【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:成功モデル見直し、プリンターあえて大型タンク」から
2015/03/23
2015.3.19 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:成功モデル見直し、プリンターあえて大型タンク」から
新興国販売で学んだビジネスモデル
コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、いわば「替え刃モデル」であったプリンター販売のビジネスモデルを見直したセイコーエプソンの戦略について語っている。
○替え刃モデルの限界
替え刃モデルとは、カミソリ本体価格を低く抑え、消耗品である替え刃で儲けるといったビジネスモデルである。ゲーム機や携帯電話などで今も使われているビジネスモデルである。
ビジネス向けプリンター事業も御多分に洩れず替え刃モデルが横行していた。同社は新興国でこのビジネスモデルで失敗をした。要因は、交換インクの販売店がまず現地では少ない上に、インク代が負担となって、違法な改造によるインクの充填装置を取り付けるところが出てきたという。違法行為を訴えてもイタチごっこで先に進めず、業績が悪化したという。
そこで替え刃モデルに見切りをつけ、あえて、交換インクの不要で、充填タンクを初めから装備したモデルを新興国で投入した。確かに、初期費用が高いがランニングコストは大幅にさがることが認められ、さらに違法な改造をしなくて済む。さらに交換インクの生産から廃棄までのエコサイクルを組まなくても、二酸化炭素の排出を96%削減でき、これも買い手に評価されたという。
同社は、替え刃モデルと決別することで新しいビジネスモデルを得て、新市場を獲得し、創造のサイクルを得た。
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