事例

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:AIに必要な人間中心の視点」から

2024.9.27  日本経済新聞の記事「私見卓見:AIに必要な人間中心の視点」から

欧米と日本は異なる視点からのアプローチで倫理と安全性を確保

私たちの日常生活にもAIが深く浸透し、社会や経済に変化ももたらしている。これに伴ってAIの倫理や安全管理に関する対応が世界中で進んでいる。コラムの著者 森 正弥氏(博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO)によれば、特に欧米と日本ではそれぞれ違ったアプローチが取られ注目されているという。

○共通点は「AIは人間のためにある」こと

森氏によれば、歴史的に個人の権利意識が高い欧州連合(EU)では、人権の尊重を重視したアプローチでAI導入を推進している。世界初の包括的なAI規制である欧州AI法案を可決し、AIシステムのリスクレベルに応じた使用の禁止や厳格な管理を求める方式である。AIの導入を進めながらも、倫理的で信頼できる利用により個人の権利を確保することを目指している。

一方、米国は、イノベーションと経済成長を重視し、一般企業のAI開発を後押ししてきた。しかし、近年安全性に関する懸念が広がり、2023年10月、米バイデン政権はAIの安全な開発と利用に関する大統領令を発出した。AI利用に伴うリスクを管理しながらも、官民双方に説明責任を求める内容で、これを踏まえたAIの管理と活用に関するロードマップも発表された。

日本政府は、2019年に内閣府が「人間中心のAI社会原則」を公表した。人間がAIを使い幸せを追求できることが重要であるとしてイノベーションを推進している。今年4月には技術の急激な変化に対応すべく、経済産業省と総務省がAIの安全で安心な利用を促す「AI事業者ガイドライン」を発表した。法的拘束力はないが、AI開発者以外に提供者や利用者も対象にしている。

各国でこのように異なったアプローチが進められているが、共通点は、「AIは人間のためにある」という認識だという。AIは適切に管理されないと、安全性や権利を侵す危険がある。AI開発会社はもちろん、AIの利用企業も責任と影響力を自覚しなければならない。そのために倫理的なAIの安全管理に取り組む必要があると森氏は示唆している。💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇪🇺🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

2024.9.25  日本経済新聞の記事「中外時評:『異種の競技』と理解せよ」から

能動的サイバー防衛は思い込みを捨て攻撃側のモチベーションと手法の把握から始まる

コラムの著者 土屋 大洋氏(日本経済新聞社 客員論説委員)は米国の初代サイバー軍司令官でありNSA長官であったキース・アレグザンダー陸軍大将が提唱したチームスポーツ同様の連携の必要性を示すが、現実の攻撃はスポーツはおろかルールのない予測不能なものであることを解説している。

○現実のサイバー攻撃はスポーツのようなルールはない

土屋氏によれば、アレグザンダー氏は、サイバー防衛にはサイバー軍とNSAだけでなく、国防総省の関連組織、その他の政府組織や民間企業とも協力が必要だと説いた。

確かに米国ではチームスポーツとしてアメリカンフットボール、野球、バスケットボールなどがポピュラーだが、米国がサイバー攻撃の発信源として名指しにするのは、中国、ロシア、北朝鮮、イランの4カ国で、これらの国からの攻撃が、米国でポピュラーなスポーツをイメージするような動きやルールにとらわれてはいないはずである。確かに、サイバー防御をチームで対応すれば結束を図る努力がなされるだろう。実際の敵との交戦では、チームスポーツのようなルールは無用の状況である。攻撃側は身元を隠し、国旗を見せるといったこともない。

国連総会でもかつて政府専門家会合を数回開き、サイバー攻撃戦の国際規範を作ろうとしたが、ロシアのウクライナ戦争で頓挫した。現在のサイバー戦は、異種格闘技ならぬ異種チームスポーツ戦の様相であるという。防御側はチーム内で連携して対抗するが、敵チームはどんなスポーツ、ルールを採用しているかもわからない。必要なことは、攻撃側の意図やモチベーション、攻撃手法を把握することであるという。これも能動的サイバー防御の1つであるという。💴🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇰🇵🇨🇳🇷🇺🇺🇸🇷🇺🇮🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:韓国から米軍が消える日」から

2024.9.26   日本経済新聞の記事「Deep Insight:韓国から米軍が消える日」から

中朝双方へ睨みを聞かせる在韓米軍の価値を見直すべき

コラムの著者 峯岸 博氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、米大統領選挙戦の行方は世界の注目の的であるが、とりわけ東アジアの情勢を左右する在韓米軍の撤退・縮小論に関わる韓国は神経を尖らせているという。この時期、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、米国、台湾、日本による東アジアの緊張を招きかねない状況を峯岸氏は解説している。

○日本以上に米大統領選挙に神経を尖らせる韓国

峯岸氏によれば、日本列島と朝鮮半島は、弓と短刀に例えられて、東アジアの緊張を象徴しているという。北朝鮮や中国の軍事拡大に応じて、在韓米軍と韓国軍は日本列島にとっても防波堤のような役割を担ってきた。

今年4月米タイム誌でトランプ氏が「米国の兵士4万人が危険な場所(韓国)にいるが、意味がわからない」と発言し、韓国メディアは色めき立ったという。同氏の発言の裏には、金持ちの国である韓国を守る必要があるのかという根強い不信感があるという。ただ在韓米軍の規模を4万人(実際は2万8千人強)と誤認している点からも同盟への意識の低さが露呈している。この発言が、米軍駐留費を巡る韓国分の負担を狙ったものとは片付けられないという。まだまだ米国民には東アジアは遠い国々だとの思いが強いからだ。その証拠に北朝鮮が米本土を射程に入れるICBMの開発を進めても、オバマ、バイデン政権での関心は低い。さらにトランプ氏が再選したら、米朝の接近で、日韓がないがしろにされる可能性もある。リーダーが誰になっても米国の内向き志向であるのは変わらず、その間に北朝鮮などは国防計画にある新兵器の開発を進めていく。さらに、ウクライナ戦争を進めているロシアが北朝鮮と軍事同盟に近い新条約を締結している。金正恩総書記は、南北統一目標を放棄し、韓国占領を最終目標としている。在韓米軍の撤退・縮小論は、米国が朝鮮半島から防衛戦線を外すことを意味しており、北朝鮮の韓国侵攻のきっかけを与えることになりかねない。事実、この状況は74年前の朝鮮戦争の想起させる。

2027年には中国で台湾侵攻の準備が整うとされている。同年、韓国は大統領選で保革両陣営が争い、ノ・ムヒョン大統領は退く。確かに韓国から米軍が消える日はすぐではないが、中国と北朝鮮の両国の動きに注目し、それに睨みをきかせている在韓米軍の価値は、韓国はもとより、日本にも大きなものであると、峯岸氏は語っている。🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳🇰🇵🇷🇺🇰🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:気候変動、健康被害を注視せよ」から

2024.9.25  日本経済新聞の記事「私見卓見:気候変動、健康被害を注視せよ」から

気候変動は環境から健康問題へ顕在化

コラムの著者 菅原 丈二氏(日本医療政策機構 副事務局長)によれば、2023年に開催されたCOP28では気候変動が健康に与える影響について深刻な懸念が表明され、気候・健康宣言を採択したという。宣言文では、国際社会における健康と気候変動の相互作用への認識を深め、国際的な協力を促進することが提唱されているという。環境省の報告書でも、感染症の増加、栄養失調、熱中症、メンタルヘルスなどが懸念され、日本はさらに高齢化社会と自然災害の影響を大きく受けることからも健康リスクの範囲も多岐にわたっている。菅原氏は、その内容について言及している。

○プレネタリーヘルスの概念の導入で健康への包括的な対策が求められる

菅原氏によれば、気候変動は、これまで主に環境問題として捉えられてきたが、今や健康分野にも多大な影響を与えることがわかってきた。すでに国際社会でも気候変動と健康の関連性に関する関心が高まっていると、菅原氏は語る。

COP28でも宣言文で気候変動と健康の相互作用への認識を深め、国際的な協力で対策を講ずることを促している。日本国内においても気候変動の影響により、65歳以上の熱波による死亡が2000年から2004年の期間と比較して57%増加すると、医学雑誌ランセットでも著されている。環境省の報告書では、感染症の増加、栄養失調、熱中症、メンタルヘルスなどが懸念されている。少子高齢化と自然災害大国の日本では健康のリスクは他国に比べて高く、多岐にわたり、対策も急を要すると、菅原氏は指摘している。

日本政府も、国際的な枠組みでイニシアティブを取るべき時に来ている。このような状況下で、5月に開催された「第77回世界保健総会(WHA)」で「気候変動と健康」が主要な議題となった。特に、気候変動に対する保健医療システムのグリーン化や、脱炭素社会に向けた日本の取り組みが注目されている。さらにSDGsには地球環境との共生を目指す「プラネタリーヘルス」の概念が盛り込まれた。ここにきて対応も地球規模の包括的なものが求められている。💬👦👧☀️🌪️🌀☁️☔️💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:ジャパン・アズ・ナンバーX」から

2024.9.24  日本経済新聞の記事「Deep Insight:ジャパン・アズ・ナンバーX」から

経済力の地盤沈下は経済の成長性がないため

驚異的な戦後復興で世界2位の経済大国に躍り出た日本を評して米社会学者エズラ・ボーゲル氏は「Japan As Number One」を著した。それから日本は奇跡から悲劇に転じて、コラムの著者 小竹 洋之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、GDPで2010年に中国、2023年にドイツ、2025年にはインドに追い越され、世界通貨基金(IMF)は予測している。日本はこの状態でいつまで世界有数の経済大国と胸を張り続けられるのか。タイトルの変数Xを小さくするにはどうすれば良いのかを小竹氏は考察している。

○日本の新首相は変数Xに何を代入するのか

国の豊かさをGDPの規模や順位で全て捉えることはできない。しかし、この厳しい現実から目を逸らすわけにもいかないだろう。何よりも成長力が低下しているために経済の地盤沈下が起こっていることは事実である。

アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括(甲南大学名誉教授)は、「為替相場に左右されるGDPのランキングに一喜一憂してはいられない。問題の本質はやはり成長率の低下だろう。日本は生産性の引き上げに専念すべきだ」と提唱している。

世界は新型コロナウイルスの感染拡大とウクライナ戦争で市場機能の限界を痛感した。財政出動が助長したインフレーションで政府介入の弊害を体感した。そして需給両面に目を配ることが運営上重要であることを再認識した。

経済の地盤沈下に歯止めをかけるのは容易ではない。発展余力の大きいスタートアップや途上国の追い上げには抗えない点もある。しかし、日本の新首相は、経済のダイナミズムを取り戻す改革でGDPの成長、実質成長を促し、変数Xに代入する数値をできるだけ小さくしていかねばならない。📉🏢🏠💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳🇩🇪🇮🇳