【ヒット商品のネタ出しの会】 日本経済新聞の記事「私見卓見:『公正な移行』、EUを参考に」から
2024/11/21
2024.11.19 日本経済新聞の記事「私見卓見:『公正な移行』、EUを参考に」から
EUではすでに基金などをもとに支援実行フェーズ
来るべき脱炭素社会への移行を考えると、労働者や産業、地域経済への負の影響が出てくる。国際的にも2015年に採択されたパリ協定でも「公正な移行が不可欠」と記載され重要視されている。コラムの著者 栂野 裕貴氏(日本総合研究所 調査部研究員)は、欧州連合(EU)の状況をもとに、日本での公正な移行の進め方について提言している。
○日本企業にもGXの重要性は理解できるが、自治体などの実行支援が後手
栂野氏によれば、すでにEUでは「公正な移行メカニズム」を導入し、中核の「公正な移行基金」を設立して現在175億ユーロ以上となっているという。この基金は、域内の企業や労働者の資金供給となり
- 中小企業の事業転換支援
- 中小企業の研究開発支援
- 労働者向け支援:リスキリング
が対象になっている。EUの移行メカニズムには次のような特徴があるという:
- 脱炭素移行に伴う悪影響を強く受ける東ヨーロッパへの資金配分が大きい
- 東欧には産炭地域が多いため、石炭需要の減少の影響が大きい。
- 移行に対する課題や目標の達成に必要な事業を記した「公正な移行計画」を各地域が作成。欧州委員会による審査を受ける。審査を通じて、各地域の実情に即した支援が可能となる。
- 地域に対する情報提供や能力開発の支援もある
- 欧州委員会は申請に必要な情報や優良な事例をウェブで公開。各地域の公的機関や企業の計画遂行能力の強化に向けて専門家も派遣。
日本も欧州も脱炭素社会への移行は必須である。日本企業も産業構造の転換が不可欠であり、公正な移行への取り組みが必要である。しかし、現実は十分とは言えないと栂野氏は指摘している。特に中小企業は依然として少数にとどまり、多くの中小企業が資金・人材・ノウハウなどの支援を必要としている。さらに伴走型の支援が重要で、企業が立地する地方自治体に大きな役割が期待されているが、対応に限界がある。日本政府はEUを手本に脱炭素移行の悪影響が大きい地方自治体に的を絞って、移行計画や情報提供の強化、資金支援などで公正な移行の後押しをすべきと、栂野氏は指摘している。💨⚡️💡🐡⛰️🌾🏣❤️👦👧💰📓🗺️🚢🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵💶
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