利用例

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は『経過観察』状態、多くが正常と異常の境界に」から 

2023.5.12  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:日本は『経過観察』状態、多くが正常と異常の境界に」から

「リスクゼロであるべき」から「リスクとの共存」の時代へ

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、健康診断と同様に社会にも「経過観察」が求められる時代だという。経過観察は、正常と見なされる状態から少し外れているので注意深く自己管理に努めよという意味だが、社会でも経過観察、つまりリスク管理が求められる機会が増えているという。

◯現実は危機的な状況と日常が地続きで正常と異常の境界は曖昧

 関沢氏によれば、日本は以下のような経過観察の対象があるという:

  • 新型コロナウイルスの5類移行:5月8日に季節性インフルエンザと同等の扱いに移行し、警戒は今後も必要で経過観察である。
  • 巨大地震:南海トラフ地震、首都直下地震など
  • 温暖化ガスによる気候変動
  • ロシアによるウクライナ侵攻で顕在化した国際情勢の緊迫
  • 原子力発電所、橋、道路、マンションなどのインフラ施設の老朽化

これまで日本ではリスクはゼロであるべきだという考えで動いてきたが、現実は危機的な状況と日常が地続きで、正常と異常の境界は曖昧である。その中で創造性は物事を単純に割り切らず、曖昧さに耐える中で発揮される。防災の世界では普段使いでも非常時の局面(フェーズ)に役立つように、製品、システム、インフラなどに創意工夫をこらす「フェーズフリー」が注目されている。

経過観察には関沢氏によれば以下がポイントであるという:

  • 定期的な点検:橋のようなインフラから個人の健康で必要でAIやICTで観察できる。
  • 平常心で警戒:リスク低減の努力が平常から必要。
  • 情報の透明性:正常と異常の境界域にある時代では重要である。
  • リーダーの説明責任:危機が深刻になった事態でも人々の連帯感を保って行動するために必要。恐怖に萎縮せず、長期的視点が必要。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:命名は企業価値に響く」から

2023.5.10  日経産業新聞の記事「SmartTimes:命名は企業価値に響く」から

ブランドネーミングは経営の重要な要素

コラムの著者  伊藤 伸氏(東京大学特任准教授)によれば、製品やサービス、組織などへの命名をブランドネーミングと呼ばれ、経営の重要な要素とする考え方があるという。ブランドは競争力の源泉になり、前提として顧客の認知がなければ成り立たず、名称がなければ訴求力がないという。

○新製品、新サービス、新規事業の投入にネーミングが重要な役割を果たす

 伊藤准教授は、ネーミングが新製品、新サービス、新規事業のもつメッセージとしてそれ自体が働くとしている。だから多くは多様な概念を詰め込みたくなり、最適解が見つけにくいと言われている。

これまで、顧客を惹きつける名称の創出手段や手法が議論となったが、多くの要素が絡んでいることがわかってきた。

  • 新発想と既存名称の組み合わせ方
  • 語感の良さ
  • 地名や理念を含める
  • 頻出語句からの選択 
  • ズバリそのものの名称 
  • 近年はSNSなどの拡散の容易さ 
  • 略称を持つことでネット検索にも発見されやすい
  • 商標登録などの法的な権利保護も必要 など

多くの要素で検討されてきた。出来の良いネーミングは製品カテゴリーを連想させて、消費者の心理的欲求を満たすイメージを醸し出すという。

また、商材の位置付けと適用範囲も重要である。つまり、社名をそのままブランドにする、製品ごとにブランドを立てる、複数の製品に一貫したブランドを使うといった戦略の差もある。

伊藤准教授によればネーミングの事例研究は多いが、ブランド価値や企業価値との直接的な関係の実証研究はまだ少数であるという。またネーミングが成功したか否かも主観的で、手法もひらめきや直感に依存する色彩が濃い。このあたりはまだまだ科学的探究が必要な分野であるという。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:自分を変える方法は?」から

2023.3.29  日経産業新聞の記事「SmartTimes:自分を変える方法は?」から

回避策では解決策にはならない

コラムの著者  スティーブン・ブライスタイン氏(レランサ社長)は、自らの恐怖症からの脱却の体験から同様にビジネスの世界でもこの手の恐怖症があり、それを克服することで見方が変わり現実に対応できることをある企業の営業担当の逸話で考察している。

○自分は変わらないが体験で見方が変わる

 ブライスタイン氏は、以前からクモ恐怖症で悩んでいたところ、オーストラリアに移住することで恐怖症から単純な「蜘蛛嫌い」に変化したという。自分自身は変わっていないが、体験が恐怖症を克服したという。

ビジネスの世界での頭からある方法から離れることに恐怖を感じる人がいると言う。ブライスタイン氏はとある企業の営業担当者にグループコーチングをしていたときの逸話を紹介している:

  • グループの課題:高い職位のエグゼクティブバイヤーとの打ち合わせを取り付けたい。
  • これまでの行動:これまでは営業担当は職位の低い現場担当に会って提案書を渡し、それを現場担当の上司に上げてもらって最終的な決断を待つというスタイルだった。上司に直接の紹介を試みたが失敗してきた。
  • ブライスタイン氏のコーチング:まず、営業担当者に窓口を避けて幹部レベルの役員と直接接触を試みる方法を説明。グループでシナリオを作成し、上位の打ち合わせのロールプレイまで行った。さらにロールプレイも交渉や商談を成立させる実演を通して学んでもらった。
  • 営業担当のその後の行動:これまで日本企業でも実績のある方法とコーチングであるにもかかわらず、営業担当は、日本企業ではこのようなやり方は通用しないので遺憾の無駄であったと非難したという。結局、営業担当は苦言を吐いて席をたち、他のグループのメンバーも戸惑いながら、メンバーの1人が、この方法でやりたいのでさらにコーチングを続けたいと述べたという。

問題の営業担当の態度では現実逃避でしかなく、決定権のある顧客に会って提案を受け入れてもらうまでは進まない。方法を変えてでも回避策でなく解決策を選べばよい。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:AIの間違いと責任の所在」から

2023.5.5  日経産業新聞の記事「眼光紙背:AIの間違いと責任の所在」から

間違いを起す場合もあり、プライバシーや知的財産権の保護の課題が残る

公明党の山口那津男代表が対話型のAI、ChatGPTを使って「公明党の山口那津男」に本人自身が尋ねたところ、「そのような人物は存在しない」という回答があったという。コラムの著者によれば山口代表が4月18日の記者会見で語ったという。この話題にAIの利用に関する問題点を考察している。

○AIもロボットも人間が作ったもので、それに責任を押し付けるのは人間の責任放棄

 本人を前にした「存在しない」という回答は明らかに間違いである。だが、この対話型AIのような一般に文章などを生成するAIは、大量のテキストデータを取り込んで学習する。その際、一見もっともらしいが誤りを含んだ文章を作らないとは限らないと言う。個人のプライバシーや知的財産権の保護などの課題も存在する。

政治家が生成AIによる原稿で演説をして、聴衆から抗議をうけたなら、誰の責任となるのであろうか。政治家か、それともAIか。

今後AIを搭載した自動運転車も登場するだろう。その自動運転車が事故を起こさないという保証はない。交通事故が起こった場合、責任の所在が問題になる。では、ドライバー/乗車者なのか、自動車メーカーか、自動運転システムの開発会社なのか。

いくら、人間に近い、あるいは同等に見えても所詮AI自体は人間の創造物であって責任を取らせることはできないだろう。となれば、山口代表への回答に関する責任は、それを開発した人間や企業となるだろう。

著書「アンドロイドは人間になれるか」(大阪大学の石黒浩教授著)の中で、ロボットが反乱を起こして人間を支配する、という恐怖を抱いている人に対して「ロボットはただの機械である。嫌ならスイッチを切ればいいのだ」と述べている。AIもロボットも人間が作ったもので、それに責任を押し付けるのは人間の責任放棄としか言えないだろう。🖥️⛪️🤖💡🗼💰💴💵📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢🎓👔⏰🔧💻📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:SVB破綻からの教訓」から

2023.5.2  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:SVB破綻からの教訓」から

大手銀行にはないVBのニーズに合致した銀行

コラムの著者 校條 浩氏(米NSVウルフ・キャピタルマネージングパートナー)によれば、シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を期に金利引き上げの影響とそのリスク管理が当時の経営幹部に甘さがあったという。VBにとってSVBはどのような銀行であったのか。

◯リスク管理の甘さが破綻に

校條氏によれば、SVBは全米で16位の大手地方銀行で、「好条件の融資や無料の豪華な特典で起業家を魅了」してきたという。それを牽引したのは、預金残高が2020年に金が流れ込み始め、2021年で3倍となった資金量で、それを低金利の米国長期債券や不動産担保証券に運用して収益を上げてきた。しかし、2022年から米国FRBが金利を上げると、それに連動して利率が下がり、160億ドルの損失が急激に発生した。慌てたSVBの経営陣は、国債を売りに出した。それに加えて、自社株を放出して資金調達をすると、安易に発表してしまったという。さらにSNSなどで、著名なVCの1人がVBの起業家たちにSVBから資金の移動を薦めたとつぶやくことで、一気に噂が広がり、銀行の取り付け騒ぎが広まった。これで万事休す。数日で経営破綻に陥った。

幸いにも米当局が機動的に動き、預金の政府保証を確約することで、銀行業全体への大きな危機にはならず、徐々に沈静化した。

SVBは金融基盤が弱いVB系へを相手にするのが本業で、通常の銀行よりもリスクが高い。しかし、SVBの経営幹部たちはこのリスクをヘッジするために安全対策を怠ってしまった。リスク担当役員も2022年退職後空席のままで人材の補填を行なっていなかったことから、安全策を軽視していた。

メガバンクはリスク管理の意識が高い。だからこそ、担保価値の低いVBの顧客には冷たい。今回の騒ぎでメガバンクに口座を作ろうとすると、「最低1000万ドルの現金の預金が必要です」と冷たくあしらわれる状況である。ここで重要なことは、SVBはVB業界でのニーズに合うようなサービスを提供していたから支持されてきたのである。預金額は小さく、臨機応変に融資に対応し、顧客への反応が早い。VBの資金調達で大きな役割を担っていたが、アキレス腱がリスク管理で、経営トップにはメガバンク以上のリスク管理意識が必要であった。🏦📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸