【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:仕組みが見えない自動化システム」から
2023/06/24
2023.6.21 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:仕組みが見えない自動化システム」から
自動化システムにAIが関与すると人間はどう対応すれば良いのか
自動化技術の発達で人間の理解は機械やシステムの入口と出口に留まるようになり、中間の仕組みが見えない状態となっていく。故障や障害が起こると、原因究明に見えない中間部分を洞察し対策を練る専門知識が必要となり、現場では即応できなくなってきている。コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、自動化技術が及ぼす影響を機械やシステムを対象に考察している。
○自動化による利便性の向上と故障や障害などによる不便とをどう考えるか
山﨑教授はタイプライターとパソコンで入力する場合や電車の運転の事例を出して、自動化について示している:
- タイプライターとパソコン:タイプライターならキーを押せば大文字か小文字かはともかく、キーに記された文字を選択し、表示する。パソコンのキーボードの場合は、タイプライターとは全く異なる仕組みで、文字を選択し、表示する。この間の処理は見えないが、かな漢字変換など非常に使いやすい機能を実現している。
- 電車の運転:運転士の左手の制御器の操作で加速、右手の空気ブレーキ弁の操作で減速を調整しながらホームの定位置に停止する。この場合は仕組みが理解できる。一方、マスターコントロールと呼ばれるT字型のレバーに電車の運転が変わると様相が一変した。両手で手前にレバーを引くと加速し、前方に押すと減速する。この場合、コンピュータとソフトウェアで機能を実現している。動作を支配しているのがソフトウェアであるために動作の仕組みは全く見えない。だが、スムーズの加減速が可能となり、便利になった。
このように、自動化が進まない時期において運用する人間は機械やシステムの仕組みを理解する知識を獲得し操作に熟練するが、自動化が進むとその価値が変わっていく。自動化が進んだ機械やシステムでは人間が入口と出口だけを操作でき、中間状態は見えない。この変化は利便性を飛躍的に向上させたが、失ったものもある。仕組みが見えないために、故障や障害の予見ができなくなった。また実際に故障や障害が起こると、原因究明に中間処理が理系できる専門家が必要で、修理にも時間がかかり、現場での即応は事実上難しくなる。人間ができるのは監視と総合的判断っだけとなる。
さらにAIが関与するようになれば、仕組みは一層見えなくなる。AIを用いれば、より多くの知識や事象が関係するから、故障の予知や安全の障害も予測できることになる。ここまで自動化技術が発達すると、仕組みが見えない人間の介在をこのまま続けるか、機械とAIに全部任せるか遠からず決断する時期がくるかもしれないと山﨑教授は予想している。🎹🌪️🚣♀️🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑🦯👩🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎
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