【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:全国展開へインパクト必須」から
2015/06/19
2015.6.16 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:全国展開へインパクト必須」から
書けないネーミングもマーケティング戦略の一環
コラムの著者 ネーミング&コピーライターの岩永嘉弘氏は、2015年秋にデビューする青森県の新品種のお米の名前について、そのマーケティング戦略について語っている。
○霹靂(へきれき)とは雷のこと
最初にこの名前で驚き、調べたくなるネーミング。そこがマーケティング戦略の一環だと見抜いているのは岩永氏である。
最初に見れば文字通り「青天の霹靂」。しかも、お米の名前である。お米の名前には「あきたこまち」、「ひとめぼれ」から「コシヒカリ」、「ゆめぴりか」、「きらら397」など米のツヤや味覚をテーマにおいてきた。おおむね女性的な印象を使っている。その中で、「青天の霹靂」である。新概念のネーミングである。
単なるウケ狙いではなく、パッケージも田んぼの風景を思わせるグラフィックスが使われている。真夏の青空のもとに広がる一面の田んぼ。太陽をいっぱいに浴びた稲穂の海。そこへ、大自然の信号とも言える雷が轟く。天と地のドラマティックな光景でお米の原風景として描いたものである。
全国各地数多ある新種のお米を開発する中で、際立つ雄大な真夏の風景、大自然の恵みで対抗しようとする意図である。味や印象でネーミングしてきた中で群を抜くのが青天の霹靂だったわけである。
さらに、岩永氏は隠された機能がこのネーミングにあるという。かつて地産地消がテーマだった農作物も今やネットと宅配流通の発達で全国に消費者がいる商品となってきた。ネットによる流通革命がフィールドを巨大化している。つまり、地産全消だという。そこでは商品名が商品特性だけでは生き残れない。ショックを与えて記憶に叩き込んでもらうインパクトが必須だという。さらに、その名前を検索サイトに打ち込ませることが、絶対条件だ。
「青天の霹靂」を書ける人は少ない。それでよいと岩永氏は語る。なぜなら、キーを打てば文字は飛び出してくる。そして、マーケットが動きだす。書けないネーミングでも問題がないのはこう言ったマーケティング戦略だからだという。
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