製品情報

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:電源レスIoTカメラ、工場から農場まで応用広く」から

2023.6.30  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:電源レスIoTカメラ、工場から農場まで応用広く」から

現場監視での用途が広く

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)が紹介しているのは、スタートアップ、LiLz(リルズ、沖縄県宜野湾市)が開発したIoTカメラ「リルズゲージ」で、電源レスなIoT機器での応用の広さを説明している。

◯フル充電で1日3回の撮影が3年間継続可能

 西川教授は、この仕様であれば計測器監視以上に多くの応用が考えられると述べている。同社が手掛けたのは、製鉄・化学プラントや発電所などで計器の日常点検を支援することであった。

計器点検の87%は監視員が巡回して目視で行い、熟練者の5感に頼っているという。そこで、計器の数値を自動で読み取り、ネットワークを使ってデータ管理できるIoTカメラは、同社以外にも存在する。だが、多くの現場は電源がなく、取り付けるには新たに電源工事をしなければならない。充電式もあるが、数十日で再充電が必要で手間もかかる。

こうした中で、このような仕様は待機電流を極力抑え、小さな電力で撮影できるIoTカメラを同社が開発した。また現場での再充電で固定位置がズレないマグネット接点での充電式とした。カメラは約10万円であるが、携帯電話回線の1台月額数千円で利用できる。すでに250社に3500台を提供している。185台を設置したある施設では、日常点検にかかる時間を以前より70%減らせ、計測値を転記する作業を大幅に削減できたという。

現場に電源がないのは、計測機器周辺だけではなく、駐車場の混雑や河川の水位、農作物の色づき、害獣のわななど応用が広い。🕧🕒🕜💡♬📱🍟🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:岸田首相の大盤振る舞いの影で」から

2023.6.26 日経産業新聞の記事「眼光紙背:岸田首相の大盤振る舞いの影で」から

デモンストレーションの後で

5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開幕前日、岸田文雄首相が首相官邸に世界有数の半導体企業を招き、政府が支援をしているというアピールとデモンストレーションを行なったという。コラムの著者は約1か月後の米マイクロン・テクノロジーのレイオフが本国では日常茶飯事であるが、補助金の原資である税が使われていることに納税者として納得いかないと述べている。

○日本政府の半導体産業支援のデモンストレーションとは裏腹に

コラムの著者によれば、首相官邸に招待されたのは米インテル、台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子などの首脳で、日本政府がTSMC熊本工場へ4760億円の補助金を出すといった巨額の半導体支援を行なっていることをアピールするデモンストレーションであった。

さらに首相のお膝元である広島県東広島市に工場を構える米マイクロン・テクノロジーで、官邸訪問にあわせて、同社のCEO、サンジェイ・メロートラ氏も今後数年間で広島工場に最大5000億円を投資すると発表した。デモンストレーションの演出効果は最高潮であったという。

問題は約1か月後に起こった。関係者によれば、マイクロンは5月に工場従業員の約3700人の10〜15%相当の数百人規模の人員削減を実施。地元のハローワークあが5月末に同市内で開催した失業者対象の相談会には100人以上が訪れ再就職への不安を示したという。

同社広島工場は昨年発表した設備増強で465億円の補助金を要求しており、さらにサミットで公表した5000億円の投資に対しては2000億円の補助金を求めているという。業績に応じたレイオフが日常茶飯事である米企業には罪悪感はないだろうが、日本の納税者は補助金の原資が税であることから納得はできるだろうか。💴📈📉🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:非ファブレスの強み」から

2023.6.13  日経産業新聞の記事「眼光紙背:非ファブレスの強み」から

利益率の高いファブレスにも弱点が

コラムの著者は、世界シェアで欧州の2社の後塵を拝してきたジャパンエンジンであったが、5月に4年ぶりに愛媛県今治市で開催された国際海事展「バリシップ」でそのエンジンの評判が高かったという。非ファブレスである同社の強みとは何か。

○大型船舶用エンジンを開発する会社は日欧の3社のみ

コラムの著者によれば、世界で大型船舶用ディーゼルエンジンを開発しているのは日欧の3社のみだという。独国のMANエナジー・ソリューションズ、スイスのウインターツール・ガス・アンド・ディーゼル(WinGD)、そして日本のジャパン・エンジンコーポレーションの3社である。

欧州2社は設計・開発のみ行うファブレスでエンジンメーカーにライセンスを供与している。一方、ジャパン・エンジンは三菱重工業の船舶用ディーゼルエンジン事業と神戸発動機を統合し2017年に発足した。ライセンス供与も行うが、自らもエンジンを生産しているところもあり非ファブレスであるところが特徴である。

確かに欧米のファブレス方式は利益率が高いことから、日本の製造業は遅れをとっていると言われてきたが、必ずしもそうでもないのがこのジャパン・エンジンの事例だという。バリシップで好評を得た新型エンジンは、燃費性能が素晴らしく、中国の内航コンテナ船で採用が相次いだという。その背景に、ジャパン・エンジンの幹部の言葉を引用して「ライセンスの供与によるブラックボックスがない上に、自社生産であるため改善点をすぐに反映できる」ことが強みのようだ。日本の製造業は後れているとは言われるが必ずしもそうでないことを示している。🧑‍🔧🚢🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇨🇭🇩🇪


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:セコムの安心アプリ、アクティブ層にも寄り添い」から 

2023.4.14  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:セコムの安心アプリ、アクティブ層にも寄り添い」から

従来の見守りサービスとは違った積極的な層にも呼応

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)が紹介しているのはホームセキュリティーサービスの利用者向けにセコムが4月から始めたアプリ「YORiSOS(よりそす)」で、Apple WatchやiPhoneの動きを感知して危険や体調不良時に緊急対処員が駆けつけるという。高岡教授はそのマーケティングについて考察している。

◯約2年の開発期間

 「YORiSOS(よりそす)」は日本で初めてApple Watchの転倒検出機能と連携し、激しい転倒を検出した際に起動する点も特徴だと高岡教授は指摘している。さらに緊急通報以外に、歩数や睡眠時間の確認ができる「健康管理」の機能も併せ持っているという。

2021年5月から企画に着手し、約2年で今回の提供開始へと至った。この間、同社が東京都杉並区に開設している高齢者マーケティング拠点「セコム暮らしのパートナー久我山」の協力を得て、使い勝手などの改善を進めアプリを磨いた。

同社の家庭向け事業でホームセキュリティーと見守りは2つの大きな柱であるが、内容は時代によって異なってきた。今後一段と少子高齢化が進むと予想されるが、従来の見守りを必要とする層と、見守りまでは必要としないが、自分で積極的に外出はするが、サポートはして欲しいというアクティブシニア層だという。「挑むに、寄り添う」というプロモーションメッセージが、「YORiSOS(よりそす)」のコンセプトで、米アップルを口説いた熱意が素晴らしいと高岡教授は述べている。⌚🛡️👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:半導体産業戦略の変質と拡張」から

 2023.5.31  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:半導体産業戦略の変質と拡張」から

半導体産業問題から国防問題、さらに資源問題を含めた国際協調に拡張

コラムの著者 山﨑弘郎氏(東京大学名誉教授)は、1980年代の日米半導体摩擦から米国の主導権奪還、韓国の台頭などで日本国内の半導体産業の崩壊と問題が発展し、今や半導体業界のみならず、安全保障、国防問題、資源問題を含む国際協調への課題に発展しつつある事態について歴史的な考察を行なっている。

○コンピュータやロボットの性能、先端的軍事力に大きな影響を与える半導体の進歩

 山﨑教授によれば、日米半導体摩擦の時代は、半導体技術のリーダーを自認していた米国が、自国の半導体産業の将来に不安を感じ、日本に対してダンピング(不当廉売)輸出していると指摘したことから始まった。当時の通商産業省(元経済産業省)が中に入って、交渉を行い、日米半導体協定を締結することになった。販売価格を決め、米国製の半導体を使う比率などの数数値目標までが定められた。

しかし、日本の半導体業界は、これを深刻に受け止めず、利潤は出せると踏んでいた。PC市場のその後の発展に寄与する次の段階の開発や、設計と製造との分離を図る水平分業への変革が大きく遅れ、イノベーションと産業改革が遅れてしまった。その後、米国は首位を奪還し、日本は韓国をも後塵を拝することになる。米国の半導体産業は産業のイニシアチブを奪われることに大きな危機感を持っていたことが成功に繋がった。

 その後、米国は中国との対立に構造が変わった。急成長する中国の半導体産業を押さえ込むことを意図して、コンピュータやロボットの性能を支配する技術の進歩を阻止し、先端的軍事力に大きな影響を与えることを認識して半導体のみなずらICT全般の情報政策の発展に圧力をかけている。

近年、日本政府は、隣国である中国と米国の摩擦は日本の安全に関わるとして中国封じ込めに同調した。だが、残念ながら日本の半導体の生産技術は世界のイニシアチブをとるようなレベルにない。防衛的な立場から米IBMや台湾のTSMC、韓国のサムスン電子などと提携して、最先端の生産技術を確保することで米国に歩調を合わせている。

ロシアによるウクライナ侵攻で国際協調がNATOとロシア・中国が対立する構図になった。半導体問題は環境問題を意識しつつエネルギー資源の偏在をカバーする対立関係に移行しつつある。問題は半導体産業のみの話ではなくなり、質と規模が急拡大している。🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸🇨🇳🇺🇦🇷🇺