【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:日本の論文生産性、研究者・開発費、ともに低く」から
2018/04/10
2018.3.30 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:日本の論文生産性、研究者・開発費、ともに低く」から
インプットの増加とともに大切な生産性の向上
コラムの著者 近藤 正幸氏(東京電機大学特別専任教授)は、全米科学財団(NSF)などの統計資料などを分析して、幾つかの状況の中で、日本の論文生産性が必ずしも低いとは言い切れないが、これを高める方策の必要性を説いている。
◯外国人研究者の比率向上でアイデア創出
近藤教授は、NSFの2016年の国別論文数ランキングをまず以下のように示し、試みに生産性を分析している;
- 論文数
- 中国>米国>インド>ドイツ>イギリス>日本>フランス>韓国>ロシア
となっている中で、経済協力開発機構(OECD)の研究開発費(購買力平価)、研究者数(専従換算)の2015年のデータを統計資料のないインドを除いて計算している;100万ドルあたりの研究開発費に対する論文生産性は以下のようになっているという。
- 論文生産性(対研究開発費)
- イタリア(日本の4倍)>イギリス(同3.7倍)>中国(1.8倍)>米国(1.4倍)>>日本(1倍)
- 論文生産性(対研究者数)
- イタリア(日本の3.9倍)>イギリス(同2.3倍)>米国(同2倍)>中国(同1.8倍)>>日本(研究者1人あたり0.15本)>ロシア(同0.13本)
この計算は、分野により論文の出しやすさや企業と大学、研究所での論文執筆の傾向が異なるなど幾つかの条件があるため、必ずしも、日本の論文生産性が外国の研究機関よりも低いとは必ずしも言えない。
しかし、日本の論文生産性を上げる方策は必要である。1つは、異文化の接触により新たなアイデアが創発される可能性を高めるために、外国人研究者の活用がある。ただ、残念なことに、日本の外国人研究者の比率は極めて低いという。論文数は科学技術力を示す指標の1つであり、これを増やすために、研究開発費や研究者といったインプットを増やすことも大事であるが、生産性を向上させることも重要だと近藤教授は示唆している。📖🎓🔎⚡️🌍
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