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【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「池上彰の大岡山通信、若者たちへ(357):新入生諸君へ、良い問いを立て、考えよう」から

2024.5.15  日本経済新聞の記事「池上彰の大岡山通信、若者たちへ(357):新入生諸君へ、良い問いを立て、考えよう」から

大学入試では求められる答えを忖度する力が制した

池上 彰氏(東京工業大学教授)は拠点である東京工業大学大岡山キャンパスで新入生向けの講演を行ったが、それを全国の大学新入生に向けてのメッセージとして本コラムでその内容を述べている。

○「知っているという学び」と「考え抜いて習得した学び」は全く異なる

池上教授によれば、大学入試では、求められる答えを正解として、いち早くそれを察知する力、いわば忖度する力を鍛えた人が受験競争に打ち勝つ手段でもあったという。では、大学生活もそれで良いのかというのが池上教授の指摘しているところである。

最も避けたいのが、これまで通り「受験科目でなければ勉強しなくて良い」「本なんか読まなくていい」といった思い出は大学生活で学びを深めることはできないことである。大学を出て社会人となったときは忖度の力よりも、正解がない世界で自分がどうあるべきかを深く、粘り強く考えることが求められるという。大学生活で、この自分で質問を設定し、自分で考えて課題を解決する力を鍛えることだと、池上教授は指摘している。

よく、新入生から「専攻科目は社会に出て役立ちますか」と質問を受けることがあるという。そんな時は「学部で学び、教員や仲間と議論し、考え抜いた経験が『考える力』を鍛えてくれる。この力が社会に出てから役立つ」と答えているという。

世の中はICTを始め多くの科学技術が普及してきている。しかし、あくまでも技術は道具であって、効率よく学べたように思えるが、実は自分で考えることを鍛えることになならない。つまり、「知っているという学び」と「考え抜いて習得した学び」は全く異なり、後者を大学生活で実践すべきと繰り返して池上教授は説明している。⁉️💬🍣🐟✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「春秋:ホトトギスと勝海舟」から

2024.5.3  日本経済新聞の記事「春秋:ホトトギスと勝海舟」から

「時鳥不如帰遂に蜀魂(ほととぎすほととぎすつひにほととぎす)」

コラムの著者は、勝海舟が読んだこの句を解釈しつつ、タイパ(タイムパフォーマンス)ばかり気にする生活を新型コロナウイルスが5類移行してからの初めてのゴールデンウィークに少しゆったりと過ごすことを提案している。

○効率重視できめ細かく刻んだ時間の流れから自分を解放する時間に

コラムの著者によれば、デジタル社会がどうであれ、変わらぬ季節の移り変わりを知らせてくれるものがある。その1つに渡り鳥の飛来があるという。遠隔地から、そろそろやってくるのが、勝海舟の句にある、ホトトギスだという。句の意味は、「人生全てかくの如し」と言いたいところだろう。時流に乗って活力あふれる頃や、壁に跳ね返されての失意の日々など、人生にはいろんな段階がある。ホトトギスを示すいろんな漢字の意味のそれを託し、長い時間軸で表現している。

今は、ゴールデンウィークの最中。コロナ禍も一服し5類への移行して初めてのこの休暇時間を、ふるさとや国内外の旅行先、あるいは自宅でのんびりと過ごしている。毎日が「タイパ」という言葉に翻弄され、効率至上主義で、切り刻んだ時間で暮らしている。せっかくの休暇機関だから、刹那的な生活から解放され、のんびりといきたいものである。🕰️✈️👝🚗✒️📕🧑‍⚖️👩👨💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「科学むしばむ『不適切な研究』:解析でズル、機能性食品でも指摘」から

2024.4.14  日本経済新聞の記事「科学むしばむ『不適切な研究』:解析でズル、機能性食品でも指摘」から

都合の良い結果を導く「不適切な研究」が横行

コラムの著者 松田 省吾氏(日本経済新聞社)は、医学や心理学、政治学など追試験をしても再現性がない研究が問題になっているという。影響はアカデミアにとどまらず、我々の健康に関連する商品にも影響を与える可能性もあるという。「不適切な研究」が横行する要因と再現性を確保する施策について語っている。

○影響はアカデミアにいいかげんな書籍や健康食品などで社会に悪影響も

松田氏のコラムによれば、「発表された様々な分野の研究について再現性などを検証する」と2024年1月、科学誌ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビアが研究の信頼性を調べる機関との取り組みを発表したという。ここでの再現性とは同じ条件で実験を繰り返した際に同じ結果が得られることを指す。人類学や疫学、経済学、政治学などで追試をするとした。

再現性のない研究が近年、アカデミアの課題となってきている。では、なぜ再現性が確認できないのか。専門家はその背景に多くの未測定要因があるからだという。例えば、心理学では研究の対象となる人の心を左右する要因は無数にあるという。実験の条件や環境を全く同じにすることは難しく、そもそもどこまで同じにすれば追試になるのかも不明である。

さらにこうした仮説検証や実験の難しさに加えて、都合の良いデータ解析などをする「研究のチート行為」のために再現できない場合もあるという。これを「疑わしい研究実践(QRPs)」と呼んでいる。

QPRsの事例として、松田氏は多重検定の悪用をまず上げている:

  • 様々な項目や指標でデータを手当たり次第に取り分析し、科学的に効果のある「統計的に優位な差」が出てきた組み合わせだけを論文で報告するものである。

次に「HARKing」である。

  • これは、実験で予期せぬ結果が出た時、その理由を考えて後から仮説を設定し「最初からそう考えていた」と報告するものである。

「p値ハッキング」:

  • p値が実験結果がどれくらい獲得しにくいものかを表す仕様として定義されている。
  • 最初からp値が一定以内になるよう恣意的にデータを除外や追加をする行為の問題点を無視して実行することである。

こういったQPRsは査読制度では発見されないことも多く、解決策として、実験の「事前登録」や「事前審査」を行なって第3者の審査も含めて事前に行なっておく。実験後の勝手な解析を防止することができる。導入する学会もあるが、普及はこれからである。

QPRsの問題はアカデミアに留まらず、国民の健康に関連する機能性表示食品でも指摘されているという。つまり、効果を支える論文がQPRsであるときや掲載学会が掲載料を目当てに査読の甘い、いわゆる「ハゲタカ・ジャーナル」などを参考にしている例もあるという。🗒️💊🥛🎮🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「ゲームのトビラ:『桃鉄』授業に採用、遊ぶうちに地理学ぶ」から

2024.4.13  日本経済新聞の記事「ゲームのトビラ:『桃鉄』授業に採用、遊ぶうちに地理学ぶ」から

ゲームは勉強の害にならず

コラムの著者 野安 ゆきお氏(ゲームライター)は、学校教育で採用されているゲームの中で、定番で大人気の「桃太郎電鉄」を紹介し、その背景について語っている。

○いまなお大人気の定番ゲームである「桃太郎電鉄」シリーズ

野安氏によれば、2023年に学校など教育機関への無償提供が始まって、ID発行数は7000を超えた「桃太郎電鉄 教育版Lite 〜日本っておもしろい」は、全国の小学校では20%に相当する4000校が採用しているという。

ゲームの概要は、全国各地を舞台にした双六(スゴロク)である。4人までで対戦可能。サイコロを振って鉄道路線を進み、止まった駅でその土地にちなんだ施設や工場などを買い集め、一定期間後の資産額で勝敗が決まるという。プレーヤーである子どもたちは、遊んでいるうちに全国各地の特産品、名産品やランドマークなどを自然に覚えていってしまうという。

では、なぜこんなに教育関係者に「桃太郎電鉄」が支持されるのか。1988年にシリーズ第1作が任天堂のファミリーコンピュータ向けに発売されて以来、ロングセラーでいまも人気が高いという。

2020年に発売されたニンテンドースイッチ版「桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜」は累計400万本の大ヒットを記録。舞台をさらに世界に広げた「桃太郎電鉄 〜地球は希望でまわっている!〜」も2023年に発売され販売本数100万本を超えたという。

人気の秘密は、リールがシンプルで小さな児童でも遊べながら、ライバルを邪魔するカードなどもあり、ハイレベルな駆け引きも可能という点である。どうやらさらに人気を支えているのは、その子らの教師が昔やった有名なゲームであるからだともいう。今や百科事典や図鑑の代わりとしてゲームで地理を学んでいく時代のようだ。🗾🚃🎮🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「WAVE:Z世代に見る行動変容」から

2024.3.26  日経産業新聞の記事「WAVE:Z世代に見る行動変容」から

人口ボリュームの少ない世代だが発信力の高さで他の世代にも多大な影響を

コラムの著者 加治佐 康代氏(ビデオリサーチ取締役)は、前回に引き続き少子高齢化の影響をZ世代自社の事例を通じて、生活者全体に与えることを考察している。

◯夜間だけでなく朝時間もメディアを生活に取り込むZ世代

 加治佐氏によれば、2019年当時は19歳以下の人口比率が26%であったが、2023年には全体の16%まで減少しており、人口ボリュームとしては少数派である。しかし、この若年層が将来の日本を担う人たちであるてんは変わりなく、デジタルネイティブの世代であることも大きな特徴だという。

Z世代という言葉が徐々に浸透しているが、一般的に1990年代半ばから2010年初めの頃に生まれた層を指しているという。デジタルネイティブでインターネットを介してシームレスに情報を共有・拡散することが日常で、大量の情報に接触することから、タイムパフォーマンス重視の効率主義者と言われている。

趣味や推しなどの共通項があればSNSで距離も年齢も関係なく繋がることに慣れており、それらのツールを活用した発信力の高さもZ世代の特徴である。加治佐氏も視聴率を扱う業態であることから、Z世代の影響力は無視できないという。通常は動画視聴などは夜間の時間帯が増えるが、Z世代はさらに朝時間もメディアを生活に取り込んでいる。その日1日の活力を得るためや目覚ましがわりに海外ドラマの配信を毎日1話を視聴すするといった生活に溶け込んだ行動である。

人口ボリュームが少ないZ世代ではあるもののインターネットなどデジタルネイティブの特性を活かして他の世代に大きな影響を与えている。この世代の行動変容が生活者全体の新しい時間の価値を創ったり、コンテンツビジネスを左右するとも言われている。🧠📺📱📉📈💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵