【ヒット商品】ネタ出しの会 日本経済新聞の記事「Deep Insight:職場に迫る介護クライシス」から
2024/04/17
2024.4.13 日本経済新聞の記事「Deep Insight:職場に迫る介護クライシス」から
ビジネスケアラーの増加が介護離職に加え生産性低下を生む
コラムの著者 柳瀬 和央氏(日本経済新聞社編集委員)は、ビジネスケアラーのモデルケースを示しながら企業のリスク管理と行政としての支援の示唆をしている。
○企業が介護支援を福利厚生と捉えることは生産性低下の危機管理として不十分
柳瀬氏のコラムで紹介されている、あるビジネスケアラーのケースを示す:
- 東京都内に住む「団塊ジュニア」の男性A(51)さんは、車で2時間の故郷に80歳代の両親が暮らしている。
- 父は内臓疾患の手術ですっかり足腰が弱り最近は物忘れもひどくなっている。
- 母は父を介護する「老老介護」で何とか自立生活をしている。母が高齢だけにいつ何かアクシデントがあってもおかしくない
- 「何れ老老介護のバランスが崩れてしまう日がくる」と頭ではわかっていても、仕事に追われ、準備は何もできていない。そもそも、何をどう準備すれば良いかわからない。
- 不安を抱えて働く日々が続いている。
柳瀬氏のコラムでは、Aさんのようなビジネスケアラー予備軍が着実に増えているという。1947年〜49年の第1次ベビーブーム時代に生まれた「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者に到達するからだという。つまり親の介護というリスクを抱える社員が増えることになる。
さらに、柳瀬氏は、親の介護で仕事が続けられなくなる従業員が増え、最悪、職場が機能不全に落ち込む「介護クライシス」が目の前に迫ってきていると指摘している。経済産業省の推計では、仕事をしながらも介護もするビジネスケアラーは2020年時点で262万人だったが、2030年には318万人で、これには女性管理職の増加や高齢者の雇用促進は含んでいない。さらに実際は増加する可能性も含んでいる。
問題点は、大きく2つあるとコラムでは指摘している:
- ビジネスケアラーの発生による企業の経済損失は介護離職で生じ、介護クライシスの前兆となる
- 離職よりも両立している社員の生産性低下の影響が大きい。業務遅延や目標未達のリスクである
そこで、コラムではハウス食品グループでのビジネスケアラー対策の事例をあげている。まず社員がビジネスケアラーとしてのリスクの自認である。その支援として同社は、親の年齢や一定のデータを入力すると介護リスクの切迫度や想定される負担の大きさを判定できるセルフチェックシステムを導入している。実証実験の結果、あらかじめ介護に対するセルフチェックによる情報や知識で仕事と介護の両立体制に移行する時間が平均4分の1に低下したという。ここに社員のビジネスケアラーとしての自認が重要であることがわかる。さらに、企業としては福利厚生という視点だけでなく、経営上の生産性維持あるいは向上のためにビジネスケアラーをどう支援して仕事を継続させ、能力を発揮させるのかが経営戦略に必要となると、柳瀬氏は指摘している。😴🛏️🎸♪💬📻⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍🇯🇵
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