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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:双方向サイト『My Kao』、対話のデータで商品開発も」から 

2023.1.20  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:双方向サイト『My Kao』、対話のデータで商品開発も」から

クリエーターエコノミー時代に生活者とメーカーがつながる姿は

コラムの著者 高岡 美佳氏(立教大学経営学部教授)によれば、生活者と双方向で繋がることで、消費者に自社製品の知見や情報を提供して体験を通じて満足度を上げるマーケティングを紹介している。

◯少数でもクリエーティブな感覚を持つ人たちとつながることで商品開発も

 高岡教授が紹介しているのは、花王が2022年12月15日にラウンチした生活者と直接繋がる双方向のデジタルプラットフォーム「My Kao」である。

社内で研究やものづくりを通じて得た知見を届け、肌測定などの最新技術を体験サービスとして提供し、質問に美容の専門家が答えるコミュニティーもある。公式オンラインショップへ移り、商品を購入することもできる。

今回のサイト運営の背景には、日々化粧品や日用品についてオンラインで情報収集して購入する動きが消費者に強まっているからだという。これはメーカーにとっても大きなチャンスでもある。顧客に経験やサービスを提供することで継続的な関係を作り出すリテンション(保持・維持)型のビジネスモデルが構築しやすいからである。

周知のように日本国内で人口が減少する中で、新規顧客を獲得し続けるには限界がある。そこで、オンラインで繋がった顧客と向き合い、交流を保ちつつ長期的な関係を構築することは、メーカーにとって、顧客の満足度を上げることで、離反を防ぐ効果があるからである。さらに、対話を繰り返すことで集まるデータを「くらしビッグデータ」と名付けてサービス提供や商品作りに生かすことができる。

これまでは消費財メーカーは、大規模なアンケート調査を使って分析した結果を商品開発に生かしてきた。だが、今はクリエーターエコノミーの時代であって、生活者自身が何かをクリエートし、それをネットで披露することでマネタイズする時代である。対象人数は少ないがクリエーティブな感覚を持つ人々と直接対話して、会話の中から新しいアイデアを見出すなど商品開発の手法も変わってきている。💄🚿🧼🍴🍽👧👦📗🔉🚚☕️🍮🖥🍶😷🦠🏢🗒🏪🏢💡🔎⚡️happy01🌏🏡👝📦🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネット30年に期待する『錯覚』」から

2022.12.14  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ネット30年に期待する『錯覚』」から

幾多の失敗の果てに生まれた成果

コラムの著者は、芥川龍之介の「文芸的な、余りに文芸的な」の一節を引用して、イノベーターがいかにインターネットの進歩を進めたかについて語っている。

○ブロックチェーンを基盤としたWeb3も範疇内

 コラムの著者によれば、芥川龍之介の一節はこうである:

「昔から世界には前人の造った大きな花束があった。その花束に一本の花を挿し加えるだけでも大事業である。そのためには新しい花束を造る位の意気込みも必要であろう。この意気込みはあるいは錯覚かもしれない。が、錯覚と笑ってしまえば、古来の芸術的天才たちもやはり錯覚を追っていたであろう」

大きな花束を造る意気込みでインターネットの進歩は進んできた。その起源には諸説あるが、コラムの著者は、米国での「アーパネット」がわずか2文字でクラッシュした1969年が最初ということを選択せずに、1993年欧州合同原子核研究機関(CERN)がWWW(World-Wide Web)を無償公開したことを取り上げている。この公開がインターネットの普及に大いに貢献したからである。

それから来年で30年が経過した。インターネットの普及で我々の生活が様変わりし、スマートフォンの登場で手のひらにも収まり、目に見えないデータが新しい価値を生み出すようになった。近々ではWeb3と呼ばれるブロックチェーンを基盤とした新しいインターネットの形が話題になっている。ただ、これも大いなる錯覚かもしれない。確かに、その応用は新しい花束を造るものとされているが、先は、これまでと同様に予測できない。💵💰📈🚗🚀⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇫🇷🇺🇸🇩🇪🇬🇧


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:相づちコミュニケーション」から

2022.12.23  日経産業新聞の記事「SmartTimes:相づちコミュニケーション」から

高コンテクスト言語では米国製のビデオ会議では支障が?!

コラムの著者 栄籐 稔氏(大阪大学教授)がNTTコムウェアの役員と遠隔対話サービスがどうあるべきかを論議した時、相手は「日本ならでは」のシステムが必要だと言う。日本語特有の課題が背景にあり、独特の「相づち」に合意形成を制御する役割があると言う。

○合意形成を制御する相づち

栄籐教授によれば、日本の遠隔会議で参加者が10人を超えても相手はほぼ無言で聴いていて、相手の反応が見えず、活発な対話を前提とした遠隔会議システムではコミュニケーションに良き効果が出ていないと言う。

そこでNTTコムでは、会議中のリアクション表示を絵文字で表示できると言う。つまり相づちである「ですよね」、「やっぱり」、「さすが」、「遅くなりました」などの感情表現や「聞こえません」といった疎通確認までワンクリックでできるようにした。また、名前を出さず、その会議の結果に満足かそうでいないかという「空気を読む」投票機能もある。米国製の表現とは粒度が違う。賛否両論あろうが、日本語の高コンテクストではこのような配慮が必要かもしれない。

一方、発言者以外の商談相手が話を聴かないで資料を先めくりすることがある。言葉が中心の低コンテクスト言語系では発言内容が中心であるが、日本では話者の言葉より資料の文字の方が重視される。そこで同社のシステムでは、話者の発表スライドや発言に関係なく資料を手元で前後を確認できる機能がある。

多くの日本の会議でも傾聴モードから発言に移る場面があるが、そこでの「雰囲気の共有」が重要で、欧米のように言葉で意思を伝えることとは異なる。日本の対話は、文脈・状況の共有から意思を伝える高コンテクスト性がある。

日本語から英語への翻訳も難しい。「あの時のアレ、どうなった」を英訳するのは非常に困難である。さらに、「ええ」、「はい」、「ほんとに」、「なるほど」といった言葉が頻繁に使われ、日本語が母国語でない人からは同意しか聞こえない。この相づちを頻繁に入れて微妙に合意形成を制御するのが日本語の会話様式である。

このような特徴を考えるとまだまだ遠隔会議システムの進化が必要であろうと栄籐教授は示唆しており、相づちコミュニケーションは侮れないという。🛕🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 弊社冬季休業のため一時休止のお知らせ

いつも、当ブログをご利用いただきありがとうございます。

さて、執筆者も含め弊社 冬季休業のため、以下の期間、一時ブログの更新を停止致しますので、ご了承ください。

なお、再開は、2023年1月4日(水)を予定しております。

【休止期間】

2022年12月28日(水)~2023年1月3日(火)

以上


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:スタートアップと倫理観」から

2022.12.13 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:スタートアップと倫理観」から

世界的にゼロ金利に近い環境が起業家と投資家の緊張感やガバナンスが形骸化

コラムの著者 伊佐山 元氏(WiL共同創業者兼CEO)によれば、「次のスティーブ・ジョブズ」と言われたシリコンバレーの血液検査会社セラノスの創業者エリザベス・ホームズの禁固刑や「次のウォーレン・バフェット」と言われるまで成功した仮想通貨業界の風雲児サム・バンクマン・フリードが創業したFTXの破綻は明らかに倫理性の欠如にあったという。

○「次のスティーブ・ジョブズ」や「次のウォーレン・バフェット」の倫理性

 伊佐山氏によれば、エリザベス・ホームズの場合は血液検査が多くの疾患の診断が可能だと投資家や患者の期待を寄せた上で1兆円を超える企業価値をつけたが、内部告発で杜撰な経営と、虚偽や詐欺が明らかになり破綻した。

 伊佐山氏によれば、エリザベス・ホームズの場合は血液検査が多くの疾患の診断が可能だと投資家や患者の期待を寄せた上で1兆円を超える企業価値をつけたが、内部告発で杜撰な経営と、虚偽や詐欺が明らかになり破綻した。

 サム・バンクマン・フリードの場合はFTXの連邦破産法第11条の適用を申請した。この破綻は、「仮想通貨業界のリーマン・ショック」と呼ばれるほど業界にマイナスインパクトを与えた。サム・バンクマン・フリードはピーク時は純資産で3.6兆円超にも膨れ上がり、積極的な政治献金、慈善団体への寄付、さらなる仮想通貨の規制に歩み寄る姿勢を示していた。ただ彼の帝国はあっけなく最期となった。破綻要因はいまだ解明中であるとされているが、公開情報だけでみても顧客資産の流用やコンプライアンス意識の欠如、杜撰な投資戦略や会社資金の私的流用など倫理性を欠いている。

伊佐山氏がいうように起業家にとって社会課題解決に対する意欲、新技術に対する情熱、競争心や虚栄心は使い方のよっては他者に対して強い武器であろう。だが経済環境がこれを悪い方向に持って行ってしまった。世界中が一時ゼロ金利に近い経済環境で、スタートアップ業界に大量の資金が流れ込むと、苦労せずに起業家は資金を得て、投資家もいかに資金を潤沢に投入できるかといった異常な図式となってしまった。投資家と起業家に本来あるべき緊張関係はなく、ガバナンス関係も形骸化していった。多くの資金や過大な名声を得る舞台に立ってしまうと、優秀な人間も狂わせ、多くの人間を不幸にする表裏一体の関係となっている。関係者には高い倫理観とリスクを取る起業家と投資家のお互いの尊敬と規律が必須になる。👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵