クリティカル・シンキング・ツールbCisivが クラウド仕様に
【ヒット商品】ネタ出しの会  2. 準備編 「ネタ出し脳」をつくる15のトレーニング⑦Let's challenge!

【ヒット商品】ネタ出しの会  2. 準備編 「ネタ出し脳」をつくる15のトレーニング⑦屁理屈をこねてみよう!

「解体新書」、「蘭学事始」で著したことで有名な蘭学者に杉田玄白がいます。彼自身は発想の人ではなく、むしろコツコツと仕事をこなすタイプでした。ところが、こういった、おかたい方の友人には、結構変わった人がいるものです。玄白自身も、「蘭学事始」の中で、「嗟非常人、好非常事、行是非常、何死非常」(あなたは常識とは違う人で、常識とは違うものを好み、常識とは違うことをする、だが、死ぬとき位は畳の上で普通に死んで欲しかった、とまで書かせた奇才がいました。その友人とは、平賀源内です。


理屈は後で作るもの?!

 奇行が多い源内ですが、好奇心のかたまりのような人で、当時の知識となるもの、現代風に言えば、語学、考古学、工芸、文芸、芸術、物理学、天文学、マーケティングまで幅広く獲得し、それをもとに新しい考えかたを流布したのです。変わり者であったのは違いないようです。

 マーケティングで有名な話に、「土用の丑の日」があります。夏場の売り上げ不振に悩んだウナギ屋に請われて、源内が考案した「本日土用丑の日」という広告キャッチコピーが元との説があるほどです。ということは、ウナギを土用の丑の日に食べるという習慣は、源内以前になかったということです。何だか、バレンタインデーのチョコレートやクリスマスのケーキと同じマーケティング戦略をすでに江戸時代に流行らせたわけです。

 源内の発想は、実用性はともかく、多くが異種間融合型の、脈絡のない発想の結果が多いようです。土用の丑とウナギ。今でこそ季節の変わり目にスタミナ源を摂るといった理屈が成り立ちますが、当時は屁理屈でもよいから(蛇足ですが、彼自身も放屁研究には余念がなかったようです)、ウナギを売ることを何としても考えなければならない、といった具合でしょう。

 源内の発想のパターンは、発想の触媒にある「ロジック」を意識的に使ったようです。土用の丑の事例は、原因と結果を逆にした「因果の反転」でしょう。ウナギが売れることが結果です。そこで、ウナギが売れる原因を思いつくまで出してみたのでしょう。「ウナギは長い」、「焼いたウナギは香ばしいにおいがある」、「ウナギの肝は精がつくといわれている」、「ウナギはこの時期は多く取れるので安い」、「言い伝えで、この時期に「う」のつくものを食べると無病息災でいれる」、・・・。その材料を使って屁理屈でも良いから、この時期はウナギを食べないといけないと、誰もが思うべく、理屈とは?先ずは、「う」のつく食べ物は使えますね。それに、この時期を何かちょっとわけアリの言葉で言い換えれば。そう、季節の変わり目を昔から土用という。これも使えるぞ。さらに、縦長ののぼりは、長いウナギのデザインにあっている。さらに、店先で、蒲焼を焼いて香りで誘うとなると、よい宣伝。そう、土用の丑の日は、「う」でまたまた韻もよい・・・。

 源内がこのように発想したかは想像でありますが、因果を反転する無理な発想が反って、ユニークなひらめきのもとになることがわかります。

常識外は理屈抜き!

 発想の触媒でロジックを使うと、機械的に常識外の状況が生まれます。ひらめきを常識外の状況で生み出してみましょう。

 左右逆転や上下転倒も面白い発想が出てきます。例えば、自動改札の切符入れは右側ですね。これが左側ならどうでしょう?不便、使いにくい。さて、どうして使いにくいのでしょう?右利きの人が多いから?でも、左利きの人はどうでしょうか?便利かも。ということは、何気なく、自動改札機はマイナーな左利きの人に不便を強いているのかもしれません。利き手がどちらであっても、使える自動改札機はないのでしょうか?そう、切符を入れずに、タッチをしなくても通れる改札です。例えば、床に輪を描いて、そこを歩くと、切符代わりの無線カードが反応して検札する、といったアイデアでしょうか。これなら、左利きでも身体が不自由な方でも利用できます。

 上下転倒として、日本地図はどうでしょうか?いつも、太平洋から見た日本ですが、日本海から見た日本では、違って見えて新鮮だと思います。能登半島が、房総半島に見えると、富山が東京のように感じられます。

 今回のプラクティスは、異種間融合型でロジックの触媒をつかって、常識外でのひらめきの感覚を味わいましょう。

コメント

コメントの確認

コメントのプレビュー

プレビュー中です。コメントはまだ投稿されていません。

処理中...
コメントを投稿できませんでした。エラー:
コメントを投稿しました。コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。 さらにコメントを投稿する

入力された文字と数字は画像と一致していません。再度入力してください。

最後に、下の画像の中に見える文字と数字を入力してください。これはプログラムを使ってコメントを自動的に投稿するのを防ぐために行われています。

画像を読み取れない場合は 別の画像を表示してください。

処理中...

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。

アカウント情報

(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)