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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:名門技術企業の挫折」から

2012.1.17  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:名門技術企業の挫折」から

企業の強みの源泉とは

コラムの著者 志村幸雄氏(技術評論家)が語るのは、名門技術企業オリンパスの問題が散在する事例に学ぶところがなかったかといった点である。

コラムの前半、オリンパスの戦略商品である内視鏡事業の創世期について触れている。同社が内視鏡で圧倒的な優位性を確立できたのは、こうした創世期に存在した、技術者たちの先見性に富んだ洞察力と目標達成へ向けた強い意志力にあったと、志村氏は指摘する。

後にオリンパスを研究一筋で独立した杉浦研究所の創業者 故・杉浦睦夫氏は、終戦直後の東大付属病院外科医 宇治達郎氏から「胃袋の中の写真を撮れないものか」と相談され、これに応えて、「光とレンズとフィルムがあれば写真が撮れるから、何とかなるかもしれない」と語ったという。ただ、内視鏡研究は正規の開発研究とはされず、昼間は社命の顕微鏡開発に没頭。しかし、杉浦氏は、夜間承認のない内視鏡開発の基礎研究に打ち込んだという。上司に不可能と言われ、『ようし、不可能でないことを実証してやるぞ』と反って意気込み、試行錯誤の結果、「ガストロ(胃)カメラ」を1950年世界で最初に完成した。

その後、戦略商品の内視鏡が、経営陣の財テク失敗で混乱状態に陥った。志村氏は、海外の失敗事例である米国工作機械メーカーであったバーグマスター社を挙げ、優れた技術力と顧客ニーズに即応した販売戦略で急成長したが、経営陣のM&A失敗で、あえなく自滅したことをあげている。

この失敗事例以外にも多くの事例を他山の石とすべきは、今も昔も変わらない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ホルムズ海峡封鎖』は常とう句」から

2012.1.16   日経産業新聞の記事「眼光紙背:『ホルムズ海峡封鎖』は常とう句」から

イラン関係の戦略を知らない世代

コラムの著者が示すのは、ホルムズ海峡封鎖はイランの石油政策の常套手段という指摘である。

確かに世界の原油生産量の5分の1が通過するホルムズ海峡の政治情勢は、米国主導のイランに対する核開発の国際制裁とは言え、不安定である。

このところ、原油価格が落ち着きを取り戻したかに見えたが、再び、海峡封鎖の気配で高騰の予測も出てきた。コラムの著者は言うのは、78年から79年のイラン・イスラム革命では封鎖の話題は何度も出たが、イランが海峡を封鎖した事実はない点だ。

また、海峡封鎖は、産油国の石油輸出に制限大幅に加えることになるが、同時にイラン側にも自らの石油輸出の機会を失うといった、自爆型戦略になっている。海峡封鎖を「口にする」ことは、市場の石油価格の高騰につながるが、封鎖「実行」はイランに利がない。

ただ、市場関係者が、イラン・イスラム革命、イラン・イラク戦争、湾岸戦争などを知らない世代に交代していることに危機感を感じている。eye


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:とてつもない米国経済の地力」から

2012.1.13   日経産業新聞の記事「眼光紙背:とてつもない米国経済の地力」から

米国経済の立ち直りと日本のバブル崩壊期

コラムの著者が指摘するのは、このところの欧州の債務借り換え問題の背後で動き始めている米国経済の立ち直りと株高である。

コラムの著者によれば、米国で自動車の需要を考えると、買い替え需要だけでも、毎年1600万台前後は放っておいても発生するという。一方、サブプライム問題で落ち込んだ新車販売台数は約年1000万台であることから、毎年500万台ずつ不足している分をカバーする動きが来ると考えられる。米国経済の地力は、既存の生活需要が、非常に大きなことが特徴で、このへこみを戻すだけでも大きな経済的効果が望めるというのである。

株高も低水準が昨年秋以降で底を打ったと見れば、上値追い相場になるという。こうなると、世界経済や株式相場にも力強さが戻る。今度はその間に欧州通貨問題も緩やかに解決努力が進められるという図式である。

1990年代に日本がバブル崩壊の後始末で大わらわであったころ、世界経済はお構いなしに成長路線をたどった経緯がある。今度もそれが期待できるか、米国経済の地力に頼らざるをえない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:不況脱出、『不ぞろいな社会』へ舵を」から

2012.1.13  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:不況脱出、『不ぞろいな社会』へ舵を」から

多様な個性を伸ばし、全体を見通せる人財を

コラムの著者 渡辺慎介氏(放送大学神奈川県学習センター所長)の視点は、日本の経済成長の下支えとなるイノベーションについての警鐘だ。

失われた10年と呼ばれた不況の嵐が吹き始めた1990年代以降約20年も、イノベーションの創出を国指導による施策も功を奏さず時間がたったと同氏は語る。イノベーションを起こせない姿勢は、欧米を規範としての競争社会での目標は、キャッチアップするというシンプルなものであったという。しかし、バブル崩壊後は、自主目標を立て、世界を凌駕する必要があった。凌駕する技術力や意気込み、組織作りは、キャッチアップの時とは異なり、協調性ではなく多様性に価値がある。バブル後も、バブル以前の協調性がそのまま変化せず、企業に染みつき、科学技術も、「出る杭」は打たれる状態となったと指摘する。

個々の「不ぞろいなアイデア」を持ち寄り、コミュニケーションによって共創する時代であるのに、乗り遅れたところがあるという。この方向舵を切る指導を行うことは、企業にも教育機関にも、行政にも必要なところであると、渡辺氏指摘はしている。ship


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:復興支援とマーケティング」から

2012.1.13  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:復興支援とマーケティング」から

社会貢献が消費行動に取り込まれる動き

コラムの著者 平林千春氏(東北芸術工科大学教授)が指摘するのは東日本大震災後の消費メインドの変化である。平林教授の研究室では、仙台市内の「壱弐参(いろは)」町で、消費マインドの変化を実証実験したとのことである。時期は昨年12月1ヶ月間で、復興支援グッズを商店街の一角でミニショップを開き販売したとのことである。売上の約40万円は、什器や運送費などを除き収益金を被災地に寄付するとのことである。

さて、実証した中で、復興支援というモチベーションを大半の顧客が強く意識していたこと。さらに、政府主導というより、自らも東北の振興に立ちあがろうという気持ちが十分にうかがわれたこと。

このようにソーシャル型消費とも言うべき、東北を日常の消費生活の面から支えようとする動きがでてきたことが興味深い。震災後の消費マインドにアプローチするマーケティングやビジネスモデルには参考になる実験だ。happy01