【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中国大気汚染、技術だけでは解決できず」から
2013/10/31
2013.10.25 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:中国大気汚染、技術だけでは解決できず」から
脱硫装置技術を持ちながら大気汚染が解決できない理由は
コラムの著者 新田義孝氏(四日市大学)は、公害問題には技術だけでなく、社会全体での取り組みがなければ進まなかったことを四日市公害の例で触れていいる。
○公害克服には大きな社会的な力が必要
多くの人が中国の大気汚染を憂いているし、日本としても役立つであろう、環境対策技術の多くを供与し始めている。しかし、四日市公害から四日市が脱した理由を振り返ると必ずしも技術的な問題ではないと新田氏は指摘する。
そこには公害裁判を機に企業に圧力をかけた社会派の方や、地方自治体の首長が民主主義が機能していて公害を放置するような人が選ばなかった住民の意思もある。さらに、吉田克己三重大学教授(当時)の役割を新田氏は語っている。吉田教授は、公害裁判の患者側の証人であるばかりか、県政のトップでもあった。また、県政のトップとして、医療補助という仕組みを発案し、四日市市の医療補助を実現し、日本に公害健康被害補助法の導入のきっかけを作った。この働きは、善悪判断ではなく、企業も行政も公害病患者や市民も公害克服のために理性的に動くことだできた点である。
また、新田氏は他の公害病を鑑みても、それぞれ吉田教授の様なキーマンが現れ、具体的な社会的な手法を編み出したことも大きな貢献であるという。つまり、技術や政治制度だけではなく、「日本人同士の了解」としての認識がキーマンを支えてきた。
すでに中国には脱硫装置の技術はあり、微粒子状物質の除去んは物理的には可能だが、こういった社会的な認識も技術同様に伝えていかねばならないと新田氏は指摘している。