2025.7.10  日本経済新聞の記事「私見卓見：『働きがい』を高める視点が重要」から

労働時間の削減が生産性の向上や付加価値の創出との両輪で進むべき

コラムの著者 小笹 芳央氏（リンクアンドモチベーション会長）によれば、日本企業の年間平均労働時間がOECD平均よりも100時間短縮されたという。日本ではすでに長時間労働の時代ではなくなった。だが、天然資源が乏しい日本では、人的資源のみが最大の強みであり、経済を停滞させないためにも、労働時間の削減が生産性の向上と付加価値創造という両輪を回すことにつながる必要があるという。

◯全ての社員が同じ時間配分で働く時代ではない

小笹氏によれば、社員の働く時間も一律である必要はなく、成長意欲の高い人が思い切り力を発揮できる職場環境も多様性の一部として尊重されても良いのではないかという。これまで提唱されてきた「働き方改革」では、労働環境や待遇の整備を通じて「衛生要因」を引き上がることを主眼としてきた。会社の安定性や給与水準、上司との関係性などの働く上での前提条件を整えることで、「働きやすさ」は改善してきた。

だが、先ごろの調査では、「働きがい」はむしろ低下しているというデータもあるという。GDPの伸び悩みや労働生産性の停滞と全く無縁とは思えないと小笹氏は指摘している。それは「働きやすさ」に対して「動機づけ要因」で、仕事の意義への共感や成果への手応えなど、内面の充実に関係している。動機づけ要因も十分でなければ、仕事は単なる「作業」になり、意欲も創造性も生まれにくくなる。

小笹氏によれば「働きやすさ」の次のステージは、「働きがい」をいかに設計するかにある。衛生要因の整備を土台としつつ、動機づけ要因に目を向け、働きがいを高めていく視点が欠かせないという。「この会社で働きたい」と社員が思える理由をいかに創出できるかが、組織の持続的な力を左右することになると、小笹氏は示唆している。💦❤️🧑‍⚕️👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵