【ヒット商品のネタ出しの会】日本経済新聞の記事「経営の視点:新規事業がつまずく理由 『目標ありき』の愚かしさ」から
2024/06/05
2024.6.3 日本経済新聞の記事「経営の視点:新規事業がつまずく理由 『目標ありき』の愚かしさ」から
打破すべきは予測合理性に縛られた経営陣の思考回路の切り替え
コラムの著者 西條 都夫氏(日本経済新聞 編集委員)は、早稲田大学ビジネススクールの樋原伸彦准教授が簡単に起業家や新規事業のどちらを選ぶべきかを判定する質問を紹介している。その背景に、新規事業を視点が目標主導に問題があることを指摘している。
○起業や新規事業では目標主導ではなく、手持ちの資源を最大限に生かす手段主導の姿勢が重要
さて、樋原准教授の質問は、起業家に向いているか、あるいは既存事業と新規事業のどちらの職場を選んだ方が良いのかを判定するものである。
まず、質問:あなたが料理をする際の手順について尋ねます。あなたは次のうちどちらのタイプに近いですか?
回答A:何を料理するかを決めて必要な材料を買いに行く。
回答B:冷蔵庫にある手持ちの材料を確かめ、何を作るかを決める。
果たして、読者はA、Bのいずれに近いだろうか。多くの読者が回答Aと答えるという。しかし、樋原准教授によれば、社内起業家を含むアントレプレナーに適しているのは圧倒的にBタイプだという。世界的な実証研究の蓄積で、成功する起業家には思考パターンの共通様式のようなものがあると分かってきたという。
その1つが、まず目標を決め、そのために必要な資金や技術、人脈などの経営資源を獲得しようという、goal-driven (目標主導)ではなく、手持ちの経営資源を最大限に生かそうとするmeans-driven (手段主導)の姿勢だという。
米国ではヒューレット・パッカード、日本では日立製作所が小さな作業小屋(ガレージ?)から創業したように、できる範囲でスタートすることの価値を示しているという。手段主導の利点は、手持ちの資源から始めるので、起業家やリーダーがストレスなく起業(や料理)に踏み出すことができる。やたらに精緻な計画や予測を作るのも意味がなく、状況に応じた臨機応変性が鍵である。状況によっては見込み違いを素直に受け入れ、大胆に方向転換する柔軟さが重要である。起業家がよく路線変更を行う、ピボットは臨機応変や不可欠性の現れだという。
こう考えると伝統的な大企業が新規事業の大半が失敗する理由も、この手段主導でないことで、「新規事業で売上高XXX億円を達成」などと最初にゴールを掲げる目標ありきの姿勢に問題がある。計画と予測の過剰とそれによる拘束。まずは、経営者の思考を予測合理性から解放することが重要なようだと西條氏は指摘している。🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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