映画

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:悪いことをするとTV見せますよ」から

2016. 1.8   日経産業新聞の記事「眼光紙背:悪いことをするとTV見せますよ」から

リアルタイム番組しかなかった時代から真逆に

コラムの著者は、米国の駐在日本人に聞いた言葉が、昔の叱咤の真逆になっていることについて触れている。

○録画もオンデマンドもなかった時代

かつては、母親に「悪いことをすると、テレビ見せませんよ」と叱られた読者もあるだろう。当時は、お楽しみの番組は、次の放映までおあずけ。

ところが、米国の駐在日本人家族に聞くと、子供が言うことを聞かないと「そんなことをしているとテレビを見せますよ」というそうだ。その意味は、Netflixなどのネット経由の動画配信サービスが普及する米国では、「好きな時に好きな場所で好きな端末で」視聴するスタイルが定着しているという。番組の途中のCMはなく、トイレに行く時は一時停止すればよい。

それにひきかえリアルタイムの放送の視聴は、不自由だという。自由なネット動画環境に慣れた子供達には、放送の動画は耐えられないくらい不自由なことなのでそうだ。こうなると、スポーツ観戦でリアルタイムで見る程度の用途しか放送のテレビ番組は付加価値はないのかもしれない。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む;会員制ワインクラブ、映画専門チャンネルが参入」から

2015.12.18  日経産業新聞の記事「流行を読む;会員制ワインクラブ、映画専門チャンネルが参入」から

名画にインスパイアされたワイン、レシピ

コラムの著者 竹内 道氏(アークメディア社長)は、米国で人気になっている会員制ワインクラブについて語っている

○変わり種の参入者

今年10月から会員制のワインクラブをタイムワーナー系のクラシック映画専門チャンネル、ターナー・クラシック・ムービーズ(TCM)が参入したという。変わり種の参入者のようだが、TCMのファン層は、60から70年前の映画を創意工夫して編成、若者から壮年層まで広く名画ファンに親しまれている。そのTCMがワインを取り扱いのは、名画にインスパイアされたワイン専門家が、ワインと映画の組み合わせ提案企画を行っている。

会員には、3ヶ月ごとに世界中のワインメーカーから選ばれた合計12本の赤白ワインが届けられる。加入後初回限定の3本のワインが入会記念としてもつくという。(初回は79.99ドル、3ヶ月ごとに12本のワインで、一回の価格は149.95ドル)送付されるワインとともに、そのワインにあう名画、ワインの情報、おすすめの料理レシピまで送られる。また、特に気に入ったワインについてネットで知らせると、以後好みにあったワインを選んで送ってくれるという。

映画とワインという全く異種の商材をうまくペアリングして提供するこのビジネスモデルも興味深い。pchappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:画像センサー時代、ソニーの着眼、支えた執念」から

2015.11.24   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:画像センサー時代、ソニーの着眼、支えた執念」から

早期の着眼を執念で結実

コラムの著者 志村 幸雄氏(技術評論家)は、画像センサーの世界一のソニーが東芝大分工場の同製品の生産工場を買収とのことで、同社の電荷結合素子(CCD)について触れ、その着眼について語っている

◯米ベル研による発明を早期に着眼

同社の後に社長となる岩間和夫氏は米ベル研のCCD発明者であるウィラード・ボイル氏(ノーベル物理学賞を後に受賞)にあい、その動作原理を受け、すぐに動いたのは米ベル研ではなく、ソニーの岩間氏だったと志村氏は語る。次なる同社の技術革新は、CCDカメラに代表される画像エレクトロニクスであった。1973年にはどこよりも早くCCDプロジェクトを発足、イーストマンコダックを仮想敵として開発を開始した。しかし、画像欠陥が生じるという課題解決を民生用では差別化要因として挑戦したために多大な時間を要したという。この間多くの資金難などを乗り越え、1985年民生用初のカメラ一体型VTRを発売した。今は撮像素子の主流は処理速度の速いCMOSイメージセンサーに移ったが、CCDで培った技術蓄積は同社の事業の原動力になっている。camerahappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:個人の嗜好つかむ配信」から

2015.10.6  日経産業新聞の記事「ソーシャルNOW:個人の嗜好つかむ配信」から

動画元年の背景にビッグデータによるリアルタイム「編成」

コ ラムの著者 広田 周作氏(電通コミュニケーション・プランナー)は、最近米国から上陸した動画配信大手、ネットフリックスやアマゾンプライム・ビデオなどを取り上げ、その番組「編成」がこれまでの人手ではなく、視聴ログのビッグデータを解析したリアルタイム編成となることについて語っている。

○独自文化をもつ日本にもデータ解析を適用

コンテンツの質の高さや使いやすいインターフェイスが重視されるが、海外勢は、これに膨大に集まる視聴ログに基づく番組編成である。既存の放送局は専門の人材が視聴率データや自らの経験に基づいて人的行うものであった。これをデータ分析のアルゴリズムに置き換え、ユーザ一人一人の嗜好に合わせたコンテンツ配信を最適なタイミングで、リアルタイムに可能にする。AIを使えば、より精度はあがり、一気に離脱率を下げる可能性もある。秒単位でのチューニングも施せる。これは、人的な資源や無駄なコンテンツの購入を抑え、投資リスクを抑える。コンテンツ配信の最適化はどこか製造業の効率化に似てくるかもしれない。slatemusicsoccerhappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行を読む:どこでも動画日常に、映像作り学ぶ場増やして」から

2015.9.11   日経産業新聞の記事「流行を読む:どこでも動画日常に、映像作り学ぶ場増やして」から

識字率から識像率へ

コラムの著者 関沢 英彦氏(博報堂生活者アカデミー顧問・東京経済大学教授)は、世界最大手の動画配信企業ネットフリックスの上陸を機に、動画と日常生活の接近、さらに制作教育などについて語っている。

○携帯電話でのメディアの変遷

初期の携帯電話は、音声だけ、その後メールなどの文章、やがて、静止画像が見れるようになった。そしてスマートフォンでは、どこでも動画をみることができるようになった。

動く動画は、現実に近い体験をもたらしてくれる。現実の世界とは別に、ニュース、ドキュメンタリー、フィクションなど多様な映像の世界にどっぷりとつかれるようになった。通勤途上でも、電車という現実空間にいながら、こころは「映画館」、「ゲームセンター」というもうひとつの「自分空間」に存在する。

動画の効果は、現実に近いことや、見逃してしまいそうな瞬間を取り込むところにもある。こうした動画の力や映像の作り方について学校教育で学ぶ機会は乏しい。小職が務めるデジタルハリウッド大学では専門学校、大学、大学院とこの分野に教育を担っているが、まだまだ教育の普及といった点では、先進諸国には劣っている。

国語で文字を習い、美術で絵画を学ぶように、正課で映像作りを学ぶ時代に突入してきている。識字率から識像率へ時代は変わりつつある。slatebuildinghappy01