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【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>ロス山火事が示す防災の課題」から

2025.1.26  日本経済新聞の記事「<サイエンスNextViews>ロス山火事が示す防災の課題」から

都市計画の視点が重要

コラムの著者 青木 慎一氏(日本経済新聞社 編集委員)によれば、米ロサンゼルス市の山火事は1月7日に始まり24日まで200平方キロメートル以上の土地や家屋が燃え、死者・行方不明者は50人に上るという。米気象情報サービス会社アキュウェザー社によればその経済的損失は2750億ドル(約43兆円)と見積もっている。しかもまだ鎮火されておらず被害が拡大するという。

○無秩序に広がった街や住宅地をコンパクトにする都市計画が必要

青木氏によれば、直接の山火事の原因はカリフォルニア州南部に冬場の乾いた強風が海に向かって吹きやすく、少ない雨の場合、小さな火種でも急速に燃え広がりやすいからだという。さらに、山火事が激化した要因は地球温暖化による気候の変化があるという。国際研究グループ、クリマメーターは1950年〜1986年と比べると現在(1987年〜2023年)は1日の降水量が3ミリ減り、風速は時速5メートル強まっているという。

また人災と思われる要因もある。カリフォルニア州をはじめ米国では山火事による被害が大きくなっているのはかつては手付かずの森林や草原だった地域に多くの人々が移住しているからで、低木が広がる地域や草地も乾燥すると燃えやすいという。山火事のリスクが高い地域にある住宅件数は米国全体で1990年の約3000万戸から2020年には約4400万戸に増加している。西部に多く、1600万戸を超す住宅が高リスク地域にあるという。2010年〜2020年の10年間だけでも、カリフォルニア州で24万4000戸増えている。

米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のマックス・モリッツ客員教授の分析では、「問題の解決には都市計画を通じて対処する必要がある」と指摘している。建物を耐火煉瓦で覆ったり、樹皮が硬くて燃えにくい植物を植えたり、樹木や低木を刈り込んで家屋から遠ざけるなどの対策が必要だという。さらに幅の広い道路や公園、農地などの「緩衝地帯」を整備すれば、乾燥した植生などの燃料が少なくなるため、延焼を食い止めるのに役立つという。

温暖化によって極端な気候が増え、大きな自然災害が多発するだろう。発生が予想される災害から住民を守るには、建物だけでなくコミュニティー全体で対策を練る必要がある。無秩序に広がった街や住宅地をコンパクトにすることが欠かせない。特に人口減少が進む日本国内では、防災、減災の観点から都市のコンパクト化を考えねばならない。🎞️🏠🏢🔥🌳🎓💡♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:哲人が問う民主主義の危機」から

2025.1.25   日本経済新聞の記事「Deep Insight:哲人が問う民主主義の危機」から

平凡な人が動員され惨事を招きかねない土壌を形成

コラムの著者 小竹 洋之氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、不穏な時代の節目に語り継がれる哲人がいるという。ユダヤ人としてドイツに生まれ、ナチスの迫害を逃れて米国に亡命したハンナ・アーレントがその人で、20世紀の「デーモン(悪魔)」と格闘し続けた思想家である。小竹氏はいまこそ、アーレントの哲学を参考に深慮すべき時だと述べている。

○強力なイデオロギーやナラティブ(物語)に靡く危険は潜在している

小竹氏によれば、アーレントはナチズムやスターリニズムの中で結晶し、暴力的なエネルギーを放つに至った全体主義の要素を、探求したことで知られている。東西冷戦の激化から終結、民族紛争の拡大、テロの頻発といった国際情勢の変化に応じて、アーレントの主張は様々な形で見直されてきたという。

中ロのような権威主義はともかく、米欧などの民主主義を蝕むポピュリズム(大衆迎合主義)には実際はかつての全体主義ほどの脅威はないという。それでも没後50年のアーレントに学ぶべき教訓は多いという。米国で強権的なトランプ大統領が返り咲き、欧州で排外的な極右勢力が猛威を振る2025年。全体主義には至らずとも、その要素が蘇りつつあるという現実から目を逸らすわけにはいかない。

社会から置き去りにされた人々や権力に追従する人々が、過激な公約を掲げるポピュリズムの専横に手を貸している。平凡な人々が動員され、惨事を招きかねない土壌を形づくり始めている。

多様な人々が共存するという「複数性」を重んじ、活発で開かれた論争を通じて民意を形成する政治は、アーレントにとって不可欠な公的活動であった。アーレントは古代ギリシャのポリス(都市国家)に、民主主義の範を求めている。政党制や議会制の限界を知り、市民の直接参加で政治を進める「評議会制」に次の希望を見出していたという。📱💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸🇷🇺🇪🇺🇨🇳


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:事業承継、目に見えぬ資産が重要」から

2025.1.24  日本経済新聞の記事「私見卓見:事業承継、目に見えぬ資産が重要」から

本当に重要なことは経営そのものの承継

コラムの著者 金子 智彦氏(ストラクチャー代表取締役)によれば事業承継といえば自社株や財務資産の移転などを最優先に考えるのが一般的だが、本当に重要なことは経営そのものをどう承継するのかだという。

○「親がなぜ起業したのか」といった会社への思いや使命感

金子氏は事業承継がうまくいかなった自らの体験から事業承継の本質を深く考えるようになったという。金子氏の実家は食品加工業を営んでいたが、事業承継がうまくいかず、結果的に第三者へ事業を売却した。だが譲渡先の方もわずか3年で廃業してしまったという。幼少期から生活の一部だった家業の消滅は、大きな喪失感を味わったという。

また、事業承継を経験した経営者の座談会を開催した時、彼らが強調したのは株価や税金の話ではなく、「親がなぜ起業したのか」といった会社への思いや使命感であったという。つまり先代の思いや使命感が後継者に脈々と受け継がれていくことで、そのためにも経営者と後継者の対話の活性化が最も重要なところであるという。「変えてはならないもの」「変えなくてはならないもの」を双方が共有し、会社の将来を議論していくことが承継の第一歩だと金子氏は指摘している。

近年、企業価値が生まれる源泉は、財務資産から知的資本へとシフトしている。事業承継は、単に資産を移転すれば良いというだけでは不十分で、経営理念や価値観、企業文化といった目に見えぬ資産(無形資産、インビジブル・アセット)をどう引き継ぎ、今後の企業の成長に活かすかが不可欠である。知的資本には、経営者と従業員の経験、関係性、価値観などが含まれていて、これを次にどう承継するかが、企業の持続可能な発展になるという。さらに、承継時にはイノベーションの絶好の機会でもある。仙台の知恵と経験に、後継者の新しい視点や技術を組み合わせることで、従来のビジネスに変革をもたらすこともある。👦👶💬👩🤝👨💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep Insight:SNS王たちの危ない共振」から

2025.1.23   日本経済新聞の記事「Deep Insight:SNS王たちの危ない共振」から

トランプーマスクーザッカーバーグの構図は新たな混乱を生む?!

コラムの著者 村山 恵一氏(日本経済新聞社 コメンテーター)によれば、トランプ大統領の就任式はさながらSNS王の揃い踏みだったという。Xを率いるイーロン・マスク氏と、メタ創業者のマーク・ザッカーバーグCEOが揃って参加し、トランプ氏自身もSNS好きである。自前のサービスも持ち、規制法の発効でサービス停止にまで追い込まれたTikTok再開にも手を貸している。3人の連携が新たな混乱を呼ぶSNS時代の幕開けとなるのかもしれないと村山氏は予想している。

○SNSの超短所をこれからも注目する国際連携が必要

村山氏によれば、SNS業界でこの3人の中でマーク・ザッカーバーグ氏についての最近の言動は目を引くものがあるという。まずは、投稿の信頼性を第三者が評価するファクトチェックプログラムを米国で終了すると表明したことである。移民やジェンダー、政治に関するコンテンツの制限も減らし、「表現の自由というツールに立ち返る」とザッカーバーグ氏は宣言した。

この動きは、ツイッター買収後、コンテンツ管理を緩め、「言論の自由の絶対主義者」を自称するイーロン・マスク氏に倣ったものに見える。これまで、マスクとザッカーバーグの両氏は対立関係であったのに、大きな様変わりとなっている。現に、ザッカーバーグの決断をマスク氏は「クールだ」とXに投稿している。さらに、この2人の視線の先はトランプ大統領がいる。昨秋以降、ザッカーバーグ氏は会食や寄付でトランプ氏との距離を縮めた。同氏は「トランプ大統領と協力し米国企業に多くの検閲を求める外国政府に対抗する」とまで付け加えた。トランプ氏は自らのアカウントを停止されて怒り、ザッカーバーグ氏を投獄するといって脅したが、これはトランプ氏のディール(取引)の結果なのかもしれない。

SNSが危険な道具だから使うのはやめようという選択は得策ではないかもしれない。個人が表現・創造の場を持ち、多彩なつながりを生めるSNSには間違いなく価値があると言える。だからと言って大企業がSNSを左右されてもまずい。法の専門家は「国際連携が要だ」とも説いている。投稿表示のアルゴリズムの透明化をSNSの各社に求め、ユーザが真の意味で情報を役立てられる仕組みを開発することも怠れないところであろう。📱💬💻🚗🚀🧑‍🔬👩‍🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸


【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:バイデン氏、引き際は悲劇」から

2025.1.22  日本経済新聞の記事「FINANCIAL TIMES:バイデン氏、引き際は悲劇」から

自分の弱みのせいで落ちぶれるギリシャ悲劇の英雄さながら

コラムの著者 エドワード・ルース氏(FINANCIAL TIMES USナショナル・エディター)は、辛口基調で去り行く米大統領ジョー・バイデン氏の成果を振り返りながら、2期目が成し遂げられなかった理由について考察している。

○ロシアと張り合い、クリントンやオバマ政権よりも多くの改革を成し遂げたが

ルース氏によれば、米大統領を務めたバイデン氏ほどギリシャ悲劇の主役にあっている人はいないだろうと辛口の批評をしている。

2020年の米大統領選挙で現職のトランプ氏を負かし、ロシアのウクライナ侵攻で張り合い、クリントンやオバマ政権よりも多くの改革を断行した。堅調な経済はそのおかげである。だが、成果の大半はもうかき消されてしまうとルース氏は予想している。

彼は強烈な個性のドナルド・トランプ氏の返り咲きという遺産を残すことになった。後は野となれ山となれ、と自業自得の部分が大きいという。

先のギリシャ悲劇の主人公は、うぬぼれという欠点を持っている。バイデン氏も1月上旬、再出馬を断念しなければ2024年の大統領選挙で勝てたはずだと語ったという。実際はむしろトランプ氏が差を大きく開けて勝利する可能性の方が大きかったと調査ではわかっている。また、民主党のハリス候補とトランプ氏の得票差は1.5ポイント程度で済んだ。そこにはバイデン氏の能力の衰えが公然の秘密であったことも理由としてあげられる。バイデン氏の家族や側近に責任の一端がないのであろうか。ポスト・トランプ時代への「橋渡し役」として1期だけ務めるという約束を反故にしなければ、民主党はハリス氏よりも有力な候補を擁立する時間はあった。

政治的な力学が公平に働くということはない。バイデン氏は新型コロナウイルス禍の後、米国経済を他の主要国よりも力強く立ち直らせた。それにもかかわらず、懐古主義の米国民はトランプ氏を新型コロナウイルス禍以前の時代に結びつけた。インフレーションはバイデン氏のせいにされ、実際、景気刺激政策によっと物価高が加速した。

バイデン氏は4年前「闇ではなく、光の味方」になると約束した。おそらく本心だろう。そんなバイデン氏がトランプ氏に表舞台を譲るにあたり何を思うのであろうか。📺💬👦👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇺🇸