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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ベネズエラの混乱と石油産業の行方」から

2019.2.11  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ベネズエラの混乱と石油産業の行方」から

世界最大級の埋蔵量をもつ大産油国

 少し前の記事だが掲載された時期よりも混迷しているベネズエラ情勢についてコラムの著者は、背後に大国の意思が働いていることについて言及している。

◯国民は「資源の呪い」から逃れられない

 国民が「資源の呪い」にかかるとは、資源頼みの国家運営が、経済・社会改革を阻害し、国民が豊かになれないことをいう。これを地でいくのが今の南米ベネズエラだという。

混乱が地域を不安定にし国際社会に影響を与えるのを警戒するのは勿論ではあるが、世界最大級の埋蔵量を持つ大産油国の行方を国際石油市場も注目している。

2010年代前半に日量300万バレル近い生産量を誇っていた。しかし、チャベス前大統領の時代に生産量が減少、足元では同130万バレル近辺まで落ち込んでいる。原因は新たな油田開発や設備補修の投資が滞ったからである。石油価格の低迷がさらに追い討ちをかけた。チャベス政権後マドゥロ政権下で経済は負のスパイラルに突入。資源の呪いにかかってしまった。

停滞後のダメージは大きく、関係筋によれば「チャベス氏はベネズエラの石油産業を破壊し、復活に何十年もかかるだろう」と語ったという。

一方、石油輸出国機構(OPEC)の加盟国では、ベネズエラの混乱、イランの米国の経済制裁での減産、リビアやナイジェリアの不安定な生産と厳しい状況にある。ただこういった中で供給不安が起きないのは、米国のシェールオイルの大増産があるために見えなくなっているだけである。米国が何らかの理由で減産に陥れば一気にリスクが増える。🚗📰💵💴📈💡🔎⚡️happy01🌏🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:越境EC拡大、『新製販同盟』カギに」から

2019.3.1  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:越境EC拡大、『新製販同盟』カギに」から

リアルでもネットでも小売は顧客情報が武器でありメーカーはブランドが武器

コラムの著者 三浦 俊彦教授(中央大学商学部)は、中国の越境EC(中国以外の国からの製品を販売するサイト)と日系企業が製販同盟を結ぶ背景について語っている。

○1980年代のウォルマートとP&Gの製販同盟が起源

 三浦教授によると、中国の越境ECサイトで花王やユニ・チャームの紙オムツが売れているという。その越境ECサイトで中国最大手はアリババ集団の天猫国際(Tモール・グローバル)であるという。

この1日で3兆5千億円も売り上げた昨年11月11日には、輸入商品の国別売上高ランキングでユニ・チャーム「ムーニー」が2位となったという。その一方で日本に来て爆買いする訪日客は減った。日本で日本製品の価値を知った中国人消費者にとってわざわざ日本に行かなくても越境ECサイトで買えるからだという。

このような状況で花王は天猫国際と提携、資生堂はアリババ本社のある杭州市に20人の常駐員を送っている。これはちょうど1980年代にウォルマートとP&Gの製販同盟ができ、POSデータを元に店舗にP&G製品を自動発送して生産・出荷計画の合理化を図り、ウォルマート本社にP&G社員が常駐し日用雑貨のカテゴリーマネジメントを共同で展開した。今や、GAFAやBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)がこれまでのチャネルがリアル店舗であったのがネット店舗に置き換わっただけである。小売業はリアルであれネットであれ、メーカーが持たない顧客情報を持っているのが強みであり、メーカーは品質やイメージに裏打ちされたブランド力が強みで、両者が結合して初めて顧客満足が生まれた証左である。💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🏨


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:一時的でない景気の悪化」から

2019.2.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:一時的でない景気の悪化」から

輸出環境は中国のみならず広範に悪化

 コラムの著者によれば、政府の「戦後最長の景気拡大」という認識とは裏腹に日本の景気は多くの指標が悪化が進行していることを示していると述べている。

◯中国を軸に香港、台湾、韓国、シンガポールなどが激減

 政府の認識とは逆に昨年のGDP(国内総生産)こそ、0.3%成長で連続マイナスの景気後退は免れたものの、所得面で見た国内総所得(GDI)の実質成長率は前年比、▲0.8%と大きく落ち込んでいる。

中国経済の2桁減速だけでなく、経済的な影響を受ける香港、台湾、韓国、シンガポールも2桁減少となっている。アジメ向けの輸出は日本全体の輸出の5割を超えているから深刻である。最後の拠り所となる米国経済も10から12月の成長率が10%台に急減速したようだ。多くの指標が軒並み悪化している。つまり、日本の輸出は中国のみならず広範に悪化しているといえる。

さらに実質雇用報酬が10から12月に2.5%増となり、企業の取り分が減った。10から12月の企業決算は2桁減益となる見込みで、賃上げや設備投資は抑制される。企業も政府も景気後退の備えが必要である。📰💵💴📈💡🔎⚡️happy01🌏🇺🇸🇨🇳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:摩擦は無くてはならぬ『無駄』、力学的エネ損失、くらし支える」から

2019.2.26  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:摩擦は無くてはならぬ『無駄』、力学的エネ損失、くらし支える」から

人類は摩擦を有効に活用してきた

 コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、機械運動には不可欠な摩擦の原理とその特徴について解説している。

◯静止摩擦、動摩擦、ころがり摩擦を駆使

  和田教授によれば、摩擦とは2つの接した物体が触れ合う運動をするときに働く抵抗をいう。運動しないように阻み、接触面で接線方向に力が生じる。これから相対的運動をしようとするときに働くものが静止摩擦、相対運動しているものの間に働くのが動摩擦である。これらは総じて滑り摩擦とよばれ、転がる運動に対しては転がり摩擦がある。

摩擦の原因は、

  • 接触面が部分的に接触することから相対運動は、接触部を生成したり切断する際にエネルギー損失、つまり摩擦がおこる
  • 運動に伴って、互いに面の凸凹を上下し、その変形で力学的エネルギーが熱に変わる
  • 面の凸部が相手の面を掘り起こし、その変形で力学的エネルギーが熱に変わる

といったように摩擦は力学的エネルギーの損失であることから、軸受けや歯車など滑らかに回って欲しい場合、摩擦を減らすために積極的に潤滑剤をつかう。逆に、タイヤや車輪は摩擦がないと駆動力が得られないので、摩擦を積極的に利用する。ブレーキは摩擦によって力学的エネルギーを熱に変換することで減速する。

人類はこのように摩擦とうまく付き合ってきている。📘🔧🏢🏠🎓📖⚡️🌏happy01🌏💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:施設園芸用暖房機、利用者視点で取説改善」から 

2019.2.27 日経産業新聞の記事「トレンド語り:施設園芸用暖房機、利用者視点で取説改善」から

産業用マニュアルの好例

 コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、農用機器・業務用熱交換器のメーカー、ネポンの取扱説明書の改善事例について触れている。

○同社の取説は「マニュアルオブザイヤー2018」を受賞

 高橋氏によると、生産機械や業務用機器は家庭用とは異なり、取扱説明書が重要だという。取扱説明書がリスク低減や誤操作による事故や損害を未然に防ぐ役割があるからだという。

今回、「マニュアルオブザイヤー2018」を受賞したネポンの取扱説明書を好例として取り上げている。

同社の施設園芸用温風暖房機は国内で大きなシェアを占め、家電の暖房機の数十倍の能力を持っているが、操作を誤ると事故や大きな損害を受けるリスクがあるという。作物が事故で出荷できなくなる経済的損失もある。

そこで同社はこれまでの取扱説明書が開発者視点でまとめられており、わかりにくい。そこで、利用者視点での情報のグルーピング作業から始めたという。まず、これまでは1冊にまとまっていた取扱説明書を「施設園芸用温風暖房機 取扱説明書、工事説明書、サポートガイド」に分冊した。使い勝手と情報へのアクセスを向上させた。

理解しやすいように仕組みをイラスト化したり、比較的大きなフォントを使って高齢の利用者にも考慮した。こうした努力が認められて、先の受賞につながったという。🌽🍆🍅🚜🏢💡⚡️💻🌏happy01📂📘