【ヒット商品】ネタ出しの会 3. 発想編 「ヒット商品ネタ」を生みだす8つのトレーニング③視点を変えて気付きを得よう!
2010/06/02
他人の視点を知ろう!
劇的に視点の差異を感じるためには、対局の立場に自分の視点を変えてみることです。プラクティス2で「発想の地平線」に達した後、いくつかの検証が必要であることがわかりました。「夏向けチョコドリンク」企画では、提供者つまり売り手の立場で、アイデアを見てきました。今度は視点を変えて、購入者つまり買い手の立場で考えてみます。
同じチョコドリンクでも、買い手の立場でみると、どうやら印象が違うようですよ。暑いところから帰社した営業マンは、甘いチョコドリンクは敬遠しがちでしょう。汗を一杯かいて、甘さよりも水分補給です。一方、社内の事務職の彼女は、足下の冷えとの戦いで、冷たいドリンクは敬遠します。どちらかというとちょっとぬるめでゆったり出来る飲みものということになりますね。さあ、違った視点で見たチョコドリンクはどう見えるでしょうか。
そう、このままではどちらの要求にはあいません。ということは、一方の要求にあうようなドリンクにチョコレート味でいくか、オフィスに合った、ウォームドリンクでいくか、それとも両方の要望を満たす第三のアイデアを出すことになります。
両方をとると、外勤と内勤で何が共通でしょうか。また、一方ずつで異なることは、買い手の視点では何でしょう。共通点は、両者ともオフタイムであり、ほっと一息つく時間で満足させるものです。外勤者は、暑い身体を回復させたい、内勤者は、こわばった身体をほぐしたいといったところでしょうか。ともに、チョコレートの内容よりも状況にあった飲み物が欲しいということになります。あえて、アイスコーヒーや冷茶、水、炭酸飲料を選ばずに、夏向けチョコドリンクを選んでくれる理由はここにはないことがわかります。つまり、買い手に強い動機がないと夏向けチョコドリンクを買いません。視点が変えると、不思議なくらいアイデアを支えていたものが消えて、違った気付きが出てきます。他のドリンクを押さえて、チョコドリンクを選んでもらうには、といった視点です。
もう一つ大事なことは、自分がその視点に物理的に立ってみることです。あなたが、会社内の休憩室や自動販売機の前に立ったとき、チョコドリンクがそこに売られていたら、手に取るでしょうか。その感覚が大事です。
一石数鳥はないか?
この段階ではアイデアを絞りこんではいません。ですから、アイデアに他のアイデアを追加する、組み合わせる、一石二鳥も結構です。「夏向けチョコドリンク」企画では、まだまだ選択できることがありますね。
調査データを見てみましょう。インターネットで調査してみると、「朝に職場の自動販売機を利用する人は53.6%、購入する飲料は「コーヒー(55.8%)」「お茶(41.3%)」の割合が高かった(複数回答)。朝に「コーヒー」を選ぶ人は女性(43.2%)より男性(62.7%)に多く、女性では「お茶(54.1%)」が1位。「紅茶(29.7%)」「水(18.9%)」も上位に入った。」との記事を発見。意外と職場の自動販売機が活用されていることがわかりました。さらに、飲料以外の調査を見ると、男性はカップめん、女性は菓子であることもわかりました。
アイシェア TYPE リサーチのウェブサイトのデータより抜粋
視点を変えて、ほっとした時間を過ごすといった要望にこたえるため、「夏向けチョコドリンク」企画では、「おとなのチョコドリンク夏季限定版」、「おとなのチョコドリンク冬季限定版」として四季に対応できるラインナップとし、「おとな」とすることで、ターゲットの購買層をオフィスワーカーとしました。確かに一般向けのニーズはあるのですが、最初に商品展開をするところをオフィスにしたのです。また、職場への食品提供が、自動販売機だけでなく、オフィスグリコのような外部販売、社内食堂といった販路も調査することにしました。アイデア自身は絞り込ます、流通過程やターゲットの購買者を明確にしたのです。
ここでのポイントは、一石数鳥。アイデアを膨らませて、商品として具体化するときに、いくつかの課題やニーズを一気に解決できないかということです。限定季節展開は、季節のニーズに合わせ、ホット、コールドの両方に対応できることや飽きを避け、商品の改善時期を明確にすることも示せます。おとなであるから、甘みを抑え、リフレッシュにあった菓子感覚のドリンクとしました。
今度はあなたのアイデアで視点を変えて、よりアイデアのイメージを明確にしましょう。
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