【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:節電とマーケティング、売り場環境の変化が影響」から 

2022.9.9  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:節電とマーケティング、売り場環境の変化が影響」から

世界のエネルギー環境の変化がマーケティングを変える

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、前回に引き続き、世界的なエネルギー環境の変化でマーケティング計画が変わらざるを得ないことについて触れている。

○これまでのブランドでは勝てない

 横山教授は、日本の電力逼迫という外部環境を事例に、エネルギー環境が産業に影響を与え、マーケティングも従来の考えでは対応できないことを示唆している。マーケティングにとって生産コストの増大や商品の売り場環境が世界的なエネルギー環境の変化で影響をうけるという。

例えば小売業の売り場環境を考えてみよう。スーパーマーケットにおける、電力逼迫への対応は節電である。照明を落としたスタジオでのニュース番組で電力の逼迫による節電対策において、アナウンサーの顔色が悪く見えるように、スーパーマーケットの商品棚での商品はいつもと違って見えることになる。このこと自体は仕方のないことであるが、だからといってスルーしては経営としては失格である。この環境変化を利用することで、競争優位に導くことも、劣勢に陥ることもあるからだ。

例えば包装やパッケージデザインである。照明の具合によっては消費者の目に映る商品の色合いが変わる。一般的な照明下での設計であるため、暗い照明下では視認性が高いデザインが優位となる。すでにブランドとして確立している商品では照明などの変化から売上高が大きく変化することは少ない。だが、温度管理に気配りが必要な商品であれば、店頭での温度管理が難しく、売るにくいことから気配りのいらない商品の方が優位となる。結果的に温度管理にうるさくない商品の方が売れることになる。さまざまな温度帯での管理が求められるチルド商品より、冷凍食品や常温保存可能な商品の方が店舗にとって管理しやすい。その分、相対的に価値が高まる可能性がある。

このように世界のエネルギー環境の変化は、今後マーケティング環境を変えていく可能性がある。変化が起きてから対応するか、変化を見越して行動するかが経営手腕となる。これまでの「前提」としていた環境を棚卸しする状況かもしれない。🛒🧺🦠🖋🔑🚕🚗🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🗒📕happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:生活習慣変える新興企業」から

2022.9.5   日経産業新聞の記事「SmartTimes:生活習慣変える新興企業」から

日常生活の課題を解決することで習慣や文化を変えるスタートアップ

コラムの著者 榊原 健太郎氏(サムライインキュベート代表取締役)は、スタートアップが我々の習慣や文化を変える事例を紹介し、まさに文化はそういった変革から生まれたことを再認識している。

○女性ターゲットのサービスは生活のあり方まで変える事例も

 榊原氏は、日常的に常識だ、当たり前だと思って過ごしてきた生活習慣や文化を多くのスタートアップが変えてきたことを紹介している。

  • エアークローゼット:2022年7月東証グロース市場に上場。同社のサービスは、プロのスタイリストがユーザーに合わせて選んだコーディネートが自宅に届くファッションのサブスクリプションを提供。
    • 女性の社会進出に伴って、働く女性が増えたが、多忙な毎日でもオシャレがしたいという女性のニーズに応えるサービス。
    • レンタルなので、オシャレを楽しんだ後、返却でき、次の新しい洋服が届くという。
    • 店舗までの移動時間や着こなしのための時間を減らし、自宅で試着するようにレンタルしていくという新しい習慣を提案した。
  • トイサブ!:おもちゃのサブスクリプション。おもちゃは購入するものという既成概念を打ち破ったサービス。
    • おもちゃの提案はプロフェッショナルが行い、子どもの成長に応じて選んだ良質なおもちゃが届く。自分の子どもの得手不得手を勘案しているところも人気の秘密である。
    • こちらもレンタルなので使い終わったらら返却できる。
  • OniGO:最短10分で届く宅配スーパーを提供。
    • 都内の子どものいる家庭で人気。スーパーやコンビニに行くのにメイクや着替えの準備や移動時間をなくす。生鮮食品から日用品まで扱い、うっかり忘れた買い物には重宝。重い荷物を持つ必要もない。

これらの事例は一部であるが、人間の生活様式の全体を文化と呼ぶが、その形成とスタートアップの行動は非常に似ている。我々は、日常生活の課題を解決しようと積み重ねた努力で、生活を改善し豊かにしてきた。まさに起業家精神そのものである。

 

 

 

 

 

 

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:象印がスマート農業支援、農家守り、ごはん文化守る」から 

2022.8.26  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:象印がスマート農業支援、農家守り、ごはん文化守る」から

川上にある米づくりの現状を知って、課題解決に挑戦

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)は、象印マホービンの2013年からのごはん文化を盛り上げる運動「ライスマイルプロジェクト」の一環「ライスマイルNEXTプロジェクト」について同社の取り組みを紹介している。

◯「ごはん好きを増やす」からスマート農業に挑む「米農家を応援する」へ

 高岡教授の注目点はごはん好きを増やすというところからさらに川上の生産者、とりわけスマート米農家に注目している点である。日本の米作りを取り巻く環境は極めて厳しい。高齢化や後継者不足で農家の数が減り、管理する田んぼの面積は増える一方である。さらに米価格も低迷している。つまり、少人数で多くの田んぼを管理し生産性を高めて収穫する必要性に迫られている。

この課題に対して同社はAIやIoTを活用したスマート農業の支援である。2021年6月、スマート農業プラットフォームを手掛けるオプティムから「スマート農業と象印の組み合わせができないか」と持ちかけられ、「ごはんの川上にある米づくりの現状を知って、課題解決に一緒に取り組みたい」という同社の意思が契機となった。

スマート農業にはネガティブなイメージがあるという。大量生産・無機質でうまくなさそうなイメージである。そこでユーザー向けの生の情報を動画配信し、収穫した米は象印の直販サイトで「スマート米(オプティムの登録商標)」として売り出した。

同社は炊飯ジャーが経営の基幹商品であることから、日本の食卓からごはんが消えることは死活問題である。ごはんを軸にしたごはん文化がなくなることに等しく、川上の米農家も、その歴史や伝統、調理法、ごはんと合う副菜など全てが消滅することにつながる。つまり同社社員もごはん好きからごはん文化を守って行きたいという声が多かったという。🌾🍙👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:萩でワーケーション維新」から

2022.8.22   日経産業新聞の記事「SmartTimes:萩でワーケーション維新」から

遊ぶように働き、働くように遊ぶのが21世紀型の仕事人

コラムの著者 久米 信行氏(iU情報経営イノベーション専門職大学教授)は、山口県萩市を訪れ、同地が明治維新の偉人を生んだ地であると同時にワーケーションの聖地だと感じたという。

○21世紀の仕事人に大切なのはワークプレース

 久米教授によれば、21世紀型の仕事人は「遊ぶように働き、働くように遊ぶ」のだという。日用品は多国籍企業の勝ち組に寡占され、特徴のない誰がやっても同じ仕事はAIやロボットに代替されるからだという。週休3日制時代、高付加価値でリピート消費されるのは「遊び」であるという。

遊びを知らない仕事オンリー人間やオンオフを分けすぎるスイッチ型人間では画期的な商品やサービスを生むことは難しいと久米教授は指摘している。さらに21世紀の仕事人に大切なのは働き場所であるという。日常を離れリセットしたり、半ば遊びながら新しい構想を練るワーケーションが定期的に必要だろう。

久米氏はその最適地で、聖地と感じるのは、明治維新の偉人を輩出した山口県萩市だという。松下村塾の跡地で、明治の激動を迎える人たちの志にふれたり、美しい街並みの古民家カフェでノマドワーカーにもなれる。自転車で回れるコンパクトな街並みは日々発見があるという。食も日本海の幸や萩むつみ豚や梶岡牛なども味わえる。自然もジオパークを形成しており、大自然のリズムを感じられるという。このような環境なら21世紀のワーケーション維新がおこることは自明だろう。⏳📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:兄弟姉妹の絆の日、明治と中大三浦ゼミがコラボ」から

2022.8.19  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:兄弟姉妹の絆の日、明治と中大三浦ゼミがコラボ」から

母の日や父の日、そして兄弟姉妹の絆の日

 コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)が取り上げるのは、食品事業を営む明治と三浦教授のゼミが共同勉強会で生まれた企画で本格化した同社のプロモーションについて述べてる。

◯ブランド戦略とは心に残る世界観をいかに作れるかが勝負

 三浦教授によれば、兄弟姉妹の絆の日は7月の第4日曜として日本記念日協会の認定を受け、申請した明治であるという。この記念日は、三浦教授のゼミで同社と共同勉強会を催したのがきっかけだという。

勉強会では明治からお題をいただき、ゼミ生5チームがプレゼンする。昨年のテーマが「ニューノーマル(新常態)時代の新しいハレの日」というものだった。菓子業界ではバレンタインが最も重要なハレの日だが、コロナ禍でどんなハレの日を消費者が求めているかというお題であった。

その中で優秀賞を取ったのが「兄弟姉妹の日」。コロナ禍でステイホームにより兄弟喧嘩も、仲良くなったのも大切にしていきたいといった考えで、母の日や父の日のプレゼントのように兄弟姉妹の日には、兄が妹にお菓子を買ってあげたりして絆を深めていこうという戦略である。明治も特別なPOPを作り北海道、東北、四国のスーパーマーケット十数店舗で大量陳列用のPOPで同社の「きのこの山」と「たけのこの里」のキャラクターを登場させて世界観を構成した。さらにSNSを使って、ネットメディアにも取り上げられるようにした。

ブランド戦略は心に残る世界観をいかに作れるかが勝負で、店頭とネットを通じて、「京田姉妹の絆の日=兄弟姉妹で明治のお菓子をあげ合う日」にする世界観を構築したという。さて、来年もこの記念日にどの程度効果が出るだろうか。🍫🎍🍄📙📖👚🚗📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵