【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:亡国のロボットとレアアース」から
2025/07/18
2025.7.17 日本経済新聞の記事「Deep_Insight:亡国のロボットとレアアース」から
一見無関係なロボットとレアアースだが国家戦略が必要
コラムの著者 桃井 裕理氏(日本経済新聞社 政策報道ユニット長)によれば、世界でAIを持つ人型ロボットの開発競争が加速しているという。先頭を走るのは中国企業で、中国政府が「2025年に量産を始め、27年に世界トップとなる」という野心的な目標を掲げたことから投資に火がついたという。だが、その背景にレアアース覇権を握る中国の強かな国家戦略があるという。
◯人型ロボットの普及でネオジム合金は供給不足に陥る
桃井氏によれば、確かに多くのロボット応用で人型である必要はないと思われるが、中国の場合はまさにマンパワー、つまり臨機応変に対応できるところを狙っているという。2024年夏、北京で開催された世界ロボット大会ではスタートアップでは人型には懐疑的で、例えば介護用ならアームと車輪という実用型を取り入れることが主流であった。それが1年後「人間に用途が限られていない」ように、どこでも何でもできる臨機応変性がロボットにも求めている。つまり、自動車やスマートフォンのような人間を支援する道具にとどまらず、マンパワーを求める。マンパワーは国勢であり国力そのものでもある。中国が量産と低価格化に突き進むことで世界の労働力における人型ロボットの浸透速度を大幅に上げることになるという。
さらに中国のロボット戦略は中国の別の経済覇権ともリンクしている。それは、レアアースである。それは、中国の人型ロボットが突如、世界の先頭に躍り出た理由でもある。ロボットの関節部品の進化が、レアアース磁石が大きく貢献しているからである。ロボットにおいて自動車のエンジンにあたる基幹部品は関節を制御するサーボモーターである。サーボモーターの性能はネオジムなどを使ったレアアース磁石に依存する。レアアース磁石はかつて日本が優勢を誇ったが、今や中国が世界の8割という圧倒的なシェアを握っている。中国は一方でレアアースで覇権を握り、もう一方で中国製人型ロボットの労働力に依存するようになれば、世界の覇権を握ることができる。🧲🤖💬💻🚗🚀🧑🔬👩🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵🇨🇳