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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:ベーシックアウトレイ、入れ替え戦略に重点」から 

2019.8.9  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:学園ドラマの傾向、現実の変化を反映」から

これからのマーケティングは新規需要から消費部分の「入れ替え戦略」へ

 今世界各国ですべての個人に最低限の所得保障をするベーシックインカムが関心を寄せているが、コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)は、未来や遠方の国の話で終始せず日本の経済にもすでにその影響があると述べている。

◯消費の固定化をもたらす3M変化

  関沢氏によれば、フォンラン政府は、今年2月、昨年末まで2年間の給付の証実験を試み、報告書を公表したという。同様にイタリアでも行われている。人工知能などが広く普及すると、自分の職場を失う人が増える。ベーシックインカムはそのような高効率社会で、仕事を見つけられない人々を支える施策だという。ただ、これだけ聞けば、日本人は外国の未来の話と考え、さして興味を持たないかもしれない。しかし、もはや日本の場合はその一部を公的年金や特別受給なども含めて国民の3割が占めているなら夢物語とも言えない。最低限ではあるが固定的に収入を保障されているとも言える。

問題は、40年後は3割が4割に増え、現役世代の収入は伸びず、さらに厳しい固定的な収入に頼らざるを得ない状況になるということである。ただ、平成年間、消費支出も増えなかったことを鑑みると、ベーシックインカムに対して、ベーシックアウトレイ(最低限消費支出)というべき支出額の固定化が起こるという。この消費の低迷は、3つのMの変化に現れるという;

  • Money変化;収入が一定
  • Motivation変化;消費動機の減少
  • Market変化;所有から使用へ

といった変化である。こうなるとマーケティングも新規の需要を得ることおりも、置き換えや代替による消費を主眼とする「入れ替え戦略」にならざるを得ないというのが関沢氏の見方である。📚🎓💻📱🏠📊🔎⚡️🌍happy01❤️💏


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:文章は経国の大業、不朽の盛事」から

2019.6.20  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:文章は経国の大業、不朽の盛事」から

インターネットの普及が気づかぬうちに伝達技術を下げている皮肉

 コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、情報伝達として高速になっているにもかかわらず、肝心の伝える内容が便利さからか格式ある文章から遠ざけ、伝達技術さえも低下させていることについて述べている。

◯ビジネス文書でも起こる危機

 筒井氏が危惧しているのは、電子メールが一般に普及して約30年経ち、SNSやLINE、Twitterの ような情報交換の仕組みができた今こそ、伝えるべき内容や文章を吟味し正確に相手に伝える伝達技術をあげねばならないということである。

このような急激な意思伝達の変革に伴って、書き言葉としても文章も変化しているという。電子メールが普及する以前は主に手紙文であり、そこには手本となる一定の文章形式があった。それが崩れ始め、正確さを重視するビジネスでの文章でも内容が不明確であったり、文章だけが長く要点が不明であったり、逆に説明不足で意味不明であったりすることが増えてきた。

「文章は経国の大業、不朽の盛事」とは中国・魏王朝の文帝によるもので、文章は無窮であると述べている。ここでいう文書は古典をさすとも言われるが、筒井氏は、要を言いえて理として伝えるに足る文章だと示唆している。となれば、我々日々電子メールにも当てはまることだという。

さらに筒井氏は、明確な目的を持ち、その達成を願うものの一例に恋文、ラブレターがあるという。読む相手の注意を惹き、無視されないように、あるいはできないようにしなければならない。論文やビジネス文書も然りであろう。✉️🌾📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡💌


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:チャット小説、緩く楽しめ、若者受け」から 

2019.6.19 日経産業新聞の記事「トレンド語り:チャット小説、緩く楽しめ、若者受け」から

将来像はネットフリックス

 コラムの著者 面川 真喜子氏(マーケティングプランナー)は、taskey(東京・渋谷)の「Peep」などLINEでおなじみのチャット形式での小説について考察している。

○高校生から20代前半が注目

 この世代は漫画アプリと同様にチャット形式での小説を楽しんでいる。読みやすさとリズムが生まれるのは会話文だが、会話文の作品で著者も苦労しているようである。Peepは累計80万ダウンロード、月額960円の有料会員数1万人、公式作家が書いた作品で1300作あるという。

チャット小説に動画を組み合わせたシネマ小説も始めている。taskeyは受動的なエンタメで、隙間時間に緩く楽しめるものが若者に受け入れられていると分析している。漫画アプリの読者と重なっているところもあるという。

将来は、小説だけでなく、動画、ゲームなど様々なエンタテインメントのプラットフォームとしてグローバルの市場を狙っている。すでに将来像はネットフリックスであり、ネットフリックス自身も今年のアカデミー賞で外国語映画賞、監督賞、撮影賞と、動画配信サイトから制作されたコンテンツが世界の映画賞を総なめにする事態になっている。そこにはすでに媒体の垣根はないようだ。📚🎥📗🏫🏢💡⚡️💻🌏happy01📂📺📶


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:100年を迎える理科年表」から

2019.4.11   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:100年を迎える理科年表」から

超ロングセラーのデータブック

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、国立天文台編で1925年から創刊し間もなく100年を迎える超ロングセラー「理科年表」について語っている。

◯数値データから読み取れる現象の原因や社会の変化

 理科年表は年次出版のデータブックで、創刊100年を迎えようとする超ロングセラーであるという。理科年表は、国立天文台編でその成果物を丸善が編集、出版してきた。

理科年表は、暦、天文、気象に始まり、物理、化学、地学、生物と理科全体をカバーし、2007年から環境が追加された。また電子版ができ、全体が1000ページを超える巨大なデータブックになったという。

大学などの研究者からなる編集委員会が組織され、夏には原稿をあつめ、編集作業に入り、毎年11月に刊行されるという。よほど変化が少ないデータの紹介かなと思いきや、実情は毎年50%ぐらいの内容が書き換えられ、さらに新しいデータが追加される。これによって、毎年10ページは増えるという。

理科年表は数値データだけでなく、その背景や状況をイメージできる点に特徴がある。生物で、チンパンジーの血圧が、136から80で人間のそれに近いことは想像出来るが、キリンは、260から160で異常に高い。高い頭部に血液を送らねばならないことが想像出来る。このように、数値データを知ることで、その現象の原因あるいは社会の変化までを考えることができる。💻📘🔧🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ターゲティング広告の限界」から

2019.3.26  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ターゲティング広告の限界」から

デジタル広告の曲がり角

 コラムの著者は、大手デジタルプラットフォーマーであるFacebookがデータをもとに狙った人に絞って広告を出す、「ターゲティング広告」の運用を見直すと発表したことに対する背景について解説している。

◯倫理性からも批判を受けるFacebook

 Facebookの発表は、これまでのターゲティング広告の限界を示しているという。具体的には、住宅売買や求人、信用貸しの広告について性別や人種、郵便番号などで配信を絞る仕組みを廃止するという。一部広告主が低所得者層を除外して広告を出して配信することが、「差別の助長」と批判されていた。

もともと、ターゲティング広告の強みは、売りたい商品やサービスを興味を持ちそうな人をデータで絞り込み、できるだけ低い広告コストで購入につなげることであった。さらに、CTR(クリック率)やCPA(顧客獲得単価)といった数値で可視化できる点もある。その効率性から新聞や雑誌など伝統的メディアからデジタル広告への乗り換えが加速した。

今回のFacebookの運用の見直しは明らかに効率性の低下を招く。住宅や信用貸しの分野ではコスト的に厳しいという。

また、EU(欧州連合)が導入した、GDPR(一般データ保護規則)では、クッキー情報などの閲覧情報も個人情報と定義され、世界的に個人データの保護がトレンドになってきている。倫理性の面で批判を受けた上に運用の見直しを迫られたFacebookのターゲティング広告はもう限界なのか。📺🏢📈💡🔎⚡️happy01🌏📶