ビジネスへの応用

【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「ヒットのクスリ:マリオ×花札×銭湯コラボ、任天堂、祖業と革新の遊び心」から

2025.3.7   日本経済新聞の記事「ヒットのクスリ:マリオ×花札×銭湯コラボ、任天堂、祖業と革新の遊び心」から

祖業と中興の祖のコラボの展開

コラボ全盛の時代である。キャラクターやブランドが手を組むことで既存品・サービスの価値を再発掘し、ファンを楽しませる。コラムの著者 中村 直文氏(日本経済新聞社 編集委員)は、意外なコラボを東京・原宿で見つけたという。複合商業施設の「ハラカド」地下1階の小杉湯原宿で、任天堂の花札とゲームキャラクター、マリオブラザーズがコラボしたグッズがあるという。

◯スマホゲームとは異なり任天堂は「お茶の間」で楽しむことを追求

中村氏の発見したコラボは、任天堂の祖業の商品である花札と、同社のゲームキャラクター、マリオブラザーズがコラボしたグッズで、

  • 松をバックに鶴に乗ったマリオ(1月)
  • ピーチ姫と桜(3月)
  • クッパ大王と桐(12月)

などがその一部。マリオ花札をあしらったTシャツやバッグ・ポーチ、ハーフタオル、レターセット、ペアグラスなど、ありそうでなかったグッズである。花札とマリオはデザイン的に見ると実に親和性が高い。1〜12月まで季節ごとの植物を多彩に描いた花札の絵柄に対して、マリオの世界も赤や黄色、緑など色鮮やかで、相乗効果を生み出している。

さらに意味深長で、祖業の花札と任天堂を世界的なゲーム企業に押し上げたマリオという「中興の祖」だけに、大袈裟に言えば歴史的な価値を備えている。

さらに任天堂と原宿の銭湯の出会いが興味深い。小杉湯原宿は90年続く東京・高円寺の銭湯「小杉湯」2号店として開店した。祖業の花札という遊びを伝統文化として残していきたい任天堂は、最先端のファッションが広がる原宿に、銭湯という昔ながらの価値を残すという同じ思想で共鳴したという。まずは、銭湯とのコラボが動いた。

スマートフォンゲームとは違い、任天堂は花札だけでなく、ゲーム機を家族や友達らと遊ぶ「お茶の間」で楽しむことを追求している。♨️🎴💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「グローバルオピニオン:技術革新の担い手育成、今こそ」から

2025.3.6   日本経済新聞の記事「グローバルオピニオン:技術革新の担い手育成、今こそ」から

HECでは「考える」「教育する」「行動する」を重視

コラムの著者 インゲ・ケルクロ・デヴィフ氏(仏HEC経営大学院 イノベーション&アントレプレナーシップ研究所上級エクゼクティブ・ディレクター)によれば、産業競争力を強化するには生産性の向上とイノベーションが必要だという。今は何もしないという選択肢はないという。産業再興のチャンスでもあり、担い手の育成が欠かせない。

◯気候、AI・機械学習、CO2の除去、宇宙、次世代コンピューティングを事業化を加速するテーマに選定

デヴィフ氏によれば、HECではディープテック(先端技術)はビジネススクールだけでは取り扱えないため、理工学科学校(エコール・ポリテクニーク)と共同で修士コースを設定し、「考える」、「教育する」さらに「行動する」を重視しているという。

特に、気候、AI・機械学習、CO2の除去、宇宙、次世代コンピューティングにはアクセラレーション・プログラム(事業化加速プログラム)を設置し、成功率を上げているという。

技術の進展は高速で、応用法も変化がはげしい。だが、起業への道筋や基本的な方法論は変わってはいないという。事業の立ち上げだけでなく、規模の拡大まで想定し戦略を立てる。その際、「実践を通じて学ぶ」姿勢も重要である。製品やサービスの試作や試行、失敗時の対応策などを実地に即して考えさせる教育も行う。その結果は年間500以上のスタートアップ企業が誕生し、3年後の事業継続率は約85%だという。13社がユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)に達した。

近年の若年層の意識も大きく変わってきたという。これまで金融機関やコンサルティング会社への就職希望者が多かったが、HECの卒業生の約25%が最初から起業家を目指している。🪚💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇫🇷


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:AI学習、素材への対価は」から

2025.3.5  日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:AI学習、素材への対価は」から

かつてのナップスター事件と異なり大企業が違法にIPを違法に利用

コラムの著者 ジョン・ソーンヒル氏(FINANCIAL TIMES イノベーション・エディター)によれば、英国を代表する女性ミュージシャンのアニー・レノックスやケイト・ブッシュなど100人を超えるアーティストが2月下旬、音のない(サイレント)アルバムの公開を支援したという。いわゆる曲に入っておらず、スタジオの雑音しかしない。この無音の抗議は大手テック企業による無断の作品利用に対するものである。日本新聞協会も2024年、AI企業による「報道機関の努力へのタダ乗り(フリーライド)が許容されるべきでない」との声明を発表している。

○抗議は新技術に関係法令の整備が追いついていない場合の典型

ソーンヒル氏によれば、抗議は新技術に関係法令の整備が追いついていない場合の典型であるという。巨大テック企業が自社の生成AIモデルの学習用にインターネットの中から素材データをかき集め、詩や画像、音楽、動画の模造品を次々に発信するようになった。このような状況を著作権法が制定された当時は夢想だにしなかった。模造品があまりに巧妙な出来なので受け手側は本物だと受け取ってしまう。しかし、いかなる人でも団体でも他人の知的財産(IP)から利益を得るべきではない。これは不可侵であると、ソーンヒル氏は強調する。

英国に限らずどの国も芸術や音楽、広告、デザインなどの価値創造産業は自国の経済には極めて重要であろう。ただ、この不可侵のIPを実社会にどう落とし込むか、AI時代に合うように著作権法をどう変えるかに諸国も苦慮している。

また、コンテンツクリエーターがIPによって収益が安定的に確保できる新規の経済モデルが必要であるのも課題である。これに対して幾つかのスタートアップが挑戦して試行している:

  • 米プロラタAI:質問回答エンジンの回答でコンテンツが使われる度にAI企業への収益の一部を制作者が受け取れる仕組みを作っている
  • 米トールビット:法的に不確実性を減らすために、コンテンツ使用料がAI ボットやデータ収集ツールからWEBサイトに直接支払われる仕組みをとっている
  • 英ヒューマン・ネーティブ:AI企業がコンテンツ制作者からデータのライセンス供与を受けられるような仲介市場を構築している

似たようなことが2000年、音楽共有サービス、ナップスターなどを消費者が使って音楽データを違法に共有した事件があった。著作権を顧みない楽曲のコピーや販売が急増し、レコード業界は大打撃を受けた。だが現代は当時と違って、コンテンツを違法に使用するのは個人やグループではなく、巨大で、れっきとしたロビー活動を行う企業であるという差がある。👩‍🎤♪🎧📺💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇬🇧🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>核融合の投資熱とリスク」から

2025.3.2  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>核融合の投資熱とリスク」から

可能性を絞りすぎると劣る技術の巨費や労力を投じて遠回りになる

コラムの著者 松田 省吾氏(日本経済新聞社)によると、核融合発電は、研究者でも見通しがたたない長期的な研究テーマであるという。近年、2030年代の発電の実現を目指すという海外のスタートアップの登場で注目が集まり、投資が過熱しており、日本政府と関係機関は、この投資熱にうかされないで冷静なリスク管理が必要だという。

○要素技術で革新的なスタートアップが登場し再び話題に

松田氏によれば、夢の技術と呼ばれる核融合発電は、長年、日米欧中などの国際協力で取り組む国際熱核融合実験炉(ITER)計画や、レーザーでプラズマを封じ込める「レーザー式」とITERのように磁気でプラズマを閉じ込める「トカマク方式」の研究が目立つぐらいであった。

ところが、近年、核融合発電が注目されるのは、プラズマの封じ込めや材料などの要素技術でイノベーティブな技術を掲げるスタートアップが登場してきたからだという。専門家はその多くのイノベーティブな技術の8〜9割は以前からアイデアはあったものの、研究の対象として後回しになったものが多くあった。そこに光が当たったことが今回の注目点である。

専門家は、今後生まれる可能性のあるイノベーションを取り込める計画にする必要があるという。期限のある目標を設けると、現段階で確からしそうな技術を軸にした保守的な計画になりかねないことを危惧しているという。そこには柔軟な戦略が求められる。☀️🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸🇨🇳🇪🇺


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:新卒採用を無駄にするな」から

2025.2.28  日本経済新聞の記事「私見卓見:新卒採用を無駄にするな」から

「何のために自社は新卒を採用するのか」が明確でない採用

コラムの著者 久松 剛氏(エンジニアリングマネージメント社長)は、新卒教育が不足あるいはやっていない企業が目立ち、苦労して採用した人財を生かせず、無駄にしている企業が多いことを嘆いている。多くは自社の採用目的が不明確なまま新卒を取り入れて無駄をしているという。

◯少子化による人材不足が深刻な日本で矛盾した扱い

久松氏によれば、一般的に今は新卒は売り手市場であって、どの会社も苦労しているが、採用が決まり入社すると、新入社員を雑に扱う企業が少なくないという。教育せずに現場に丸投げしたり、適当な仕事がないので待機させたままにしたりする企業もあるという。

一方で少子化による人材不足が深刻になる中で、こうした無駄な新卒採用が起きてしまうのか。その大きな理由は、採用理由が不明確であるためだという。

きちんと新卒を育てれば問題はないが、多くはうまく成功しないという。それは最低限の入社時研修を終えた後、いきなり現場に立たせてしまうからだという。すくなくとも現場に送るにしても教育担当者がいる現場を選ぶべきだという。

「何のために自社は新卒を採用するのか」「今から逆算するとどういった人材が欲しいのか」「教育・研修計画はどうするのか」といった人事担当者がこれらのことを経営トップと十分に協議し、合意した上で採用活動を進めることが肝要である。

社員、管理職、経営トップが幸せにならない新卒採用は大幅に見直す時であろう。👦👶🏫💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵