿としてイーシングルがあるという。
【イーシングルとは】
・価格:1冊分が約1~3ドル(250円以下)。通常の電子書籍が10ドル前後より格安。
・ページ数:数時間で読める量
・出版:通常は、話題の設定・執筆・編集・出版まで年単位だが、イーシングルは、3か月以内
・出版社:米国では新興出版社が手掛けている。記事での紹介は、
バイライナー社(サンフランシスコ):▶参考
アタビスト(ニューヨーク):▶参考
がある。すでに両社とも蔵書と販売部数が急速に伸びている
【イーシングルの需要と大手】
・需要側(消費者、読み手)の反応は良好で、飛行機の乗っている間や寝る前のひとときで読み終えてしまう手軽さが受けている。
・話題の即応性も大きい。東日本大震災のときがベテランの米国人ジャーナリストを被災地に派遣、現地でのルポをイーシングルで発売、帰国してから7日間で出版できたという。
・制作コストも、印刷代が電子書籍でゼロ。宣伝は自社サイトからのツイッター等の口コミで広告費もかからない。1冊2.99ドルで販売すると、その30%をamazonなどの販売経路に払い、残り70%を作家と出版社で分け合う。
・こうした「短めの電子書籍」人気を受けて、米アマゾンは「キンドル・シングルス」、米アップルでは「iブックストア」に「クイック・リード」コーナーを設置している。米ランダムハウスは政治サイト「ポリティコ」と組んで、米大統領選に関係する人物を取り上げたノンフィクション発売している。
さて、愛の告白にチョコレートと本。その本も電子書籍化してイーシングルで行われる時代が日本でも到来するかもしれない。
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