事例

【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「社説:見つめ直したい読書の意義」から

2024.10.8  日本経済新聞の記事「社説:見つめ直したい読書の意義」から

読書は人格を形成したり、偏った情報を防ぐ役割も

社説によれば、文化庁の調査で1ヶ月に本を1冊も読まない人の割合が6割を超えたことが分かったという。しかも「読書ゼロ」の割合が急速に高まっているという。どうやらその背景にSNSなどの交信などで可処分時間が減っていることが背景にあるようだ。SNSでは文章は読むものの、本という物体に触れる機会が減ったことから単純な活字離れとも言えない。

○街に書店がない地方自治体も増加

文化庁は「国語に関する世論調査」の中で、1か月の読書の冊数を5年ごとに調べている。2023年度の調査では、1冊も読まないと答えた人の割合が62.6%に上昇した。2008年度以降の過去3回の調査はいずれも40%台後半だった。「読書ゼロ」の割合が近年急激に高まっている傾向にある。

社説では、この読書ゼロの要因が、SNSなどで情報機器を利用することが多くなり、情報機器を使わない可処分時間が減少しているからではないかと推測している。確かに本以外で活字を「読む」ことはあるが、情報機器の代わりに本のような物体に触れる機会が減っている。文化庁も単純な活字離れとは言えないと分析している。

また、SNSでは自分の考えに使い情報に囲まれやすいといった恐れが指摘される。現代社会でSNSは欠かせない存在になっているが、情報源の偏りを防ぐ意味でも読書には大きな意義があると、社説では指摘している。お気に入りの1冊を心ゆくまで楽しんだり、難しい本を読み通す達成感を味わえる。このような読書体験から得られることも多いだろう。

さらに本自体を見出せない事態にもなっている。書店の減少で、街に書店がない地方自治体も増加しているため、日本政府も支援プロジェクトを開始した。顧客をどのように呼び戻し、書店経営の採算が合う官民連携の知恵が必要であろう。🏬✒️📕📗💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「誰もが使いやすいオフィスへ:静かな半個室設置/光を調整可能に」から

2024.10.7  日本経済新聞の記事「誰もが使いやすいオフィスへ:静かな半個室設置/光を調整可能に」から

多様性配慮のオフィスで仕事のモチベーションを上げる

コラムの著者は、コクヨが2023年大阪本社に開設した「ハウズ パーク」などを例に、画一的なオフィス空間をあらゆる人にとって働きやすい場所に変えていこうとする動きについて解説している。

○オフィス環境を変えるにはコストや時間もかかる

コラムの著者が語るように、多様性や障害の有無でオフィスでの居住環境が違うことを意識してオフィス環境を改善する動きがあるという。

例えば、発達障害のある人が気分を落ち着かせられるようにと吸音効果の高い半個室を取り入れたり、室内の明るさを調整できるといった配慮があるオフィスは、障害のない人にも使いやすい面があることもわかってきたという。社員の交流を促す場として多様性配慮のオフィスに期待が高まっている。

コクヨの「ハウズ パーク」には吸音パネルを使った「カームダウンエリア」がある。これは、同社の特例子会社、コクヨKハートで働く精神障害や発達障害のある社員が気分転換できるように設計されている。自席しか息抜きができなかった場所が、このエリアのおかげでゆったりと休憩できるという。このエリアは、障害のある社員らへの聞き取りやワークショップを通じて、同社にこれまでなかった視点を取り入れている。例えば、最初、通常は床付近に設置するコンセントを車椅子利用者でも使いやすいよう高い位置にした。しかし、利用が進むと、下肢障害をある人床付けのコンセントを使うのが一番便利だとわかったという。そこから、いろんな選択肢から選べる状況を配慮し、対話しながら使いやすい環境を更新することが大事であることがわかった。これが障害の有無に関わらず自然に垣根が越えた社員のコミュニケーションを促すことになった。

関電不動産開発が2023年に実施した調査では20代の社会人や学生の8割が「オフィス環境は仕事に影響がある」と答え、さらに4割がオフィス環境の良さは「仕事のモチベーションに影響する」と回答している。オフィス環境を重視するワーカーは増えている。しかし、オフィス環境を変えるにはコストや時間もかかる。オカムラの担当マネージャは「今ある設備を見渡し、本当に働きやすいかを働き手同士で話し合ってみることが、誰もが使いやすいオフィスづくりの第一歩」と指摘している。💡♿️👨👩🔍🏢💻💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌏 happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>ノーベル賞候補に挙がるAI、人材育成へ大学改革を」から

2024.10.6  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>ノーベル賞候補に挙がるAI、人材育成へ大学改革を」から

大学の大きな枠組みや研究室のあり方を見直す時期

コラムの著者 松田 省吾氏(日本経済新聞社)によれば、サイエンスの成果を讃えるノーベル賞で今人工知能(AI)技術が対象になるかが話題になっている。米GoogleのAI研究開発部門、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス氏などの有力者の名前が上がっているという。これに対して日本国内の情報系の研究はどうなのかについて触れている。

○10年間国内大学で情報系の研究室は増加なし

松田氏によれば、ハサビス氏の功績は、タンパク質の立体構造を高精度で予測するAI「アルファフォールド」を開発した実績である。この構造解析で、病気の仕組みの解明や創薬などを解き明かすことができる。これまで分析に手間と時間が掛かったが、AIで高精度に予測できるようになり、創薬に関連する作業の効率向上につながった。

このような海外での実績のように科学の発展に貢献するAI技術を日本国内でも生み出せないのかというのが松田氏の問いである。その1つの動きとして慶應義塾大学がKDDIやソフトバンクなど9社と「慶応AIセンター」を9月に開設したことが挙げられる。このように産学連携はあるものの、一方で、アカデミアが時代に対応できているかは疑問だという。国立大学の情報系のある教授は「この10年、国立大学で情報系の研究室は全然増えていない」と指摘しているという。大学では研究科ごとに教員の数が決まっており、情報系の増員を求めても「医学部から席を取ってきて」などと相手にされないという。

国内のAI研究は、国内人材だけでは回らない。緩急期間や大学の有力な研究室では外国人比率が半分を超すところもあり、実態は多くが中国人だという。日本政府は経済安全保障を強化しているが、「中国から優秀な人材が採用できなくなったらどうなるのか」といった心配が現状の研究室だという。しかも、長期の経済低迷や円安によって、決して外国人研究者の待遇は海外に大きく見劣りしているという。

大学に改革が必要なのは間違いがない。時代に合わせて、大学の研究室の構成が柔軟に変わることが、日本国が目指すイノベーションの推進には欠かせないだろう。研究分野の多様性を維持しながら、硬直化も避けねばならないと松田氏は指摘している。🧬🩻💊👩‍🎓🎓💡🛠️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<ゲームのトビラ>『サウジにエンタメ都市』、eスポーツ中心地に」から

2024.10.5   日本経済新聞の記事「<ゲームのトビラ>『サウジにエンタメ都市』、eスポーツ中心地に」から

サウジアラビアの国家プロジェクト「キディャ・シティ」の狙い

コラムの著者 野安 ゆきお氏(ゲームライター)は、サウジアラビアで進んでいる巨大なゲームに関するプロジェクトを紹介している。9月26日〜29日に開催されたゲーム関係の見本市「東京ゲームショウ2024」で会場最大級の大型ブースで出展した「Qiddyya Gaming (キディャ・ゲーミング)」がその巨大プロジェクトの紹介である。

○中東文化を背景にしたゲームが誕生

野安氏によれば、巨大ブースでサウジアラビアが国家をあげて推進しているプロジェクト「キディャ・シティ」が紹介されていたという。エンターテイメント、スポーツ、そしてカルチャーをテーマに、遊びに特化した都市を、首都リアドの近くに新造する計画のプロジェクトである。

その規模はとてつもなく巨大で、東京23区の半分強で総面積360平方キロメートルである。モータースポーツのスピードウェー、ゴルフコース、さらに複数のテーマパークを建設し、2030年までに年間1000万人の観光客を誘致することを目指しているという。さらにこれだけの規模であれば大きな雇用が生まれ、60万人の居住者を見込んでいる。日本の大学を中核とした学研都市の大規模版である。特筆すばきは桁外れの規模のeスポーツ用アリーナの建設で、世界の中心となる可能性が高いという。

野安氏はゲームファンにとっては朗報で、歓迎したいという。しかもプレーヤーは全世界に広がっており、世界的にヒットを生み出せる企業は北米、欧州、日本を含む東アジア圏で偏っている。ここ中東で、ゲームを中心としたビジネスが発展し、若年層を刺激すれば、欧米や東アジアと異なった、中東文化を背景にする斬新なゲームが生まれる可能性が高いという。🎮👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇨🇳🇸🇦🇩🇪🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『大課長』問題を克服せよ」から

2024.10.4   日本経済新聞の記事「私見卓見:『大課長』問題を克服せよ」から

企業内の業務改革を阻害

コラムの著者 林 宏昌氏(リデザインワーク社長)によれば、多くの日本企業で部長や事業部長が課長と同じような仕事をしている「大課長」問題が起こっているという。この問題の悪影響は、組織の多重管理になり、報告業務や社内作業が増え、生産性が低下することがある。さらに事業の将来に向けた重要な議論が抜け落ちることである。結果、中長期戦略を描き、業務を大幅に見直して生産性を上げる業務改革が遅滞するという。林氏は大課長問題の対応策も考察している。

○対策は、課長・部長・事業部長の役割の明確化とスキルアップ

林氏によれば、大課長問題は具体的には次のような症状があるという:

部長や事業部長が、

  • 今月の数字や成果のことばかり気にしてる
  • 現場がすべき実務を抱え、各論に口を出している
  • 日々の仕事を回すことが中心で、人材育成に手が回っていない
  • 現在の延長線上で未来を語っている
  • 今いる人たちだけで業務を何とかしようとしている

ならば要注意だと林氏は指摘している。大課長問題は、組織に悪影響を及ぼし、生産性を下げるという。つまり、組織内で多重管理が起こり、報告業務や社内作業が増え、生産性が著しく下がる。さらに、短期の予算管理や実績の責任といった課長が担うべきところを部長や事業部長が担うとかえって、報告業務も増え、課長も大課長の調整役となってレベルアップできない弊害がでる。

大課長が現場の各論に強いため、業務の時間配分の大半が短期な成果に取られてしまうことが障害となる。結果として、事業の将来に向けての議論が進まないために、中長期戦略を欠き、業務を大幅に見直して生産性を上げる業務改革が遅れることになる。1〜3年後にどんな組織にするべきで、そこに向けて不足する人材やポストはどこか。将来について熟考する時間がないために、内部人材の育成や登用、外部採用の計画が立てられず、必要な人材を採用できなくなっていく。

林氏は、大課長問題の対策として、

  • 課長・部長・事業部長の役割の明確化
  • 各職位のスキル向上

がある。スキル向上には、戦略や未来組織の描き方などを外部研修や社内外のメンターにお願いすることも一案だという。

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