【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 国家プロジェクト、『失敗』を再評価、教訓学ぶ」から
2017/01/27
2017.1.24 日経産業新聞の記事「TechnoOnline: 国家プロジェクト、『失敗』を再評価、教訓学ぶ」から
産業界の飛躍的発展が目的
コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、2つの「失敗」とされる国家プロジェクトについて触れ、必ずしも直接産業界に展開できなかったことが間接的な「成功」もあるのではないかとの示唆である。
◯企業は旗を見て開発を決断する誘い水になった
山﨑教授が示した例は、「第五世代コンピューター」の開発プロジェクトと「光応用計測制御システム」のプロジェクトである。
第五世代コンピューターは、人間の頭脳の働きに似た並列処理で推論を実行することを目指すもので1982年に始まり、7年間で570億円の国費が投じられた。並列推論を実行するコンピューターはできあがったが、産業界に応用されなかったので、「失敗プロジェクト」とされたと山﨑教授はいう。
ただ、現在は再びAIの時代となり、人材の養成に寄与したとして再評価された。もう1つの「光応用計測制御システム」は、応用の目された石油プラントが実際は能力を発揮できるものではなかった。
1979年から7年間で約200億円の国費が投じられた。結果開発技術は応用されず、「失敗」となった。ただ、先のプロジェクトと同様に、日本の電子産業の中で光技術で応用された。
確かに2つのプロジェクトは、産業界に直接展開できなかったが、国の後押しで、企業をリードすることが間接的に人材の育成などができたとされる。国と研究機関、企業との間で、「失敗」の教訓や知見を活かせば、さらなる展開が期待できるかもしれない。💡
コメント