日常生活

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:ウエアラブルvs.定期健診」から

2024.11.23   日本経済新聞の記事「Deep Insight:ウエアラブルvs.定期健診」から

定期健診の弱点を克服できる可能性も

21世紀に入りデジタル化は進んだが、「人とデータ」の関係は必ずしも良好であったとは言い難いと言う。コラムの著者 村山 恵一氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、そもそもウエアラブルでのデータの信頼性をどう担保するのか、データの個人情報としての保護も必要である。大量のデータに飲まれ、上下するデータに振り回されてはかえって健康を害することになり本末転倒であろう。ただ、健康・医療の分野で、適切なデータの使い方ができれば、個人にとっても社会にとっても息苦しいデータ社会に血が通うのではないかと村山氏は期待している。

○ウエアラブルで集まるデータは「連続」で「無痛」

村山氏によれば、人の健康を知るのに生体データが重要なことは古来から変わらない。ただ、ウエアラブルなデータには2つの特徴があるという。

  • 「連続」:健診日のみならず、ウエアラブルな機器を装着している間は常に計測される。時系列で変化を追い、データの意味するところを深掘りできる。
  • 「無痛」:定期健診の代名詞である血液検査はチクリと針をさす。老若男女でこれが苦手な人も多い。さらに検査には軽いとはいえ、苦痛を伴うものも多い。一方、ウエアラブルは、普段の生活の中でストレスなしにデータがとれる。

ウエアラブルから集まる膨大な生体データを読み解き、役立てる研究や開発は世界でホットなテーマであるという。東京大学は本田技術研究所、三洋化成工業などと連携し、シールのように皮膚に貼り、継続的に血糖値をモニタリングできる針状センサーを開発している。血液に成分が近く皮膚のすぐ下にある細胞間質液でグルコース濃度を測る。針は極めて短かく「無痛」に近いと言う。利用のハードルを下げ、測定の対象者を増やすことで、医療だけに限らない応用範囲を広げた。

このように、ウエアラブルによる健康・医療分野での応用で、予防意識の向上、病気の早期発見、医療の個別化、コスト削減、遠隔サービスの推進など、長く叫ばれていながら大きな進展のない分野にウエアラブルは突破口となる潜在力があると村山氏はみている。🤖⌚️🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「大学はいま:ゲーム使う教育活動が拡大」から

2024.11.19   日本経済新聞の記事「大学はいま:ゲーム使う教育活動が拡大」から

学生が主体的に学ぶアクティブラーニング型の教え方

コラムの著者によれば、大学がゲームを使った教育活動に注力していると言う。活動の内容は、社会問題の解決や知識の取得など様々だが、教員と学生が共同でゲーム作りを進めるなど、学生の参加によって発想力や企画力を鍛えることだという。これまでの知識伝達型からアクティブラーニング型の教え方として普及しそうだと言う。

○コミュニケーションスキルを上げるゲームも

コラムの著者が事例として2大学を紹介している:

  • 名古屋学院大学・社会連携センターの事例
    • 2024年11月初旬、同センターが市民向け講座で日常的に家族の世話や介護を担う「ヤングケアラー」の実用を解説。講師は、同大学の学生が担当。この説明に「カードゲーム」を利用した。
    • ゲームには想定する立場と問題が書かれた30枚のカードを使う。
    • アルバイトで家計を助ける18歳の高校3年生と言う設定。
    • 母親から進学を諦めてほしいと投げかけられた問題について、参加者は「イエス」か「ノー」かのいづれかを判断して、その理由を話し合う。
    • ゲームにすることで様々な世代の人と親しみやすく議論ができ、当事者の気持ちになれ、考える力がつくという。
  • 信州大学・医学部の事例
    • 知識の習得が難しい医療分野をゲームにして学習できる仕組み作りを推進。
    • 医療機関のみならず、福祉や教育、行政にも活用してもらう考えで、学生には医学の知識だけでなく、他の機関との連携策も検討の対象。

ゲームは本来、遊ぶことを主な目的にしている。事例の大学らの教育現場ではゲームの活用がイメージしにくいが、実践的なスキルを教える試みもできることが重要である。まさにアクティブラーニングとなる。🩺⚡️💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:強いロボット、弱いロボット」から

2024.11.19   日本経済新聞の記事「Deep Insight:強いロボット、弱いロボット」から

強いロボットは万能であるかは未知数だが、産業競争力は抜群

コラムの著者 中山 淳史氏(日本経済新聞社 コメンテーター)が、書店で思わず手に取ったのは「<弱いロボット>から考える」(岡田美智男(豊橋技術科学大学教授・ロボット開発者)著)であった。ストロング、スーパー、ハイパーやギガなどの横行する現代にアンチテーゼのような視点の著書である。むしろ日本は戦後、この弱さをバネにしてのし上がった。来るべき強いロボットの時代にどう生きるべきかを中山氏は考察している。

○過去、PCが米国を、スマホが米国、韓国、中国をの成長を牽引した

中山氏によれば、岡田教授の弱いロボットとは、

  • 自分だけでは作業が完結できない掃除ロボット
  • 子どもに読み聞かせをしている最中に「次どうだっけ?」と話を忘れてしまうロボット

といった、不完全で頼りない機械ばかりだが、健気で微笑ましい。岡田教授によれば、

「AIが何でもできてしまえば、人間はすることがなくなる。人間が機械を補完できるようにプログラムし、両者がゆるく依存し合う関係こそが社会をしなやかに保つ秘訣」

という。これに対して米国はトランプ次期政権で逆の雰囲気で強いロボットを目指している。最近の米国発のニュースにはストロング、スーパー、ハイパー、ギガなどの言葉で溢れていると言う。米モルガン・スタンレーによれば、AI学習などに使うクラウドコンピューティングへの世界の設備投資額は2025年に2887億ドル(約45兆円)に達し、人類を月に送った米アポロ計画への累積投資額を超えるという。さらに全体として生成AIへの開発投資はアポロ計画の約30倍に膨らむとの予測もある。

米国のみならず2位の中国も強いロボットを志向すると思われる。となれば日本企業はどうか。このまま強いロボット国から脱落するのか。

確かに強いロボットが万能かどうかは未知である。しかし、産業競争力を牽引することは間違っていないと、中山氏は説く。かつてのテレビやオーディオが日本を、ウィンテルのPCが米国を、スマートフォンが米国や韓国、さらに中国の成長を牽引してきた。やはり日本経済にも強いロボットが必要である。では、なぜ、次の技術がうまれないのか。

岡田教授によれば、弱いロボットを作っていたころの好奇心や冒険心を忘れてしまっているのではないかという。ホンダやソニーも創業時は、身の回りのありあわせや払い下げ物資まで活用して強いものを作り上げていった。競争から脱落しないためにも、弱かった時代の精神を遡るのも一手だと中山氏は勧めている。次に来る新しい価値観を先取りした米中に負けない、強いロボットを見出す時は今であろう。🤖🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『公正な移行』、EUを参考に」から

2024.11.19   日本経済新聞の記事「私見卓見:『公正な移行』、EUを参考に」から

EUではすでに基金などをもとに支援実行フェーズ

来るべき脱炭素社会への移行を考えると、労働者や産業、地域経済への負の影響が出てくる。国際的にも2015年に採択されたパリ協定でも「公正な移行が不可欠」と記載され重要視されている。コラムの著者 栂野 裕貴氏(日本総合研究所 調査部研究員)は、欧州連合(EU)の状況をもとに、日本での公正な移行の進め方について提言している。

○日本企業にもGXの重要性は理解できるが、自治体などの実行支援が後手

栂野氏によれば、すでにEUでは「公正な移行メカニズム」を導入し、中核の「公正な移行基金」を設立して現在175億ユーロ以上となっているという。この基金は、域内の企業や労働者の資金供給となり

  • 中小企業の事業転換支援
  • 中小企業の研究開発支援
  • 労働者向け支援:リスキリング

が対象になっている。EUの移行メカニズムには次のような特徴があるという:

  • 脱炭素移行に伴う悪影響を強く受ける東ヨーロッパへの資金配分が大きい
    •   東欧には産炭地域が多いため、石炭需要の減少の影響が大きい。
  • 移行に対する課題や目標の達成に必要な事業を記した「公正な移行計画」を各地域が作成。欧州委員会による審査を受ける。審査を通じて、各地域の実情に即した支援が可能となる。
  • 地域に対する情報提供や能力開発の支援もある
    • 欧州委員会は申請に必要な情報や優良な事例をウェブで公開。各地域の公的機関や企業の計画遂行能力の強化に向けて専門家も派遣。

日本も欧州も脱炭素社会への移行は必須である。日本企業も産業構造の転換が不可欠であり、公正な移行への取り組みが必要である。しかし、現実は十分とは言えないと栂野氏は指摘している。特に中小企業は依然として少数にとどまり、多くの中小企業が資金・人材・ノウハウなどの支援を必要としている。さらに伴走型の支援が重要で、企業が立地する地方自治体に大きな役割が期待されているが、対応に限界がある。日本政府はEUを手本に脱炭素移行の悪影響が大きい地方自治体に的を絞って、移行計画や情報提供の強化、資金支援などで公正な移行の後押しをすべきと、栂野氏は指摘している。💨⚡️💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵💶


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:スマホ依存がもたらす経済的帰結」から

2024.11.15  日本経済新聞の記事「エコノミスト360°視点:スマホ依存がもたらす経済的帰結」から

学業や賃金に影響を与える「ショック」を利用して長期的スマホ利用の経済的影響を研究

世界的に多くのの国や地域で、未成年者のスマートフォンやネットゲームの利用すべきかどうか議論になっている。コラムの著者 渡辺安虎氏(東京大学教授)は、規制の是非や根拠を考える前に、スマートフォンの過剰な利用が利用者にどのような影響を与えるかを理解すべきだと言う。渡辺教授は、最近の米ウィスコンシン大学マディソン校と中国の経済学者が共同で発表した研究に注目しているという。

○スマートフォンの長期利用が成績を下げることは確認できた

渡辺教授氏によれば、この研究では、中国の大学生のスマートフォン利用データを取得し、個々の学生の授業出席や成績との関係、さらに将来の就職や賃金まで結びつけたデータを作成し、分析を行った。

分析の際に考慮しなければいけない点がある。学業や賃金に及ぼす影響を考える時、「逆向きの因果」と呼ばれる問題が発生することだと言う。スマートフォン利用の学業に及ぼす影響を測定したいも関わらず、逆に学業がうまくいかないからスマートフォンの利用時間が増えるという影響をとらえかねない。

こうした問題を解決するために、この研究では、学業や賃金に直接影響せず、スマートフォン利用を通じてのみ学業や賃金に影響を与える「ショック」を活用している点である。この研究では世界的大ヒットゲーム「原神」のリリースと中国政府による未成年者のゲーム導入規制を「ショック」として利用して、統計的因果推論を行なっている。

結果として、スマートフォンの長期利用が成績を低下させているということは確認できたという。興味深いのは、その影響の半分以上が友人からの間接的効果だという結果である。若年層のスマートフォン利用は、友人関係と想像以上に強い関係であることがわかり、また、成績低下は授業への遅刻や早退とも強い相関を示した。

さらに就職後の賃金も低下させており、大学生に週3時間のゲーム規制を実施すれば、約1%賃金が上昇すると試算している。スマートフォンのヘビーユーザーほどメンタルヘルスが悪く、就職の出願数も低下し、仕事に不満を持つこともわかったという。

今後も利用場面ごとに規制の是非やその具体的な形について議論が続くと渡辺教授はみている。これらの研究を集め蓄積し、具体的なデータやエビデンスに即した議論を行う必要があると示唆している。🛜📱📉📈🏭🥩🐟🥦🏪🏬🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇨🇳🇺🇸