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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:花の需要創出するには」から

2013.8.23  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:花の需要創出するには」から

「モノ日」を増やそう

コラムの著者 平林千春氏(東北芸術工科大学教授)は福島市、仙台市と花卉の需要が全国1位、2位である地域で、花の需要を増やす試みについて語っている。

○「モノ日」

平林教授によると、花の需要の大半は、ブライダルや葬儀などの冠婚葬祭用。特に「仏花」と呼ばれる菊などの需要はお盆や彼岸も加えると全体の3分の1となるそうだ。

花卉業界では、「モノ日」と呼ばれる年中行事(正月、お盆、お彼岸、クリスマス、母の日など)が個人の需要の中核をなしていることから、平林教授は、福島市、仙台市のような需要の旺盛な地域で、消費を喚起しようとしている。

  • 新しい「モノ日」の設定:日本有数のダリヤの産地である山形県川西町では「川西ダリヤ園」の宣伝も兼ねて、9月の敬老の日に孫から祖父母にダイヤをプレゼントすることを企画している。

モノ日をきっかけに、もっと潤いのある街になれば市場創発型マーケティングが効果を発揮することになろう。bud


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:コミック『進撃の巨人』、アニメ、世界で快進撃」から

2013.8.22    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:コミック『進撃の巨人』、アニメ、世界で快進撃」から

アニメ公開で変わった市場

コラムの著者 面川真喜子氏(マーケットプランナー)は、今最もアツいコミック『進撃の巨人』(講談社、諌山創氏作)が世界に向けてアニメ放映を始めたところブレークしているという。

○コミックとしての実力

累計部数2300万部、最新刊は単行本で185万部と、大ヒットである。突然現れた人を食らう巨人と人類の戦いの物語で、残酷シーンも多いという。コミックだけであると、この残酷シーンが目立ちすぎ、営業も進まなかったという。

ところが、4月から日本、英語圏、フランス、東南アジアでアニメ放映を行うと、事情は変わったという。さらに、放映に合わせたコンビニやピザ宅配のキャンペーンも人気を呼んでいるという。

○周辺ライツも展開

さらに、このアニメ主題歌もカラオケ配信で急上昇。着うたダウンロードも記録を書き換えているという。さらにアニメとしては異例のイベントも1万人以上を収容できる横浜アリーナなどで開催されるという。

このように原作のイメージを変えずに、ファンの期待通りの展開を図ることで、周辺ライツでのビジネスもひろがるという。まさに、放送の力である。tv


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:食べログ」から

2013.8.22   日経産業新聞の記事「西川英彦の目:食べログ」から

飲食店利用者コミュニティーで市場形成

コラムの著者 西川英彦氏(法政大学経営学部教授)は、前回のSNSに続き飲食店検索サイト『食べログ』(カカクコム運営)に触れ、顧客コミュニティーが生むマーケティング力について語っている。

○既存サイトとの差別化を図る食べログ

すでに2005年に開設した当時、『ぐるなび』という大手飲食店検索サイトが存在している中で、『ランキングと口コミで探せるグルメサイト』としてスタートした。後発であったにも関わらず、全国75万店の飲食店情報、460万件の投稿口コミ数といった膨大な情報を誇っているという。月間4800万人のユーザーが利用するサイトに成長している。

○「やらせ投稿」問題

飲食店側が高評価を業者に依頼する「やらせ投稿」が問題となり、評価の信頼性が大きく揺らぐという危機を迎えたこともある。多くの監視手段を講じて防いでいるが、最も監視が厳しいのは、利用者コミュニティーの目であり、自浄作用が働くという。こう言った意味でもコミュニティーは市場の創造だけでなく、自己を防衛する作用もあることがわかるという。restauranthappy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「言葉力で相手動かす:『1番ピン』は外さない」から

2013.8.20   日経産業新聞の記事「言葉力で相手動かす:『1番ピン』は外さない」から

マニュアルにない接客

コラムの著者 高野登氏(人とホスピタリティ研究所所長)は、ボウリングのセンターピンを外すと、ストライクが取れない事を例えに使って、相手を動かす言葉について解説している。

○地方ホテルでの出来事

高野氏はエピソードを通じて、心温まる思わぬ接客について語っている。

ホテルのコーヒーショップに家族が集まっている。ところが、長い散歩の疲れか、おじいちゃんが思わず失禁してしまった。周りのお客も気付いていない。そこに、ウェイトレスが飲み物を運んできた。家族の様子をみて事態を察知した彼女は、テーブルに近付くと、手を滑らせて、麦茶をおじいちゃんに思い切りこぼした。

「わあ、どうしましょう。手を滑らせてしまいまして、本当に申し訳ありません。何か着替えをお持ちしますので、ホテルの大浴場まで来ていただけないでしょうか」

周りのお客は、客に飲み物をかけるなんてと笑っている。しかし、当事者のおじいちゃんや家族は、涙が出るぐらいありがたい。ここで彼女は、1番ピンを「絶対にお客様に恥をかかせないこと。そのためには自分が恥を引き受けること」と定め、行動した結果だという。

型どおりの言葉からは決して生まれてこない、暖まる空間が人を動かす。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ゼロを目指す工学」から

2013.8.20   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:ゼロを目指す工学」から

環境に優しい技術開発

コラムの著者 山﨑弘郎名誉教授(東京大学)は、ゼロから作る技術や工学をゼロに戻すところにも方向性があることを示唆している。

○工学の見地から

山﨑教授によると全ての工学や技術は、新たな価値を生み出す人工物をゼロから実現する機能を持っているという。言い換えれば、環境重視の高密度な成熟社会では逆のエンジニアリング、つまりゼロに戻すことも求められるという。さらに、スタートとゴールの中間をどう最適化するかも課題である。

事例では、原子炉の廃炉や高層ビルの解体などである。方法としては、設計によって構築された秩序や機能を合理的にゼロにする方法と、一気に破壊して、破壊後の処理技術を確立するというものだ。

○すでに行われているゼロ化への技術開発

不要家電のリサイクルでの回収、分解の再利用システム。古紙やプラスチック製品など回収処理は破壊方式である。山﨑教授は、ゼロ化への技術に2つの方向性があるとしている:

  • 既成のゼロから価値を生むプロセスにつながり、今度はゼロにするライフサイクルを形成する方法。対象のライフサイクルを通じて、知識と秩序が出来る。
  • 既成の分野を横断した異分野への展開を考える方法。環境や資源を念頭に入れ、例えば製鉄所のコークス炉の原料の一部に廃プラを利用して、廃プラの減量と燃料の節約を考えるなどである。

このようなゼロ化技術は、地球環境への負担を減らすことから、新しい工学の姿があるのではないかと山﨑教授は指摘する。happy01