【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「『投資』としてみた大学、非難関でもプラス収益」から
2025/02/19
2025.2.17 日本経済新聞の記事「『投資』としてみた大学、非難関でもプラス収益」から
国立・私立の違いや入学難易度に関わらず収益はプラス
コラムの著者 島 一則氏(東北大学教授)は、投資先と見た大学の収益性がプラスになるという意味について語っている。ここでは大学進学を教育への「投資」として考え、その効果と、そこから見える社会的課題について述べている。
○地方私立大学の経営問題がこの分析で浮上
島教授によれば、大学進学を教育への投資とみなす考え方は、1950年代後半に誕生した人的資本論に基づいているという。大学教育の費用と便益に基づき、その差である収益がプラスなら人は進学するという発想である。
この理論に基づくと大学教育を受けることで知識・技能が向上し、労働生産性や賃金が高まると想定される。大学の費用には入学金や授業料などの直接費用と、間接費用として、進学せずに就職したら得られるであろう放棄所得がある。2023年のデータでは直接費用(国立大学)は約243万円、放棄所得(税引き後)は男子で1153万円となる。対して、便益は、大学卒業後(23歳以降)に得られた賃金(税引き後)と高卒者として得られた賃金の差額を65歳まで合算すると、5650万円となる。男子大卒の生涯賃金は2億5106万円、男子高卒は2億609万円である。
また、選抜度の高低に関わらず、大学に入ることが一定の経済効果を期待できる。さらに経済的効果は賃金などだけでなく、健康や幸福の増進なども含んでいる。
少子化が続く中で、私立大学、特に地方の選抜度の低い私立大学は経営困難にさらされるとされている。市場競争に基づき「非効率」「市場ニーズのない」大学はつぶれても問題ないという考えが主流となっている。だが、こういった論調には、島教授によれば以下の点を見過ごしているという:
- 仮に地方私立大学が非効率的であっても、他に進学先のない高校生に罪はない。経営の問題ではなく、大学教育機会の平等性から考えるべきである
- 選抜性の低い私立大学に通学した個人の投資には一定の効果がある。
- ある分析では、そもそも私立大学に関わる政府の大学教育投資収益率(公的収益率)が8〜9%で悪くはない
さらに島教授は授業料増額問題や地方大学への財政支出が単なる費用と見ることでの教育の平等性が損なわれたり、地方経済の置き去りにつながる問題として将来への投資としての分析手法を用いて警鐘を鳴らしている。📱💬💻🚗🚀🧑🔬👩🔬🔬👧📈💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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