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2016.4.1  日経産業新聞の記事「TechnoOnline:気候変動の考察、『総体の専門家』育てる」から

全体の専門家が不在での運営も試行錯誤

コラムの著者 蛯名 邦禎氏(神戸大学教授)は、国連の気候変動に関する政府間パネルであるIPCCを各方面の専門家だけでなく一般市民も含め読み解きをすすめているという。

◯IPCCの取り組みは個別の専門家が全体の専門家ではない

すでに蛯名教授の神戸大学サイエンスショップ主催の『IPCCレポートを根掘り葉掘り読む会』は130回の例会を迎えたという。

従来の科学者の集まりでの報告ではなく、従来の科学では答えが出せなかった分野横断的かつ複雑な現実のシステムである気候の問題に対して、問題をどのように理解し、そこからどのように将来を予測し、その不確実性の程度を見積もり、その不確実性のもとでどのような意思決定をすべきかとという選択肢を提示するという、極めて困難な課題に取り組んでいるからであるという。

課題は広範囲にあり、それぞれの分野の専門家は、全体の専門家ではない。このような全体をみる専門家が不在の中でどう課題に取り組んでいくかさえも試行錯誤であるという。そこで、伝統的な諸分野の科学者、行政、政治、市民などの人々が集まり、メタ科学的な課題に取り組むことが求められる。やがで、「読む会」の参加市民も総体の専門家になることの挑戦でもあるという。pchappy01

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