利用例

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:生成AIの破壊力」から

2023.3.22  日経産業新聞の記事「SmartTimes:生成AIの破壊力」から

今後は道具として使いこなす指示力と採用するかの判断力が必要

コラムの著者  栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、ChatGPTで話題になっている生成AIについて、その本質と留意すべき点について語っている。

○今の生成AIは人間のレベルにはない

 栄籐教授によれば、自らが関わったLINE社で2年前に生成AIに出会い、その後実用化段階になったことで話題になっているという。

さらに、栄籐教授は自ら実験的に次のようなことを行なって生成AIの実力を説明している:

  • 以下の文をコンピュータに入力してみる:

「200文字の報道発表文章を書いてください。キーワードはタイムマシン、未来旅行、競馬の予想、宝くじが当たる」

  • すると、コンピュータは生成AIによって次のような文章は返してきた。

「タイムマシン開発社は未来旅行による競馬の予想技術を開発しました。これにより、将来的に競馬のレース結果を知ることができ、宝くじにも当たる可能性があります。これは、タイムトラベル技術の進化により、科学的に可能になったものです。今後も、さらに多くの分野にタイムトラベル技術を活用し、人々の生活を豊かにすることを目指します」

栄籐教授は、自分の書きたい空想記事をコンピューターが自動生成してきたと語っている。

では、その仕組みはどうなのか。

  • まず人間がインターネット上にある「有用な」文章を大量に「うまく」選んでコンピューターに入れ、文字の順序を学習させる。つまり、これは、文書を自動生成するプログラムを作ることを意味する。
  • できたプログラムをさらに人間との会話に適した文章を生成するように訓練する。つまり、訓練によってプログラムが人間の論理的思考を模倣するようになる。

だが、現時点の生成AIは過去の記録された文章を学習して確率的に発生する文言の連鎖を表層的に学習しているに過ぎない。だから、明日の天気もわからないし、突然の事故発生で対応して出動できる消防士にもなれない。

しかし、過去のデータを使って道具として有用なことは多いという。例えば、プログラミング、仕様書や報告書の作成、翻訳、音声書き起こしが生成AIで劇的に効率化されるという。文書には各社の内規や独特の言い回しがあるが、それをコンピューターが学習すれば、多くの定型的な文書の作成は簡単なコンピューターへの指示で自動化できる。

そこで生成AIに対して人間側が必要なものが、道具として使いこなす指示力と生成AIの著作を採用するか否かという判断力が求められる。宿題を誰がやったかの真贋判定よりも、当人のコンピューター以上の文章が書ける能力が問われるだろうと栄籐教授は示唆している。📓♨️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ヒットするアニメの方程式」から

2023.3.20  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ヒットするアニメの方程式」から

「製作委員会方式」から「タイアップ方式」の出資方式の変化も影響

コラムの著者が取り上げているのが、2022年10〜12月に放送されたアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の大ヒットの仕方について考察している。

○「けいおん!」に似てはいるが本格的な動画制作が特徴

 コラムの著者によれば、「ぼっち」は原作漫画の知名度は低く、女子高生の日常系バンドもので大ヒット作「けいおん!」と似ていることもあって、事前の期待値は低かったという。

しかし、実情は、尻上がりに人気が出てヒットチャートの上位を占めるようになったという。

「けいおん!」と似ているのはテーマだけでなく、主人公が作品中に演奏する楽器が品薄になり、劇中曲がヒットチャートの上位を占めるなど「売れ方」も似ているという。「けいおん!」と同様に原作が4コマ漫画なために間を繋ぐオリジナルシーンを制作しなければならない。そこにも「原作愛」があるコンテンツで、好評である。

違いは、「けいおん!」では演奏シーンが比較的少なかったが、「ぼっち」ではモーションキャプチャーなどを駆使してプロフェッショナルの演奏家の動きを取り込み、動画を手書きした。「初ステージで緊張して息が合わない」演奏も音楽的表現で演奏体験者から納得のいくコンテンツ作りが行われているという。

これまで、「ぼっち」はこれまでの「製作委員会方式」ではなく、「鬼滅の刃」の成功もある制作会社が出版社と組んで裁量権や制作費を持つ「タイアップ方式」で今回の成功に導いたという。📺📉📈👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:ホテル業界の構造改革」から

2023.3.17  日経産業新聞の記事「SmartTimes:ホテル業界の構造改革」から

ホテル業界は抜本的な構造改革なしで立ちいかない状況

コラムの著者  柴田 励司氏(インディゴブルー会長)は、自ら社会人最初に入ったホテル業界の現状と構想改革の必要性について語っている。

○改革の軸は人件費を抑制するのではなく報酬をいかに多く払えるかの視点

 柴田氏によれば、総務省の労働力調査によると、2019年からの3年間で宿泊産業に従事する人が22.7%も減っているという。このような状況で全国旅行割の延長、円安、インバウンド解禁となり、ホテルや旅館は未曾有の人手不足となっている。つまり、需要はあるが人手不足で機会損失しており、対応ができない。採用も進まず、コロナ下での経営維持のための借入金の負担もある。このままでは抜本的な改革なしに立ち行かない状況である。

柴田氏は社会人をホテルの現場から始めたという。業界の知人も多いし、大手や中堅のイベントなどでも講演や講義を行なってきたという。改革の目標は、この業界の従事者の報酬を上げる発想である。これまでは人件費抑制ばかりであったが、いかに企業で付加価値を生み、報酬を多く払えるようになるかという構想改革である。大手や中堅ホテルでは、企画次第で何でもできる。宴会場をこれまでの使途だけでなく、デジタル技術を使ったアミューズメント会場、新しい商品やサービスの体験会場、コンパクトでかつスマートシティーの実験場など新しい価値創造の挑戦が可能であろう。

柴田氏はさらにホテル業界の構造改革を推進する際に不可欠なものは、既成概念の「人物像」の破壊であるという。ホテルの現場では「ゲストのリクエストにお応えする」ことが叩き込まれる。つまり、ゲストの希望ありきの考え方である。この受け身的な行動・思考パターンを破壊する。新しい価値創造は待ちの姿勢では生まれてこないという。また、ゲストに対して誰が対応しても同等のサービス品質を提供するという画一的な動き方も変えなねばならない。個性を出す対応で良いである。🥢🐟♨️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:目標が曖昧な訪日観光」から

2023.3.15  日経産業新聞の記事「眼光紙背:目標が曖昧な訪日観光」から

人数至上主義から経済効果や地方創生を重視するのは良いが

コラムの著者は国土交通省が開く交通政策審議会観光分科会でまとまった「観光立国推進基本計画」の改正案をみて、その内容がコロナ前の政府目標の変更が面倒だから曖昧にしていると批判している。

○インバウンドの数値目標は3つに

 コラムによれば、インバウンドの数値目標は、

  • 消費額5兆円の早期達成:岸田首相が早期に事前表明
  • 2025年に一人当たりの消費額(消費単価)は20万円
  • 外国人旅行者数は(コロナ禍前の)2019年水準超え

としている。人数至上主義を取りやめ、経済効果や地域創生を重視している点は量から質への転換で評価できるという。だが、表現のわかりにくさが混乱を呼んでいるという。まず、消費単価で2019年の約16万円から25%増である。これも航空運賃の高さもあり、現時点で日本を訪れているのは消費意欲が高い外国人といえる。すでにこの目標は達成されている。だが、今後、人数の増加にともなって客層が広がると消費単価は下がるだろう。

2029年超えという表現も曖昧だという。この文言を「2019年実績(史上最多の3188万人)超え」と受け取る報道もある。消費総額目標5兆円を単価目標20万円で単純に割ると2500万人で、以前政府目標であった2020年4000万人、2030年6000万人)の変更を曖昧にしたようにも見える。どうも曖昧な目標は業界に対して罪作りにならないか。🗼💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:温泉銭湯と地熱発電」から

 2023.3.15  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:温泉銭湯と地熱発電」から

原子力発電所の約20基分の利用可能なエネルギーを持つ日本

コラムの著者 円山重直氏(八戸工業高等専門学校長、以前の記事では東北大学流体科学研究所教授)は、2013年10月11日に「TechnoOnline:優等生の地熱発電、開発へ欠かせぬ支援体制」で掲載しているが、10年前と規制などのハードルは低くなったもののプラント建設が進んでいないという。○青森県の銭湯はほとんどが温泉

青森県の銭湯には温泉が多いという。利用者もシニアだけでなく、子ども連れが多いという。風呂は朝早くから楽しそうな方言の会話が聞こえてくる。青森県は人口10万人当たりの銭湯の数が日本一で、地域に根付いているという。円山氏も温泉銭湯のファンで、八戸市周辺の温泉銭湯を堪能しているという。

だが、ロシアによるウクライナ侵攻で光熱費の高騰で銭湯も経営難であるという。そこで以前の記事でも小規模温泉発電システムを提案してきた。温泉の中には源泉の温度が高すぎて適温まで冷やすケースがある。この未利用のエネルギーを使い、エアコンを応用して発電するというものだという。光熱費を減らしたい銭湯経営者の支援になるかもしれない。

地熱発電は地熱エネルギーを本格的に利用する大規模な発電システムである。以前の記事で、円山氏は他の再生可能エネルギーとは優るのが、連続して電力を供給できる点にあると述べている。日本は、地熱利用の可能なエネルギー量は摂氏150度以上の熱気が2400万キロワット原子力発電所の20基分があると言われており、世界第3位で、地熱先進国のアイスランドよりも極めて多いという。可能性としては多いに大きいが、実際は、現在、53.6万キロワットに留まって、その建設は1999年で止まっているという。

また、地熱発電が促進されない理由として:

  • 法規制:RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)や自然公園法の規制
  • 地熱開発地域が温泉地などとほぼ同じであることから地元の理解が必要
  • 10年以上新規での地熱発電の開発が途絶えていたため研究者や技術者が日本にいない
  • メガソーラーなどに比べて建設に莫大な時間と経費がかかるため、経済性のインセンティブが必要

といったマイナス要因があるが、アイスランドなどで使われている設備の7割以上が日本の技術でつくられていることから、人材育成と政府の経済的な支援があればプラスと見ることもできるという。また、温泉観光地と隣接する場合が多いため、地熱発電プラント建設には地元の理解が必須である。ただし、地熱発電と温泉の源泉は地表からの深さが大きく異なり、発電につかった温泉水は地下に戻す仕組みになっていることから、既存の温泉への影響は少ない。だが、いまだに実際のプラント建設は進んでいない。♨︎💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵