【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:科学はウソをつき通せない、政治利用、悲劇の始まり」から
2015/10/20
2015.10.16 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:科学はウソをつき通せない、政治利用、悲劇の始まり」から
同一条件での再現が自浄作用の源泉
コラムの著者 中村 雅美氏(科学・技術ジャーナリスト)は、6月に発刊された小谷太郎著『科学者はなぜウソをつくのかー捏造と撤回の科学史』に関連して、ソ連の農学者トロフィム・ルイセンコの悲劇と自浄作用について語っている。
◯科学には捏造がつきもの
ルイセンコは農民出身の立場から1934年に、低温処理の一種である春花処理を施した秋まき小麦が春まき小麦に変わる、あるいは逆になることもあるとした発見を論文発表した。さらに、遺伝的にずっとこの性質が継承されるという。
こうした後天的獲得形質も遺伝するという学説は当時のソ連書記長スターリンに支持されたことが悲劇の始まりであった。科学が政治に利用されたわけで、ソ連の農業は崩壊し未だに立ち直れない。中国や北朝鮮も同じ轍を踏んだ。ルイセンコの学説に異を唱える学者は粛清されたが、ルイセンコ学説は未だに撤回されていない。
獲得形質の遺伝については、フランスの進化論者ラマルクによって、遺伝は遺伝子によるものであって後天的な獲得形質は遺伝しないとおこらないと唱えた。
科学には常に捏造がつきもので、そこに政治が絡むと自浄作用が効きにくくなる。同一条件で第3者が同じ実験をして同じ結果がでるという再現実験が、捏造に対する自浄作用となる。政治が絡んだ科学はろくな結果を生んでいない。
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