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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:勢い失う一帯一路の中核路線」から

2023.11.7  日経産業新聞の記事「眼光紙背:勢い失う一帯一路の中核路線」から

重慶市ロシアのウクライナ侵攻と米国とのデカップリング(分断)の影響大

コラムの著者が述べているのは、米欧日との対立で中国内陸部、重慶市と欧州を結ぶ直通貨物列車の貨物量が減少していることで、習近平国家主席が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」への影響について考察している。

○米PCメーカー大手の事実上の撤退から欧州EV輸出に転換する重慶市

コラムの著者によれば当該の貨物量は1〜8月の累計で前年同期比で約1割の減少したという。重慶市内でPCなどを製造している外資系企業が、ロシアのウクライナ侵攻で利用を控えたからである。

この直通貨物列車の路線は、習近平国家主席の一帯一路をけん引してきた中核の物流ルートで影響は少なくないという。もともとこの路線は、習氏のライバルとされた薄熙来氏が2008年同市のトップ時代に検討し始めたものであった。米ヒューレット・パッカード(HP)社の工場を同市に誘致する際に、この路線を考え、欧州までのスムーズな物流を約束した。沿線各国の通関手続きの簡素化、税の減免、鉄道運賃の一部負担、さらに鉄道の優先利用権まで与えたという。

米HPは2010年に量産を始め、2011年に鉄道輸送を開始した。その後世界の大手も追従し、重慶市は世界のノートPC生産台数の約3分の1を占めた。だが、PCの分業体制の変革が、ロシアのウクライナ侵攻と米中対立で進み、重慶でのPC生産について大手は手を引き始めているという。2021年9千万台をピークに、2023年に6千万台、将来は3千万台に落ち込むと予想されている。

重慶市もPC生産からEV輸出にシフトしようとしているが、欧州側の中国製EVの流入に強い警戒があるため、一帯一路の中核路線は大きな曲がり角にきているという。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇨🇳🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目:Z世代のロイヤルティー、上の世代より高い逆転現象」から 

2023.11.10   日経産業新聞の記事「小野譲司の目:Z世代のロイヤルティー、上の世代より高い逆転現象」から

未経験でもリコメンドで広げるブランド意識

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)によれば、Z世代消費に対しての議論が引き続き盛んで、1990年代後半から2010年代前半に生まれた彼らはソーシャルメディアに親しみ、他の世代とは異なっていると考えられているという。小野教授は、ブランドに対するロイヤリティー(再購買意図)に注目してその行動を読み解こうとしている。

◯他人とブランドを話題にすることで特徴を整理しリコメンド

小野教授はサービス産業生産性協議会のJCSI調査をもとに、大手小売チェーンに対するロイヤリティーを100点満点で表した指標を業種全体で集計し、20代と30代を比較研究している。

約10年間の長期トレンドで見るとロイヤリティーは世代を問わず上昇している。新型コロナウイルス禍を境に20代が30代以上を大きく上まっている。一方で、マーケティング分野の先行研究では、若年層は上の世代よりロイヤリティーが低いことが指摘されているという。若年層は自分の好みが固まっておらず、より良いもの、より新しいもの、より安いものといった多様な選択肢を試す傾向にあるという。さらに彼ら彼女らの所得や消費経験が少ないことも原因で、自分の好みを見つけるまでブランドスイッチングを繰り返すため、結果的に中高年よりもロイヤリティーが低くなるとされてきた。

ところがZ世代では上の年代を上回ってロイヤリティーが逆転現象が起きている。

その理由について小野教授は以下のように考えている:

  • 満足度の高いブランドを利用し続けることで、買い物の失敗を避ける。しかし、この傾向はZ世代だけではない。
  • ネット上などでの他者へのリコメンド(推奨)である。誰かに推奨する行為は自分もその該当するブランドを使い続ける可能性を高くする。自分を裏切らず一貫性を保つためである。
  • リコメンドすることで、話題になる製品の特徴を整理し、信念が固まる。
  • 映え狙いの写真投稿や何気ない会話もZ世代のロイヤリティーの形成に役立っている。

ソーシャルメディアなどで人間関係を育む文脈でZ世代の消費を読み解くことは、ロイヤリティーの観点にも当てはまりそうだと小野教授は指摘している。☝️☎️🚌🛬🧳🛒🥢🍜🍔☕️🍣🍜🍺🍞🍽😷🦠📱💻📒🛒🎓💳⚡️🌍happy01💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:デジタルクローン活用」から

2023.11.9  日経産業新聞の記事「WAVE:デジタルクローン活用」から

AI技術でマーケティング手法も可能性が広がる

今年も年末が近づき振り返ると、国民的な関心事はWBCなどスポーツなど一部に限られ、モノ・コトはこれまで以上に難しく、多様化が進んでいる。コラムの著者 加治佐 康代氏(ビデオリサーチ取締役)は、マーケティング分野で多様化に対する対応としてAI技術の活用について述べている。

○顧客データの分析からセグメント分析、レコメンドの活用などAIの活用領域は広い

 加治佐氏によれば、インターネットの普及やデバイスの進化で情報源は多様化している。2010年代初期から普及したSNSからYouTubeなど生活者自らが情報発信を行い、双方向で情報流通が行える時代になっている。その結果、個々の嗜好性や価値観に合った情報を多種多様な手段で送受信する状況となっている。2020年代にはコロナ禍でリアルコミュニケーションが制限され、個別の属性はますます細分化・分散化されるようになった。

これまでのマーケティング手法の顧客のセグメンテーションは極めて小さなセグメントになり、生活者は多くの得たい情報をいつでもどこでも取得できるようになった。しかし、発信者にとってはさまざまな手段で生活者にコンテンツや広告を届け、誰にどれだけ届いたのかを集約する労力が増えている。この労力の負担軽減策として、AI技術の活用が進んできている。

マーケティング分野ではAI技術を顧客データを分析し、新顧客を自動的に認識したり、レコメンドに生かしている。加治佐氏の会社ではデジタルクローンというAIを用いて、人間の思考の揺らぎも表現できる技術をマーケティングリサーチに応用する手法を開発しているという。あるデジタルクローンでは、性別や年齢などの特性に加えて、特定の課題やトピックスに対する関与状況を示すペルソナを設定できる。デジタルクローンを使って、自由にインタビューを行ったり、アイデアが出ない時の壁打ちや、出現がレアなターゲットを想定したインタビューもできるという。💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:付加価値なくして利益なし」から

2023.11.8  日経産業新聞の記事「眼光紙背:付加価値なくして利益なし」から

自らの付加価値を高めないと高いリターンは得られない

コラムの著者が示すのは30年近く前に創業者の柳井正社長(現会長兼社長)での取材で気付いた現在のビジネスモデルへの移行のわけについて言及している。

○ファーストリテイリングが示した既存ビジネスモデルからの離脱

コラムの著者は商品の企画・製造から販売まで手掛けるSPA(製造小売り)に挑戦したファーストリテイリングについて語っている。当時、柳井社長が衣料販売をアパレル会社から服を仕入れ、販売し、売れ残った服が返品できたビジネスモデルでは問題があると思ったからだという。つまり、返品でリスクを負わない代わりに仕入れ値は高く、努力をしても営業利益率は2%どまりであったという。

だが、柳井社長は10%は確保したいと考えた。リスクを負って製造まで手掛けるしかないと考えた。委託先の工場で大量にプライベートブランド(PB)の衣料を製造し、全て仕入れて売れ残りのリスクを負い、仕入れ値を抑えて高品質の衣料を低価格で販売する。こうして高利益率を実現する。自らの付加価値を高めないと高いリターンは得られないと考えた。

今、白物家電業界で同じ課題が上がっている。日立製作所の家電子会社が白物家電の一部を対象に、販売価格を指定する制度を国内で始めるという。すでにパナソニックホールディングスが行なっている施策である。家電量販店は対象の家電を返品はできるが、値引きはできない。家電量販店の側では一部歓迎する声もあるが、裁量権の範囲が狭まって、店が「ショールーム」化するのではないかと不安の声もある。まさに付加価値の少ない企業へのリターンは小さい。家電量販店が如何に付加価値を上げるのか戦略が問われている。👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️👚👔🧤💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルアワード2023、読ませる工夫、随所に」から

2023.11.1  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルアワード2023、読ませる工夫、随所に」から

ベテランの施工業者にも読んでもらい確実な作業を促す

コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、テクニカルコミュニケーター協会による「ジャパンマニュアルアワード2023」の最優秀賞を受賞したTOTOのウォシュレット一体形便器ネオレストの施工説明書の工夫について述べている。

○施工経験の浅い若い世代には、CG施工動画の2次元コードで連動を

 高橋氏によれば、内容のわかりやすさに加え、確実に読んでもらえるよう知恵を絞った点が受賞で評価されたという。アワード実行委員長の中原司郎氏は「ベテランの施工技術者にも新人にも伝わる工夫が随所になされている」と述べている。

TOTOがこの読んでもらう確実性を重視する背景に、新製品を投入する度に施工技術者に実際に施工してもらい説明書通りにしているかを検証しているという。検証の結果、ベテランほど説明書を読み流す傾向になることがわかったからである。製品の利用者に安心して使ってもらうには、この確実性が重要だとTOTOにはわかっている。

例えば今回の製品のモデル変更で、ある部品の取り付け方法が変わったという。変更箇所を確実に施工してもらうために、表現方法を変え、裏表紙にも取り付け方を記載。すぐに手に取ってもらえるように、梱包を開くとまず説明書の裏表紙が見えるようにしたという。さらに解説には図を使って目立つようにした。新人には取り付け箇所や手順を動画で作成し、2次元コードでアクセスできるように工夫がなされている。

製品やサービスのUX(顧客体験)を高めるには利用者のみならず今回の施工技術者のように関係者にも情報を伝え、確実に実行するように改善が必要である。🪛🚽🔧📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵